フレンの気持ちは嬉しいけど、申し訳ない気持ちでいっぱいなミシェル。
今まで、レイヴンの愚痴聞いてもらってるときから好きだったのか…っていうのかいつから好きなんだろうとか、愚痴とか言いつつ独りよがりなノロケ話になってたんじゃないかとか。
レイヴンの口から彼女のこと聞くのすら嫌だったのに、フレンはどんな気持ちで聞いてたんだろうとか。
「その後フレンちゃんとはどーなの?」
「何が?」
「いーかんじだと思うけどなぁ…フレンちゃん年下だけど頼りがいあると思うし」
「やめてよ!そんな話しないで!」
「ご、ごめん…」
「あ、…今仕事中だから…」
「…そうね。失礼」
「レイヴンさん。何話してたんですか?」
「あー、…ちょっと空気読めてなかったかも…もう少しで殴られるとこだった。手ぇ上がってたし」
「何怒らせてるんですか」
「うん…そっとしといたほうがいいかも」
ミシェルは近づくなオーラをガンガンに出してるから誰も近づけない。
フレンも近づかない。
定時で帰宅するミシェル。後輩女子より早く帰る。
そしてみんな「フレン行け!」って雰囲気。
「み、ミシェル先輩!」
「何?」
「その…一緒に帰りませんか?」
「あ、うん。いいよ」
「よかった…」
「?」
そのまま会話も無しに家についちゃう。
ミシェルのマンション前。
「…今日感じ悪かったよね。ごめん」
「みんな心配してましたよ」
「はは…明日菓子折り持ってこうかな」
「…何かあったんですか?」
「…や、ただイライラしてただけ」
「…」
「…」
「「あの」」
「…」
「…先輩」
「うん」
「僕と付き合ってください」
「フレン君……」
「先輩?!泣かないでください」
「優しくしないで…」
抱きしめるフレン
「僕じゃ支えになりませんか?」
「……なる」
「よかった」
とりあえずお付き合い?することに。
で、初めてミシェル宅に招待されるフレン。晩ご飯をご馳走になる。
定時で帰ってきたしね。
「知ってると思うけど私超わがままだから」
「はい。知ってます」
「…そこはフォローしてよ」
「先輩のわがまま、可愛いから好きです」
「年上を馬鹿にするんじゃない!」
「そんなつもりじゃないですけど…」
「じゃあどんなつもり?」
「そのままですけど。可愛いです」
「!…やめて」
「どうしてですか?可愛いのに」
「やめてったら!」
反応がなお可愛くて遊んじゃう。
そんなんで3ヶ月くらい経過。
手ぇ出さないフレン。
もう手ぇ出されてもいいミシェルは酒の勢いで誘ってみる。
「ねぇ、…シていいよ?」
「!…飲みすぎです」
「そんなことないよ。していいっていうか、シよう」
「ちょ、せんぱ…!」
そんなこんなで事にいたる。
「先輩…」
「んー…おはよ」
「先輩…ほんとに、無理してませんか?」
「あんなことさせといてよく言うわ」
「すみません…」
「…好きじゃなかったらしない」
「先輩!」
「ミシェルって呼んでよ」
「はい!僕のことも呼び捨てにしてください」
「うん。フレン、朝ご飯作ってきて。シャワー浴びてくる」
「一緒に入りましょう」
「だめ!あんたは飯!」
「先輩、口が悪いですよ」
「私先輩って名前じゃないってば」
「…ミシェル」
「なに?」
「口が悪い」
「それ?」
いちゃいちゃする。
でもフレンは自分で言うのもなんだけど、お礼なのかなって思ってる。好きって言ってたけど、それも酒入ってたしな。とか。
ネガティブ思考。
でもそばにいれるならそれでもいいって思う。
そんくらい好き。
ミシェルはレイヴンが結婚したってレイヴンのこと好きであり続けるだろうし、それを咎める権利なんてないし、ずっと一方通行かもしれないけど、それも有りかなと。
ミシェルは幸せじゃないかもだけど、自分は幸せ。って思うことにする。
フレンという鳥籠の中で、レイヴンという空に焦がれる小鳥ミシェル。
…なんかキモいな。
でもそんな感じ。
ミシェルはミシェルでフレンのこと普通に好きだと思う。
でもたまにレイヴンのこと考えちゃうから、フレンに悪いなってゆうか、自分最低だなって思う。これって完璧利用じゃん。みたいな。
自己嫌悪。
「あああ」
「どうしたんですか?」
「え、声出てた?」
「はい。…僕と一緒にいるときは何も考えないでいてくれると嬉しいです」
「そういうわけにはいかないのだよ」
