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生ポアニキ/アサウラ




鍛えろ!筋肉は裏切らないッ!!


〈梗概〉
半不登校で孤独な生活を送る木村ユースケは、カウンセラーの勧めで新たに設けられた『恋愛生活保護』を申請した。これで相性の良い自分好みの女の子が現れて、幸せになれる…はずだったのだが、約束の日、家に来たのは女の子ではなく、一糸まとわぬマッチョなアニキ≠セった!
一方で本来現れるはずの鳳来寺ユリは転校生として現れるも、ユースケの好みとはことごとく違う。家に住み着いたアニキ、ユースケを拒絶する転校生(ユリ)、そして秘密を抱えて近づくクラスメイト・松笠アザミ…。謎が謎を呼び、アニキの汗がほとばしる!
果たしてユースケに恋人は出来るのか!?
全ての答えは筋トレの先にある!
少年少女と一人のマッチョが織りなす健全なる物語。ハイテンション・マッスル・ラブコメここに交付!!




キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!


待ってましたアニキ!!
待ってました!!!!!!!

アサウラ先生、そして九条が僭越乍らフォローさせて頂いております赤井てら先生という、黄金のタッグでお送りする問題作!!!
正直、DNRの次がマッチョとは思いませんでしたよ、ええ……。




まあ、正直なところ肌色率アップのガチムチマッチョ、どう考えても色物中の色物だと思っておりました。
ガチムチマッチョなアニキもそうですが、主人公のユースケの言動が特に気持ち悪い……、というか生理的に受け付けない。
まあ、オタクな男の子の中にはこういうタイプもいるんだろうなぁと思いつつ、イマイチ感情移入出来ないのですよね。
ところがどっこい。
色物なのは主人公の性格というか設定と“恋愛生活保護”だけといっても過言ではなかったのです……!!




苛められて卑屈になっていた引きこもりのユースケには、人の話を聞いているようで聞いていない、アニキのような強引だけど包容力のある人が必要だったのですね。
そして、ユリちゃんとの関係も徐々に変化していき、ユースケの成長振りが伺えます。
初めはユリちゃんのことを自分に宛がわれた恋人のように思っている節があり、正にユリちゃんの云うように物か何かとしか考えていないような発言をしてしまっていました。
しかし、アニキと、そして何だかんだ面倒見の良いユリちゃんとの擬似的な家族関係の中で、ユースケは徐々に、しかし確実に変わっていきます。
ユリちゃんを助ける為に何度痛めつけられようとも立ち上がるユースケに、正に男気を感じました。



ユースケにとって、アニキとユリちゃんが必要だったように、ユリちゃんにとってもアニキとユースケが必要だったのかなと思います。
同居している訳ではないにせよ、一緒に朝ランニング&ウォーキングしたり、御飯を食べたり一緒に過ごす時間が少なからずあるというのは正に擬似的な家族のようで。
事件をきっかけに人間不信に陥りかけたユリちゃんにとっても、間違いなく必要な関係だと思います。
恋愛生活保護という設定ではありますが、実際はそうしたコミュニケーションを上手くとれない、乃至とれなくなってしまった人の為のリハビリのようなものなのかなと。



DNRとはまた違ったこの作品、続きそうなので是非続刊出たら読みたいですね!
個人的なお薦め度はDNRの方が上ですがwww←
あのありがちなライトノベルとは全く逆のギリギリな、いやアウトな路線を突っ走っている爽快な作品てのも、中々ないものですね。
……まあ、アニキもDNRとは違った意味でのギリギリ感はありますが(;´∀`)
アニキは表紙とガチムチマッチョ感に惑わされてはいけない作品だと思います。





デスニードラウンド ラウンド3/アサウラ



〈梗概〉
ある日、組合から松倉チームに妙な依頼が入る。
尋常ではない高額なギャラの仕事とは『デスニードラウンド』というテーマパークで夜な夜な行われている『何か』の調査だった。
一般客に紛れてDNRへ来たユリ達は招待を受けたとある園内のレストランへと足を運ぶ。そこはDNRの真のゲストだけが訪れることを許された、秘密の会員制クラブだった。
そこでユリ達は知る。DNRの真実と仕組まれた狂気のシステム、そして閉園後の禁断のイベントを。
迫り来る、楽しげな音楽と笑顔に包まれた電飾で彩られたパレード、DNRの人気マスコットキャラクター達……。
「悪夢と絶望の国へようこそ! 幸福な死を君に――ハピデス!!」
悪夢に占められた夜に、未来を求めて足掻く者達のサバイバルゲームが始まる!





