あいつから電話あった。

昨日のパニックで体力気力共に消耗。
で、外出までの元気充電中。
と告げると迎えに来てくれるらし-。
スッピンで帰ろうかしら?

妹のダンナ(仮)に会うのに失礼だね。


意外とリスカしたこと、
へこんでんだぜ。
振り袖とか着たくないし
髪の事も考えたくない。

写真見る度にリスカを思いださなきゃなんなくなった。


浅いし、痛くないし、すぐ治る。
1年もすれば薄くなる。
って笑ったのに。


いくら浅くても残るよ。



って。




そんなの知ってる。
どんだけ自分の手首見てると思ってんだ。
浅いカッターの傷ですら消えてくれないさ。
血の巡りがよくなったら赤くなんだよ。
光にあたったら青白く光るんだよ。
浮き出た傷跡も、シワになった傷痕も消えない。
消えてくれって、伸ばしてみたりこすってみたり。
傷痕が嫌で爪立てて、カッターで刻んだ。


気にしてんのは俺だ。


暖かくなるにつれて憂鬱になる。
半袖着ることも腕まくりすることも躊躇する。
引かれたら、と怯える。
死ねなかった自分も責める。
傷痕の浅さに臆病だと罵る。
どうしてやったんだと責める。


見て見ぬふりしてくれよ。



友達のがよっぽどわかってるよ。
前よりずっと綺麗になったね。
我慢してたんだね。
最近全然してなかったじゃん。

お世辞でも慰めでも本音でもなんでもいいよ。
嬉しいから。

そのうえ この汚い傷を触るんだ。
友達のがすごいよ。