「じゃあ僕のお願い聞いてくれますか?」
「…聞ける範囲で」
「僕といるときは僕のことだけ考えてくれませんか?」
「…できる限り」
ってかお前とレイヴンのことしか考えてねーし。レイヴンが余計かぁ…
「あああ」
「またですか?」
「ごめん…好きです」
「…僕も好きです」
「ほんとに好き」
「…自己暗示に聞こえます」
「ごめん…もう言わない」
「もっと言ってください!」
「フレン君、好き」
「はい」
つーかフレン敬語だしな。
きっとフレンは全然敬語抜けないと思う。
そしてダラダラそんな関係が続くんだ。
そしてそんなことしてるうちに、どうしよう…レイヴンが結婚するか別れるか迷う。
…結婚しようか。
もちろん二人とも式に呼ばれる。
そしてブーケトス。
「いてっ」
「だ、大丈夫?」
「あら、コントロールミス」
「…先輩、受け取ってください」
「え、でもフレン君が取ったんだし…」
「いや、男の僕が持っててもしょうがないので。…結婚してください」
「えっ…あの、保留で」
「「「えぇ?!」」」
そんなわけで保留にする。
でも一緒に帰る。
しかもフレンの家に寄ってく。
「フレン君、さっきのは、よく考えてのプロポーズなの?」
「はい」
「私結構年上じゃない」
「関係ありません。ずっと先輩の隣にいたいんです」
「ほんと?」
「はい。…自分のことが嫌いなんですね。僕は先輩の不器用なところも、わがままなところも、素直じゃないとこも、全部ひっくるめて好きです」
「ありがとう…」
「そうだ、」
席を外すフレン。
「これ、受け取ってください」
「へっ、ゆ、指輪…?」
「左手、出してください」
「…うん」
「…。」
「ぴったり…ありがとう。嬉しい」
「やっと渡せた」
「ありがとう。ほんとに…」
よかったねよかったね。
ほんとはユーリも出したかったけど余談すぎるのでやめとく。
そんで両親に挨拶して、式当日にマリッジブルーに陥るといいよ\(^o^)/
「…そんな暗い顔しないで?」
「ジュディス…」
「大丈夫、ね?」
「…。」
「マリッジブルー?」
「よくわかんないけど…そうかも」
「フレンを信じて。…最悪、何かあったらうちに来ればいいわ」
「何かって…まぁ、それは心強いかな」
「でしょう?…もう大丈夫?」
「さっきよりは。…ありがとうジュディス」
「どう致しまして。それじゃ、後でね」
無事結婚式も終えて、初夜です。
ミシェルが疲労で熱出すってオチです/(^o^)\
しかも病院行ったら妊娠も発覚。
「フレン君、まずった」
「どうしたんですか?…まさか病気ですか?!」
「…。フレン君は嬉しいかもしれないけど…」
「?」
「…妊娠してた」
「へ?!…ミシェルさんは、嬉しくないんですか?」
「う、嬉しいけど、その、タイミングというか、仕事もあるし、なんかもう、私母親になるの?」
「…僕も父親になるのは初めてですし…一緒に頑張りましょう。仕事は…まぁなんとかなりますよ。みんな喜んで、協力してくれます」
「そう…かなぁ。私だったらすげー迷惑!とか思っちゃいs…うぇっ」
つわり。
「大丈夫ですか?きっと怒ってるんですよ。それと言葉遣いも直してくださいね。胎教に悪いですから」
「はい…」
それでも子ども産んだら女として見られなくなっちゃうとか、しばらく出来ないしとか、それがきっかけで他の女に…は今までのこと考えるとないかもだけど、不安が押し寄せる。そしてつわりの悪循環。
で、体重も減っちゃう。
「ミシェルは休んでて。ご飯食べられますか?っていうか食べてください」
「うーん…」
「ミシェル?」
「…私が子ども産んでも女としてみてくれるって、約束して」
「約束するも何も、ミシェルはミシェルだよ。子どもを産んだってかわらない」
「うん…はぁ。なんかお腹すいた。ご飯作って」
「はいはい」
「やっぱちょっと元気でたから私も手伝う」
「お願いします」
そしてなんとか円満に暮らすわけです。
たまにミシェルが無駄に落ち込みつつ、それも子どもが生まれたら落ち着いてくる。
母は強しよ。
で、図太くなる。
そんで同時期くらいにジュディスも妊娠したりしてね。それこそ家族ぐるみの付き合いとかいいと思うよ。
なんか女子どもの権力が強すぎでやばいな。
しかし後輩女子まじで空気だったな。
これで終わりかな?