ギリギリというか、完全アウトな辺りを突っ走る、DNRシリーズ最終作、『デスニードラウンド ラウンド3』は“あの”夢の国を敵に回す?!
ということで、予てラスボスはアイツだと公言されていた通りで御座居ました。(冒頭で巷で人気のあのキャラも出している辺りは流石)



序盤は若干もたついた展開のように感じられましたが、一度DNRに忍び込んでからは正に急展開。
ユリのご両親にしても、あの作品ならば予想出来たことだったにも関わらず、そこに考えが及ばなかった為、まだまだ読みが甘いなぁと痛感させられました。


そして真逆の美鳳の負傷ですが、恐らくお父さんやお兄さんを登場させるには避けられない布石だったのですね。
布石といえば、ちらっとしか出てこなかった作中のアイドル・真内みきが真逆あんなことになるとは……。
こんな些細なネタまで確乎り回収されるのですね、アサウラ先生……。



対ニッティー戦は正直今までのバトルと比べると、呆気ないような気もしましたが、あのロナウダより上の能力を有する化け物となると、人間が手で操作する銃器ではどうにもならないだろうから、ああなるのもやむを得ないのかな?と思ったり。
脱出戦やクラブ666での戦いの方がバトルらしかったかな、とは思いましたが。
ラスボス戦でお祭り感というか、大騒ぎな感じではありましたが、矢っ張り呆気ない感は否めないですねー。
個人的には“シー”に逃がしたとニッティーが云っていたキャラクター達はどうなったのかという疑問が残りますが。



最後は山田さんも無事で良かった。
ユリは家族を失ったけど、得難い仲間が出来てそれがせめてもの救いだよなの思います。
大団円とはいっていいかは解りませんが、無事シリーズ完結して良かったです!
しかし、個人的にはこうした在り来たりでないライトノベルは大歓迎なので、出来るなら続編とか読みたいなぁと思ったり。
その後のユリたちとか、北海道独立戦争の辺りも気になります。
番外編、スピンオフ期待!!


そして、警官は奔る/日明恩



〈梗概〉
警視庁蒲田署に異動となった武本は、不法滞在外国人を母に持つ幼女監禁事件を追った。
一方、かつての上司、潮崎は、武本の力になりたい一心で、独自に事件の調査を始める。
そして、浮き彫りになる子供の人身売買や虐待の現実。
法律では裁ききれない闇に、二人はどのような光を当てるのか?
シリーズ第二作。





最新作を借りたことにより、読み返したくなって借りたシリーズ二作目。
武本さんと潮崎さんは相変わらずで、二人の関係やその絆の強さに頬が緩んでしまいます。
「先輩、お怪我は?」って……、潮崎さんは本当に武本さんが好きなんだなぁ。
二人の再会シーンから、朝御飯を一緒に食べてるシーン等、兎に角にやにやしっ放しでした(*´艸`)




……と、まあそんな感想はさておき。
今回もまた複雑な問題でしたね。
不法滞在する外国人は確かに法を犯しているけれども、その外国人が日本人との間にもうけた子どもには何の罪もない。
しかし、国籍もなく虐待や人身売買といった酷い目に遭い、生きていくことすら儘ならない。
そうした子どもたちに居場所やおやつ、御飯、そして医療を提供することすら本来許されない。
しかし、違法ではあるが悪いことはしていない、誰も困っていないと豪語する羽川のぞみは、人の善意を利用して不法滞在外国人の子どもではなく、嘗ての幼い頃の自分を救おうとしている。
これ以上やるせないことはないでしょう。


何でもかんでも違法だから、悪いことだからと罰すればいいという訳ではないですが、法を守らなければ法治国家は崩壊する。
しかし、法は本来あるべき効力を失いつつある。
本当に難しくて、一概に何が良いとか悪いとか云えない問題ですよね。
このシリーズはそうした問題を提起し、読者に考えさせるお話だと思います。




また、温情の小菅と冷血の和田という、新しい警察の人間も登場してますが、この二人もまた対照的で一概にどちらの言い分ややり方が正しいとも間違っているとも云えないですよね。
和田さんの武本さんに対する思いやりや、小菅さんの武本さんや和田さんに対する温情がよく伝わってきて、ああこの二人はやり方こそ違えど似たような人なのだなと思いました。




警察という組織、そして法律。犯人。
それらに挟まれ苦悩し乍らも、それでも諦めない、正しくあろうとする。
本当にこんな警察官がいたらいいなぁと思います。



それでも、警官は微笑う/日明恩



〈梗概〉
池袋署の所轄で連続発生する密造拳銃事件。
硬派のタフガイ・武本刑事と警視庁一の軟弱お坊ちゃま刑事潮崎のコンビが事件を追う。
その裏には巨大組織の影が…。
第25回メフィスト賞受賞作。



最新刊を読んだら久し振りに1・2作目かを読みたくなって、借りてきちゃいました!
武本さんと潮崎さんのキャラクターは覚えていましたが、どんな話だったかさっぱり忘れてしまっていたので、楽しんで読むことが出来ました(^^)




