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ブラッドライン/知念実希人



〈梗概〉
止まらない鮮血、鳴り響くアラーム、飛び交う怒号。手術室は悪夢の戦場と化した!
簡単な腹腔鏡手術を受けていた准教授が、ありえない死を遂げた。医学部教授選をめぐる疑惑、連続するドクターの怪死、異様な血液の闇。
「missキシ」「1/2ダンス」の言葉は何を暗示するのか。若き外科医がたどり着いた慟哭の「完全犯罪」とは。
現役医師によるミステリー。



知念実希人先生の作品を拝読するのはこれが初めてです。
加えて、医療ミステリを読むのもこれが初めてだったりします。(バチスタシリーズとかも読んだことないので)
Twitterで作者様をフォローさせて頂いていますので、いつかは読んでみたいと思っていました。



読み始めは少々かったるい印象で、主人公に感情移入も同感も出来ずイマイチ読みづらかったのですが、話が進むにつれ主人公が父親が亡くなった真相を知るべく行動し、徐々に明かされていく謎に漸く面白く感じ、半分くらいからラストまではスムーズに読み進めることが出来ました。
初めの狐憑きの話とどう結びつくのか、犯人は一体誰なのか予測が全くつかなかったです。
ただ、主人公が犯人と対峙する前に、何となく犯人が誰なのか解ってしまったのは残念でしたが、何故あんなことをしたのか、何を隠したかったのかは全然解らなかったので、最後まで緊張感を保って読むことが出来ました。



登場人物は割とテンプレート的な気もしますが、何より主人公のキャラがイマイチ安定していなくて、どんな人柄なのかよく解りませんでした。
しかし、その分ドラマを見ているかのような感覚で読むことが出来たので、これはこれでアリかなと。
主人公の妹さんの婚約者の母親は凄く厭な感じですね。
正直、妹さんの婚約者も好きじゃないタイプ。
本当にママ離れ出来たの?といいたくなる。
あと、主人公のお父さんが子どもたちに冷たく当たっていたという描写が余り見られなかった為、イマイチ兄妹が父親に反感を持つ気持ちが解らなかったです。
もう少しキャラクターの掘り下げが必要な気もするし、これ以上は必要ないかもしれないし……、微妙なとこですね。
少なくとも現状では感情移入は出来ないのは確かです。



エピローグが迚も哀しくて、何とも遣りきれないですね。
確かに主人公の云うように、人として、医師としてとってはならない行動をとってしまったことが迚も哀しいです。
他にもっと違う手段があったのではないかと思うけれども、親の気持ちは親にしか解らないですしね……。


初の医療ミステリ、初の知念実希人先生作品は結構好印象かな?というかんじです。
機会があれば他の作品も読んでみたいですね。



十三番目の人格 ―ISOLA―/貴志祐介



〈梗概〉
賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。
その能力を活かして阪神大震災後、ボランティアで被災者の心のケアをしていた彼女は、西宮の病院に長期入院中の森谷千尋という少女に会う。
由香里は、千尋の中に複数の人格が同居しているのを目のあたりにする。このあどけない少女が多重人格障害であることに胸を痛めつつ、しだいにうちとけて幾つかの人格と言葉を交わす由香里。
だがやがて、十三番目の人格「ISOLA」の出現に、彼女は身も凍る思いがした。
第三回日本ホラー小説大賞長編賞佳作。


貴志祐介先生のデビュー作です。
他の作品に比べると、やや展開や設定に粗削りな部分が見られますが、それでも読む手を止められないのは貴志先生の書かれる作品が“現実にないとは云い切れない恐怖”を描いているからなのではないでしょうか。


多重人格、今でいう解離性同一性障害と体外離脱、臨死体験を絡めている訳ですが、どちらも現実に有り得る話ですがその二つをこの物語のように絡めると、誤解を招く畏れがあるのは否定出来ません。
勿論、現実には有り得ないけれども起こり得そうで怖いという、ぎりぎりの線をいっていると思います。
実際、貴志先生は心理学等に造詣が深いので、それぞれの症例に関しては間違った記述はなされていないように思います。
しかし、それぞれの症例を絡めていくと幾らなんでも有り得ない展開になってしまい、恐怖が薄れてしまうのが残念なところという感じでしょうか。


物語のラストは意外な展開の連続で、最後はうそ寒くなりました。
このラストから鑑みれば、確かにこれはホラーなのかなとも思います。
そうなんですよね、あくまでこの話はホラーであってサスペンスではないんですよね。
そう考えれば多少有り得ない設定の話でもありなのかなぁとも思ったり。
しかし、貴志先生の最近の作品を先に読んでしまっているので、まだまだ粗削りだなと思ってしまうのでしょうね。


いないとは思いますが、この作品は解離性同一性障害を正しく扱っている訳ではなく、あくまでフィクションなので、未読の方はそこを踏まえて読んで頂きたく思います。




デスニードラウンド ラウンド2/アサウラ





〈梗概〉
女子高生傭兵VS警視庁
マスコットキャラクターを撃つ!

