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「かぶいて候」隆慶一郎.著


話題:最近読んだ本


「かぶいて候」
隆慶一郎.著




私が初めて填まった、時代小説の作家さんの短編集です。



表題作の『かぶいて候』は

現在 終盤も近いNHK大河ドラマの主人公のお江と秀忠も出てきますが、
面白くなりかけたところで、絶筆になっています



その昔

初めて読み易い時代小説を見つけた私は、手当たり次第に読み漁りました。

時代小説…時代劇にしろ、「三國志」を始めとする中国古典にしろ、
漢字が多くて苦手でした。


学生時代から外国の翻訳物の方が受け入れ易かったので、
ずっとその手の小説を読んでいたのです。

A・デュマやゴロン夫妻、アン・ライス 欧米の推理小説など。


中国古典などに手を出したのは旦那の影響ですが、
そんな時に手に取ったのが隆慶一郎氏の「吉原御免状」だったと思います。


読み易かった、本当に読み易かったのです!


関ヶ原後、江戸に幕府を開いた徳川家康と吉原創始者の庄司甚右衛門の関係。



時代区分の分け方をこの小説で意識したように思います。


それと前後して、原哲夫氏のジャンプ連載の漫画も楽しく読みました。


↓は徳間書店版ですが




この小説と漫画以降

漫画やゲームでは、前田慶次郎が必ず描かれるようになりました。

隆慶一郎氏の功績『大』だと思います!



↓は、やはり隆慶一郎氏原作の「影武者徳川家康」


漫画と小説を並行して読むと、時代劇に不慣れな人間にはとっても分かり易いのです。








今まで、隆慶一郎氏の小説家の来歴をしっかり見ていなかったことに気がつきました。

今回 改めて見て、かなりビックリしました。


東大文学部仏文科・卒業

中央大学や立教大学でフランス語の教鞭を取る。

70年代シナリオライターとしてテレビドラマ・映画等の脚本を制作。

小説家としては、60代になってから。


色々な来歴を持った方が小説家になりますが、

自分にとっての読み易さは、根底に流れるフランス文学との
共通点のようなものかな?
そう思ったりしています。

それにしても、未完の大作が多いのは、泣けます。


66歳の急逝は、いまでもとても残念に思います。


今回の「かぶいて候」の中に収められている縄田一男氏との対談で、
書いてみたい作品についても述べておられます。


「日本武尊」(やまとたけるのみこと)を死ぬ前に書いてみたい。

やまとたけるは、中世フランス語で書かれた「トリスタンとイゾルデ」の
トリスタンに似ているところがあるとも仰っていて、斬新な感じもしました。

やまとたけるもトリスタンも、男性なのによく泣くそうで。


古代日本や古代中国、中世西欧圏では、男性もよく泣きますものね。




中世英語だと思っていた「トリスタンとイゾルデ」

中世フランス語だったというのも、目からウロコでした。

本当に、隆慶一郎版「日本武尊」手に取って、
読んで見たかったと心から思います!



古代日本の余韻を味わうなら、今のところ《目》からでしょうか?





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