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もう忘れることにした。見つめあった瞬間も、柔らかい唇も、いやらしい音を立てる舌使いも、優しい澄んだ目も、ときめいて胸がきゅうとなった一瞬も、少し強引なセックスも、優しく何度も脱がせる手つきも、好きだよ、と囁かれたことも。思い出すたびに美化する私の悪い癖を封じるために。あの美しいのどかな島で過ごした短い一時は全て幻であったと。全て夢であったと。記憶をくしゃくしゃにしてゴミ箱に投げつけて捨ててしまえばいい。私に従兄弟なんていない。全て創造の産物であると思い込めばいい。性器のかすかな痛みだけが今残る。私の身体だけを求める人なんて私はいらない。考えたくない。

今帰宅中。従兄弟とはあの後夜に1回、朝にもう1回セックスをする。きれいな海がある街で私たちは汚い穢れている行為を繰り返す。何度もキスをして何度も体を愛撫しあう。好きとお互い囁いて絶頂を感じる。私達が取った行動に私は今後苦しむだろう。従兄弟の浅はかさと私の愚かさに。従兄弟と私は一生分かり合えない部分がある。恋人になる確率はゼロ。なのになぜ体を許してしまったのか。お互いに少なからず好意を抱いてしまったからなのか。忘れたいけど忘れられない旅になってしまった。自業自得だ。従兄弟同士なのだ一生つきまとう関係なのに。もう取り返しがつかない。行為中にかずくんから旅行の計画を報告する連絡が届く。罪悪感で今後どう接すればいいのか分からなくなる。彼にとてつもなく申し訳ないことをしてしまった。
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