話題:時代劇
「大河ドラマにおける史実論争」というのを、ある大河ドラマのレビューブログで読みました。
今年の大河ドラマは、ここ数年の物より格段の期待を持たれているようで、何よりです。
最近は、本当に酷かったと思います。
私自身、「風林火山」以来まともに見ていません。
さて「史実論争」とは、必ず歴史とは違うと騒ぐ人間がいるということですが、 必ずしも史実通りにすればいいと言うものでもありません。
「水戸黄門」も「暴れん坊将軍」も史実をなぞっていてはできない作品です。
マンネリ気味とは言いながらも、老若男女みんな安心して見てきた物です。
彼のフランスの文豪 アレクサンドル・デュマは、元歴史教師のオーギュスト・マケと組んで数多くの小説を新聞に発表しました。
二人がトラブった時、新聞社はデュマ先生には原稿料を払うけど、元歴史教師には同じ原稿料は払えないと言ったとか。
確かに史実に添ったドキュメンタリーは興味深いし、面白いと思うけど
だからといって、史実に重点を置くととんでもなく『駄作』になります。
特に、史実重視のふた昔前の社会主義の国の映画は酷い物でした。
『火龍』
(1987)
リー・ハンシャン(李翰祥)監督
中国・香港映画
『火龍』(かりゅう)は、愛新覚羅溥儀の後半生を描いている。
ビデオタイトルは『火龍 ザ・ラスト・エンペラー』。
(※こちらは残念ながら、Amazonに無いようでした。)
『ラストエンペラー』
(1987年)
ベルナルド・ベルトルッチ監督
伊・中国・英映画
音楽をYMOの坂本龍一氏が担当。ジョン・ローンが愛新覚羅溥儀役を演じました。
『火龍』と同時期にソビエト映画の『ロマノフ王朝の最期』も見に行きましたが、史実通りの映画は果てしなく面白さに欠け、一緒に見に行った旦那は熟睡してました。
私は悔しいから両方とも頑張って見ましたが、そちらに興味が無い人間にとっては、恐ろしく苦痛に感じただろうと思います。
『ロマノフ王朝の最期』
(1981年)
エレム・クリモフ監督
いずれにしても、史実を重視し過ぎると面白みに欠けるので、ある程度の「お造り」は必要なのでは?
ということです。
ただ、そのさじ加減が難しいのだと思います。
先ほどの『火龍』と『ラストエンペラー』を比べれば分かると思いますが、同じ人物を描いていても切り口や国民性、捉え方で内容が変わってしまう。
映画や大河ドラマにはエンターテイメントが大切なのだと思います。
多くの人々が見て楽しめる、その時代・人物に興味を持って調べたり考えたりするようになる――。
素人の私でさえ、このように考えたり感じたりするのに大河の脚本家の方はそんなことはなかったのかな、とふと考えてしまいました。
拍手 くださった方、ありがとうございます。
とっても、嬉しいです。
以下はちょっとばかりおこがましいけど、結城やすはとしての制作姿勢です。