「………えぇ、芳樹さんに殺害予告?」
満月は毛利と包丁から話を聞いてげんなりとした表情をした。

「………三条の中でも最も強い三日月がいるのに、そんな度胸の持ち主がいたんだ。」

「心配なのはお嬢様の身に何が起こるかわからないことです。
念のために僕達から離れないでください。」
「うん、わかっているよ。」

毛利と包丁を連れ、物吉と共に満月は通学路を歩いていた。

すると黒い高級車が停車した。

「…………やぁ、姫宮満月さんだね?」
「失礼ですが、どちら様でしょうか?」
「お嬢様には本日、来客の予定はありませんが。」
「………ひょっとして、お嬢様を自分のものにしたいっていう馬鹿?」
満月を庇う形で彼女の前に立った守り刀に、運転席から降りてきた男はちっ、と舌打ちをした。

「………守り刀が3人もいるのか。構わん、やってしまえ。」

車から降りてきた黒スーツの男達が銃を構える。

「こういうところで銃を構えるなんて、銃刀法違反ですよ。」

そういうと物吉達は脇差と短刀を取り出した。

「物吉はお嬢様についてて。毛利と2人で始末するから!」

そう言うと包丁は毛利と共に男達めがけて、突撃した。



…………それから数分後。


「………もう終わり?」

ボコボコにされた男達が地面に倒れている。
黒スーツの男達は毛利と包丁の敵ではなかったようだ。

「な、何でガキの癖に強いんだよ…………銃は壊れるし………!」

「こーいうところで銃なんかぶっ放したら危ないじゃんか。」
「そうですね。民家を壊したら建造物破壊の罪に問われますし。」
「…………で、どうしますか?まだ僕達と戦いますか?それとも、降伏しますか?」
そう言いながらも、物吉は刀をリーダー格の男に向けた。

「貴方に聞きたいことがあります。
若旦那様に殺害予告のラブレターを送った人物に心当たりは?」

「し、知らねぇよ!俺達はただ依頼されただけだ!姫宮満月を誘拐してこいって!」
「…………誰にですか。」

「あ、綾小路公孝だ…………。」



「…………ああ、綾小路グループの御曹司ですか。中小企業の。」

「そういえばあまりいい噂聞かないね。」


「そういうところにお嬢様を嫁がせてたまるかっての。」

「とりあえずー、警察に取り調べてもらおうか。」

「ですね。」





続く。