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実験的経験/森博嗣



<梗概>
小説であり、小説ではない。
ミステリであり、SFであり、SSであり、詩作であり、そのどれでもない。
創作の可能性を無限大に広げる、作家・森博嗣の新たなる境地。
ここに小説の未来がある。



読み始めて「もしかして水柿助教授シリーズみたいな感じ?」と思ったのですが、それ以上の駄洒落のオンパレード……。
よくまあ一冊の本に纏まったなぁというか、よくこの内容で許されるなぁとか、色々思うところがなくはないのですが、矢っ張り森博嗣先生だからこそ許される本であるのは間違いないですよね。



密林から引用させて頂いた上記↑の梗概には正直言及する余力も突っ込むつもりもありません……orz
何処が?!と随所に突っ込みたくなるのですが、……うん、まあ、うん……と突っ込みたいこともよく纏まらない有り様です。



取り敢えず、各章の最後は恐らく森博嗣先生のエッセイというか、実話なんだろうなぁと思いつつ読みました。
最近はやや実体験ともとれるような話を、フィクションともノンフィクションともつかない体裁で書いておられる本が増えてるのかな、という印象を受けます。



この本は特に賛否両論別れると思います。
九条は読むのが苦痛だった、というのが正直なところです(;´∀`)


悪の教典(上下巻)/貴志祐介




<梗概>
学校とは、子供を守ってくれる聖域などではなく、弱肉強食の法則が支配する生存競争の場だ。
ここから無事に生還するためには、生まれ持った幸運か、いち早く危険を察知する直感か、あるいは暴力的な才能が必要になる。
2010年ミステリー界を震撼させた超弩級エンターテインメント。




attention!!
本の感想記事は基本的にネタバレありですが、本書の感想は特にネタバレ注意です。
未読の方、特にこれから読む予定がおありの方、また(読む予定ありなしに関わらず)ネタバレがお厭な方は閲覧をお控え下さい。
この注意書きを無視されての苦情等は一切承りません、予め御了承下さい。



















何だこれは。
それが上巻を読み始めて暫くしてから抱いた感想でした。
犯罪を幾つも重ねている凶悪犯であるにも関わらず、何故か惹かれてしまう。
物凄い引力を持っているのだ、この蓮実聖司という人は。
貴志祐介先生の著作を拝読するのは、この『悪の教典』が初めてなのですが、文章の読みやすさと何より蓮実聖司という人物の引力に引っ張られ、上下巻とも可成りの厚さがある本だというのに一気読みしてしまいました。




決して蓮実聖司に同情することも、感情移入することもないのですが、それでも妙な引力に引っ張られてしまう。
多分この人にはそうした人を惹き付ける“何か”があって、本人もそれを熟知しているのだと思います。
だからこそ、“他人との共感性”が欠如したこの人が、教師という職に就いてしまったことは不幸だとしか云いようがありません。
他人との共感性がないから、人を傷つけようと殺そうと何も思わない。
こうしたら傷つくだろうなとか、怪我させたら痛いだろうなとか、人を殺すのは如何なる理由があっても許されることではないとか。そんな風に思わないから、人を傷つけることも痛めつけることも、殺すことも躊躇わない。厭わない。
しかもこうした彼の性質が、生まれ育った環境によるものではなく、生まれ持った資質だったことがより不幸なことだといえるでしょう。
合間に描かれていた彼の過去にはそうしたことが記されていて、彼は幼い頃からそれこそ数えきれない程の罪を犯してきているのです。





そんな彼が上巻では、用意周到に罪を重ね思うがままに“自分の王国”を作ろうとするのですが、下巻からは一転して綻びが生じ、罪を隠す為に人を殺しあとは大量殺人へと発展していくという、少々お粗末な展開になります。
あそこまで無感情に、時として生徒の抵抗(防御)を褒めつつ、如何に効率よく殺害していくかだけを考え行動する蓮実を「悪魔」と称した方も(感想を拝読するだに)少なくないようですが、彼にしてみればそれが“常態”なのでしょうね。
慥かに情緒が欠如しているし、共感性もない。非常に知能が高い、精神病……というか、精神異常な人間とでも云えば良いのでしょうかね。
しかし恐ろしいのはそこではなく、彼がそうした部分を理解した上で生きていて、自分の欲求を満たそうとしているところではないでしょうか。




そんな彼が犯人と露見し、証拠となったものも、彼本来の用意周到さから考えれば非常にお粗末なもので、果たして本当に痛恨のミスなのか?彼にとってイレギュラーなのか?と穿った見方をしてしまいます。
つまり、彼は敢えて警察に捕まり、譬えば精神病院に収容されるような振る舞いをして、確実に脱獄するという手段をとったのではないか?ということです。
下巻の最後の方でも仄めかされていますが、恐らく生き残りの二人(大量殺人の切っ掛けとなった安原美彌は蓮実がどうするつもりなのか解らないので一先ず除外。でも美彌は蓮実がまだ好きでも、蓮実は多分(好き嫌いといった感情は関係なしに)始末してしまうのではないかと思う)を殺しにいくのではないかと思います。
司法が勝つか蓮実が上回るか。
恐らく蓮実が上回ってしまうのではないかとさえ思うのです。




続編があるのかどうかは解りませんし、きっとない方が良いのでしょうが、もし続編が出るのであれば是非とも読みたい。
そう思える作品でした。
面白いと云っては不謹慎かもしれませんが、非常に興味深い作品であることは間違いないと思います。


ひなこまち/畠中恵



<梗概>
お江戸のみんなが、困ってる!?
大人気「しゃばけ」シリーズ最新刊。
いつも元気に(!?)寝込んでる若だんなが、謎の木札を手にして以来、続々と相談事が持ち込まれるようになった。
船箪笥に翻弄される商人に、斬り殺されかけた噺家、霊力を失った坊主、そして恋に惑う武家。
そこに江戸いちばんの美女探しもからんできて――このままじゃ、ホントに若だんなが、倒れちゃう!




