今日リスカの夢を見た。
母親と喧嘩をして
パニックになって
包丁で腕を刺した。

せっかく7ヶ月
我慢したのに、
そう思った。

傷口は浅く、
小さかった。

だけど
血はどくどく
流れ、
服を汚した。

こんな傷で
こんなに血が
溢れるなら
あんな半乱狂に
なって
切らなくて済むのに、
起きて思った。

刻んでも
刻んでも
溢れる血は少し。

少なく、
すぐに乾く血に
恐怖を覚える。

そんな感覚に
捕われなくて済むのに。

暑いと浮き上がる傷。
酔うと浮き上がる傷。
光に照らされて
浮き上がる傷。

傷を消す薬があるらしい。

あたしはそれに
恐怖を覚える。

なぜ消さなきゃいけない。

生きた証が
消え去る。

手首の辺りの傷は
腕のシワに隠れて
消えはじめている。

怖い。

あの苦痛と快楽が
消える。

なかったことになる。

それはいい事なんだろうが
怖い。

残るように
わざと縦に切り込みを
入れた。

消えませんように、
願いを込めて。

なぜそうしたかは
わからない。

だけどせずには
いられなかった。

でも大丈夫。

あたしは
生きていける
だろう。