〈梗概〉
池袋署の所轄で連続発生する密造拳銃事件。
硬派のタフガイ・武本刑事と警視庁一の軟弱お坊ちゃま刑事潮崎のコンビが事件を追う。
その裏には巨大組織の影が…。
第25回メフィスト賞受賞作。



最新刊を読んだら久し振りに1・2作目かを読みたくなって、借りてきちゃいました!
武本さんと潮崎さんのキャラクターは覚えていましたが、どんな話だったかさっぱり忘れてしまっていたので、楽しんで読むことが出来ました(^^)




初めのコンビニのシーンは、登場人物が誰が誰だか一致しなくて「あれ?」ってなったりもしたのですが、読み進めていくうちに解ったので全く問題なかったです。




密造拳銃と覚醒剤、警察と麻薬取締官と色々なものが絡み合い、また組織間の衝突や組織内部での衝突等、迚もこれがデビュー作とは思えない骨太な作品です。
それに深く掘り下げられたキャラクターが絡められているので、もう読み応えとしては抜群です。
何より潮崎さんのキャラが良くて良くて。
潮崎が強烈過ぎて霞みがちですが、武本さんの事件に対する真っ直ぐな取り組み方もまた魅力的です。
しかし、矢張りここは武本さんと潮崎さんのコンビに焦点を当てたいところですよね。
正反対で気が合いそうもないのですが、潮崎さんは武本さんを本当に心底尊敬していて、武本さんもまた潮崎さんが家の力を借りずに自力で頑張っているにも関わらず、やっかみ等で辛い目に遭っているのには気づいていて。
武本さんは不器用で、上手く潮崎さんに気遣ってあげられないのですが、潮崎さんはそんなところもきちんと理解しているのですよね。
貴方たち、立派なコンビだよ。
自分の所為で安住課長や武本さんに迷惑をかけたと給湯室で泣く潮崎さんは、普段からは想像もつかない程子どもっぽくて繊細で胸が痛みました。
そんな潮崎さんに下手な慰めの言葉をかけるでもない武本さんは、ちょっと言葉が足りないかもしれないですが、それでも武本さんの気持ちは確乎り潮崎さんに伝わっていて良かったです。




宮田さんはてっきり聡子さんと上手くいくのかと思ったら、そうはいかない辺りが凄くリアルですね。
でも聡子さんの旦那さんは矢っ張り情けないと思うのですが……。
男でママに頭が上がらないってどうなの。
あと、林の生死が解らない、けれど生きているのではと思わせるラストも良かったです。
もし生きていたらまた登場するんじゃないかな。
予定調和な綺麗事で終わらない、リアルなストーリーがこのシリーズの醍醐味ですよね。
続けて2作目も読みたいと思います(*´∀`)♪