『やなりいなり』と一緒に借りた『ひなこまち』でしたが、これまた面白かったです!
基本的にはいつも通りの短編集なのですが、助けを求める木札がそれぞれのお話を繋いでいて、連作のようになっています。




『ばくのふだ』と『河童の秘薬』はオチが多分こうだろうなぁ、という予測がつきましたが、それでも矢っ張り楽しめるのが『しゃばけ』シリーズならではといいますか(^^)




『河童の秘薬』の最後の方では、珍しく佐助と仁吉が喧嘩していて新鮮でした(*´艸`)
この二人の兄や馬鹿なとこが好きだよー。(笑)
いつまでもこの関係でいて欲しいところですが、さていつまで続くやら……。
きっとこの先、若だんなも結婚したりするのだろうし、そうなればいつまでも兄や二人に甘やかされてばかりという訳にもいかないのだろうし。
若だんなの為にはそうなった方が良いのでしょうけど、個人的には若だんなが成長するのは淋しさの方が勝ってしまうなぁ。
でも、それは佐助と仁吉の比じゃないですよね。
若だんなの成長を誰よりも喜んで、且つ淋しくも思うのはあの二人だもの。



出来るならば、『しゃばけ』シリーズはいつまでも今のままであって欲しいけれど、どうお話が進んでいくのかな……?
お話が進んでいっても、『しゃばけ』シリーズの登場人物たちは、きっと読者を温かく迎えてくれるだろうことだけは確信しています(^^)


新しくなった図書館に行ってみた。

先日リニューアルオープンした図書館に、早速行って参りました!
(本当は本の感想記事より、こっちを先に書いてアップするべきでしたねー(;´∀`) )



以前の図書館は可成り古い建物でしたし、御手洗いも和式のみという凡そバリアフリーとは縁遠い代物でした。
しかし今回の増改築で、外側にスロープを二ヶ所設け(以前は一ヶ所あった)、多目的トイレもあり、更にはエレベーターもあるという徹底振り!!
もしかしたら書架の間が車椅子では通りにくいかもしれませんが、以前の多目的トイレもないような建物に比べれば遥かにマシなのではないでしょうか。




書架も以前に比べると可成り増えており、蔵書も閉架書架から若干開架書架に回したのかな、というような見たことがない本も増えていたり。
何より以前とは違い、本棚に並んでいる本の上の隙間に捩じ込まれている本が少ない!(残念乍ら全くない訳ではない)
美しい本棚って良いですよねぇ・:*:・(*´∀`*)・:*:・




結局その日は、
・『とある魔術の禁書目録』13、14巻
・『やなりいなり』
・『ひなこまち』
・『悪の教典』上下巻
の、計6冊を借りました(*^ω^*)
本当は小説の参考にする為の本も借りたかったのですが、流石に6冊の本を抱えて探すのはしんどかったので、またの機会にすることにorz
でも、漸く『悪の教典』を借りることが出来て嬉しかったです!
前のブログの時にお勧め頂いた本なのですが、ずーっっと貸出中で中々借りられなかったのです(´・ω・`)
なので、借りることが出来て大満足です(*´∀`)♪



取り敢えず、今借りてるのを読了したら、『とある』シリーズ読破に専念しようかなぁ、と思いつつ。
タイミングが合うようなら、『とある』読破!!うん、そうしよう!
一方通行がどうなるのか気になりますし(*^ω^*)
ああ、矢っ張り図書館のある生活って良いなぁ\^o^/


やなりいなり/畠中恵



<梗概>
いつも大賑わいの長崎屋に、史上最高の千客万来!?
大人気「しゃばけ」シリーズ第十弾は、新キャラクターがてんこもり!
全話に「レシピ」も付いてます!



漸く「しゃばけ」シリーズの続きを読むことが出来ました(ノ_・。)
感無量で御座居ます°・(ノ`)・°・
図書館のリニューアルオープン万歳です♪\(>∀<)/♪



さてさて、漸く読めた『やなりいなり』ですが、初めのうちはこれまた図書館で借りた『とある魔術の禁書目録』の方で頭がいっぱいで中々世界に入っていけない、という勿体ないことをしてしまいました(´・ω・`)
それでも読み進めていくうちに「しゃばけ」シリーズの世界に入っていくことが出来たので良かったです(*´∀`)♪



若旦那も仁吉も佐助も妖たちも、皆相変わらずで何だかほっとしますよね、「しゃばけ」シリーズって。
久し振りにシリーズを読んだ訳ですが、温かく迎えて貰ったような、そんな気持ちになりました。



今回はどのお話にも美味しそうなレシピがついてましたねー(^^)
お話として一番好きなのは『あましょう』かなぁ。
凄く切ない話です。
栄吉さんが若旦那を思う気持ちが「一太郎は、逝くなよ」という一言に籠められていて、ああ栄吉さんにこそ新六さんの気持ちが解るのだよなぁと思いました。



ほっこり温かい気持ちになれるお話の多い「しゃばけ」シリーズですが、今回は少し切なさを後味に残した感じでした。
それがまた良いですよね。
続きも借りてるので、早速読まねば!


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