借金返済のために女子高生傭兵を続けるユリの前に、台湾から美鳳という狙撃手がやってくる。
同年代だった美鳳とユリは自然と仲良くなっていき、いつしかユリの学校の先輩・宇佐美玲奈も一緒に遊ぶ関係になっていった。
そんなある夜、ユリの携帯に宇佐美から1本の電話が入る。
「ユリ…お願い、助けて。あ、あたし、殺される」
そして銃声と、甲高い子供のような人ならぬ声。
はたしてユリは大切な人を守る事ができるのか…?
泥だらけの逃走、迎撃、そして事態は群馬県へ。
現実を生き抜くためにユリが撃つ、今度の敵は――警察だ!



漸く買って読むことが出来ました、『デスニードラウンド ラウンド2』!!
随分前に発売されていたのですが中々買えなくて、漸く買うことが出来ましたよー(;´∀`)



今回も前作同様……か、それ以上にヤバイ設定です。
真逆の敵が警察?!
相手はピー、いやP君?!
前作のロナウダとはまた違った怖さにひたすら戦慄……((((;゜Д゜)))
P君と一体化しちゃうとか何それ怖い((((;゜Д゜)))



しかも今回は正式に依頼された仕事ではなく、ユリの友人である学校の先輩が助けを求めて来て、松倉さんたちは様々な事情が相俟って動けないという、前回とはまた違った最悪のパターン……!
初めは松倉さんは非情だとも思ったのですが、松倉さんたちにしても慈善事業でやってる訳じゃないんですものね……。
しかし事情が変わり、資金を組み合わせて資金繰りをして動く気になってくれたのは、確かにお金の都合がついたからかもしれませんが、それでもユリを助けようと思ったからに違いないと思います。
ユリも宇佐美先輩も美鳳も無事で良かったなぁ。



P君が宇佐美先輩を狙う理由もまた、ロナウダ同様哀しい出来事で遣りきれない気持ちになりました。
エナがあんなことになる前に樺山さんが気づけていたら、そもそも奥さんや娘さんと連絡をとっていたら、樺山さんはあんなことをしないで済んだのでしょうか。
樺山さんは松倉さんが云うように、助けを求められる宇佐美先輩が妬ましかったのでしょうね。
助けを求められない、恨みすらぶつけて貰えない、血が繋がっている自分は何なのだと絶望したのでしょう。
勿論それは当然の報いなのかもしれませんが、そう冷静に受け止められる筈もないですよね。
P君はそんな樺山さんの後悔と妬みと復讐心から生まれた“化け物”だったのですね……。


しかし、ロナウダといいP君といい、どうも裏で糸を引いている存在がちらついている気がします。
あの笑い声……、矢っ張り夢の国の?
何だか更にヤバくなりそうですね、このシリーズ。(笑)
しかしこのヤバい感じがこのシリーズの醍醐味だと思うので、このままギリギリ感というか、ややアウトな辺りを突っ走って欲しいです!!



あ、あと本作を読んで、漸くサイン会前に配布されていた大野さんのアイコンの謎が解けました!
あれはバックを犯さ……いやいや成る程なあ。←


既存のライトノベルの枠に嵌まらないデスニードシリーズ、次作も期待しています!!



2013年の読書メーターを纏めてみた。

2013年の読書メーター
読んだ本の数:175冊
読んだページ数:37883ページ
ナイス数:181ナイス

狐火の家狐火の家感想
(詳しい感想はブログにて)漸く借りることが出来た防犯探偵シリーズ2作目! 『鍵のかかった部屋』同様の短編集で、読みやすかったです。 表題作は何ともやりきくて哀しいお話でした。 しかし最後のお話に全て持っていかれた感じですね。(笑)
読了日:12月30日 著者:貴志祐介
庵堂三兄弟の聖職book.akahoshitakuya.









スマホに機種変したので、読書メーターの纏めが年間も出来ることをメルマガで知り、早速纏めてみました。



1年で175冊かあ。
多いのか少ないのかイマイチ解りませんが、多分九条にしてみれば多い方なんじゃないかなーと思います。
冊数の多い少ないに拘るつもりはないので、今年も読みたい本が読めるといいなあと思います(*´∀`)


12月の読者メーターを纏めてみた。

2013年12月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2142ページ
ナイス数:32ナイス

狐火の家狐火の家感想
(詳しい感想はブログにて)漸く借りることが出来た防犯探偵シリーズ2作目! 『鍵のかかった部屋』同様の短編集で、読みやすかったです。 表題作は何ともやりきくて哀しいお話でした。 しかし最後のお話に全て持っていかれた感じですね。(笑)
読了日:12月30日 著者:book.akahoshitakuya.com
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庵堂三兄弟の聖職book.akahoshitakuya.com









12月は6冊と、これまでに比べると随分と少なくなってしまいました……orz
頼まれもののイラストやったり、年賀状やったりしてたからなぁ……。
1月はもっと本を読みたいところですが、どうかなー……。
難しいかもしれません。
取り敢えず、『新クロサギ 完結編』の最終巻は買いたいところです。

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