初めのコンビニのシーンは、登場人物が誰が誰だか一致しなくて「あれ?」ってなったりもしたのですが、読み進めていくうちに解ったので全く問題なかったです。




密造拳銃と覚醒剤、警察と麻薬取締官と色々なものが絡み合い、また組織間の衝突や組織内部での衝突等、迚もこれがデビュー作とは思えない骨太な作品です。
それに深く掘り下げられたキャラクターが絡められているので、もう読み応えとしては抜群です。
何より潮崎さんのキャラが良くて良くて。
潮崎が強烈過ぎて霞みがちですが、武本さんの事件に対する真っ直ぐな取り組み方もまた魅力的です。
しかし、矢張りここは武本さんと潮崎さんのコンビに焦点を当てたいところですよね。
正反対で気が合いそうもないのですが、潮崎さんは武本さんを本当に心底尊敬していて、武本さんもまた潮崎さんが家の力を借りずに自力で頑張っているにも関わらず、やっかみ等で辛い目に遭っているのには気づいていて。
武本さんは不器用で、上手く潮崎さんに気遣ってあげられないのですが、潮崎さんはそんなところもきちんと理解しているのですよね。
貴方たち、立派なコンビだよ。
自分の所為で安住課長や武本さんに迷惑をかけたと給湯室で泣く潮崎さんは、普段からは想像もつかない程子どもっぽくて繊細で胸が痛みました。
そんな潮崎さんに下手な慰めの言葉をかけるでもない武本さんは、ちょっと言葉が足りないかもしれないですが、それでも武本さんの気持ちは確乎り潮崎さんに伝わっていて良かったです。




宮田さんはてっきり聡子さんと上手くいくのかと思ったら、そうはいかない辺りが凄くリアルですね。
でも聡子さんの旦那さんは矢っ張り情けないと思うのですが……。
男でママに頭が上がらないってどうなの。
あと、林の生死が解らない、けれど生きているのではと思わせるラストも良かったです。
もし生きていたらまた登場するんじゃないかな。
予定調和な綺麗事で終わらない、リアルなストーリーがこのシリーズの醍醐味ですよね。
続けて2作目も読みたいと思います(*´∀`)♪



やがて、警官は微睡る/日明恩



〈梗概〉
横浜みなとみらいに新規オープンしたホテル、ハーヴェイ・インターナショナル横浜で立て篭もり事件が発生した。犯人は謎の多国籍グループ。20階のVIPフロアを急襲し、「取引」をしていた客たちにある要求を突きつける。
周辺の携帯基地局も爆破され、異常な事件の連続に大混乱に陥る警察。非番でホテルに居合わせた警視庁蒲田署の刑事・武本は、新人ホテルマンの西島とともに館内を逃げ回りながらも、かつての上司で神奈川県警に所属する潮崎警視と連絡をとり、孤独な戦いを開始する―。






超久し振りの武本&潮崎シリーズ第3弾を見つけて、速攻借りましたよー!
このシリーズが大好きなのてすが、ぶっちゃけ1・2作目の内容は忘れてしまってまして……(;´∀`)
それでも、1・2作目が迚も面白くて好きだという記憶だけはありましたので、迷わず借りました。




読み始めは何が起きているのか解らず、しかし読みやすい文章なのでそれなりに読み進めることが出来ましたが、やや事件が発生し発覚するまでがもどかしい感じはしました。
武本さんが登場してからも、読者は武本さんと同じようなペースで事件を把握していくような感覚で、若干もたついた展開のようにも感じられました。
しかし、潮崎警視が登場する辺りから、一気にストーリーが展開していきます。
矢張り潮崎警視の存在が重要なのだなぁというか、ストーリーを展開するに当たり重要なキャラクターなのでしょうね。
潮崎警視が登場する前も読み進めることが出来たのは、意外な人が次から次へと犯人側の人間と発覚して、武本さんサイドと犯人サイドの双方から事件がどう展開していくのか見守ることが出来たのが要因の一つだと思います。





潮崎警視と武本さん意外のキャラクターの掘り下げも見事で、絶妙なキャラクター設定の為、掘り下げ過ぎもイマイチ把握出来ない感じもないのは本当に素晴らしいと思います。
潮崎警視の部下の大川原巡査長と渡辺巡査が、やや掘り下げが足りない気もしましたが、事件にそこまで深く関わっていなかったし、これからかな?と思います。
意外だったのは島田一課長で、この方のキャラクターは素晴らしいに尽きます。
潮崎警視を嫌い、疎むが故に過ちを犯してしまいますが、それを認め謝罪し、現状の警察の在り方に疑問を抱き乍らも事件解決の為ならばそのやり方に従う。
始めは厭な人だなぁと思っていましたが、とんでもないです。
潮崎警視じゃないですが、島田一課長好きになっちゃいそうです。






事件としては、結局人質全員無事脱出するも、犯人の目的は達成されてしまうという結果に終わります。
ホテルの従業員側に潜り込んでいた犯人が捕まらず姿を眩ますというのも、予定調和でない終わり方で非常に良いと思います。
この犯人は今後も出てきそうな予感ですね。





今回、久し振りに新作を読んで、改めて潮崎警視と武本さんの絆が凄く好きだなぁと思いました。
お互いを信頼し、尊敬し合っているからこそ、相棒でなくなっても力を合わせて事件に挑むことが出来る。
本当にこの二人が好きで好きで堪りません。
最後のやり取りに二人の絆の強さが集約されているように思いました。
ああ、矢っ張り1・2作目、読み返そうっと。




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