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強気による狂気 by『サディスト』

(NL/幼なじみ)





グイッ。

彼女の唇に自分の唇を押し当てた。
奪ったようなかたちになったそれをミサちゃんは大層驚いたようで、大きな瞳をさらに見開いた。


「!!」


リップ音をさせてすぐ放したが、唇がスゥスゥとする。彼女のメンソールのリップクリームが移ったらしい。


「…相変わらず色気無いね。
移すなら口紅とかあるでしょ…」

「なななっ!馬鹿!なにするの!」

「唇が寒いよ」

「は、はぁ??」


拗ねたような子供っぽさはとても滑稽に響いた。彼女は怒りを通り越し、呆れにも似た気持ちだろう。自分でも解ってる。
が、彼女の小さい唇に自分のそれが触れたと思うと…。


「責任とってあっためてよ」


そこはふっくらしていたんだ。
柔らかかったんだ。

胸がドキドキする。そして、掴んだ肩は力を入れ過ぎれば折れてしまいそうな程に華奢だ。いつの間にこんなに体格差が出来たんだろう。


「せ、責任って…あのね…ぅむ!んっ」


知ってるさ。
僕は男の子だから、責任を取らなきゃいけないのは僕の方。


「…大丈夫だよ。ミサちゃん」


君が僕を温めて続けてくれるなら、
僕はずっと君の側にいるから。




昔からそう。僕は貴方に付き従う。


メンソールの香りのするお姫様は唯一の君主。





*Fin*

一応、二人は幼なじみな設定(笑)
気弱な男児と勝ち気な女の子。

お題はこちらからお借りしました。
フラッパー少女と僕。

いたぶり主義 by『サディスト』

(リブ千前提/大団円後/同門組会話ギャグ)






「や、あなたに愛情を捧げて本当によかった」


「やだ、リブってば何云ってるの」


「世辞ではありませんよ、今幸せですから」


「ふふ、私も幸せよ」


仲睦まじい二人を尻目に、かつて中つ国とそして千尋の為に戦った仲間達は溜息をついた。


風早「まぁ、千尋が幸せならそれでいいんですけどね」


柊「その割には涙目ですよ、風早」


風早「ははは…(苦笑
そういう柊はもう荷造りですか」


柊「ふふ、姫が王になられた以上、もう私の役目はおしまいですから」


風早「…柊、お節介かもしれないけど、俺達と一緒にいれば或は」


柊「伝承は変えられませんよ、例えそれが聖獣でもね(笑
ああ、どうせ変えるならば、彼女の想いの先を変えたいものですね」


忍人「それはもっともだな」


風早「おや、忍人。
君が柊に同調するなんて珍しいですね」


忍人「考えてもみろ、風早。
俺達は命を懸けて一ノ姫を守ってきたはずだ。
だがそれは、命以外を捧げるなんて云う腑抜けに姫をくれてやる為では断じて無い」


柊「ふふ、珍しく気が合いましたね」


風早「まぁ、中途半端に心(天秤)揺らされると、生殺しではありますけどね(苦笑」


柊「我が君は焦らすのがお得意のようだ」





いたぶり主義

好きなものは後に取っておくタイプなの!





Fin**


攻略順序は
那岐、風早、布都彦、アシュ、リブ、サティ、サザキ、カリガネ、忍人、遠夜、柊、他のサブキャラ、風早でした

柊の荷造りはシャレになりませんね;
ごめん、柊。愛はあるんだ(笑

お題はこちらからお借りしました。
フラッパー少女と僕。

純正サディスト by『サディスト』

(BL/甘)





「なぁ、僕のコト好き?」

そう云った時の俺の恋人は、にんまりと心底楽しそうな表情をしていた。
元々が美しいといっても過言ではない美形な男だ。歪められたその顔だって、艶っぽい。

「す、好きだぞ?」

「?をつけるなよ」

「…すまん」

ドキドキしてしまう心臓になんとかセーブをかける。
謝ると同時に、ごまかす意味も込めて恋人の身体を押し倒した。

「…わっ、と」

(相変わらず細せぇ身体…)

琉依の華奢な身体は簡単に動かせる。

「征一、ヒトを押し倒すのはいいけど、さ…?」

だが琉依の心はなかなか動かせないのだ。

「イイ声で想いを込めてもっかいな。
これは譲らないよ?」

「琉依は意地が悪い…」

「いーから、ほら」

組み敷いたのは俺で、組み敷かれているのは琉依なのに。
彼はそんなことには動じてはおらず、寧ろ更に愉しそうに目を細めた。

「…こほん」

「咳ばらいが必要なくらいイイ声で行ってくれるの?」

「やかましい」

確かに、イイ声をご所望の可愛い恋人の為に意識はしていたが、からかい口調で言われると恥ずかしい。
クスクスと笑う彼に頬を寄せて、バツの悪さを隠した。

「琉依が好き」

「顔が見えなーい」

当たり前だ。隠しているのだから。
しかし更に悔しいのは、思いっきりイイ声で耳に直に吹き込んでやったのに、琉依にはまだ不満を云う余裕があることだ。

「す、好き」

「…むー」

「なんなんだよっ」

「”琉依”が抜けた」

「それくらい多めにみてよ」

唇を尖らせるという子供のような仕種なのに、琉依がするとその唇の先を啄みたくなる。
だが、実際に行動に移そうとしたら、止められてしまった。

「なに、この手は?」

「待て、だよ。セイ」

「……」

俺は犬じゃない。そう云おうにも恋人の可愛い手は俺の唇を塞いでいる。
琉依は少し苦笑を零し、細く白い脚を俺の脚に巻き付けてきた。

「ね、セイ。ちゃんと云ってくれたらキスしていいよ」

−それからね、セイのシて欲しいことみんなしたげる。

甘ったるく内緒話のように囁かれる。
今まで唇の動きを封じていた手が、俺の首に回される。更に引き寄せられ、密着度が増した。

「……る、琉依…」

手という覆いを外された唇は外気に晒され、涼しさを感じる。
琉依の細く白い指が唇をなぞり、もうあと少し顔を寄せれば触れ合えそうな位置まで迫られる。

ゴクリと喉が鳴った。

彼が欲しい。

「ルゥ」

「ん…?
どおしたの、切羽詰まった顔しちゃって」

ルゥ、ともう一度恋人を愛称で呼ぶ。
クスクスと惚けて笑う琉依の唇に早く噛り付きたかった。

「くそっ、…っ、ルゥ…琉依!愛してるっ!」

噛り付いた。感想も応えも聞く間が惜しい。深く深く、貪る。
少し目を開けて琉依の表情を窺う。琉依はさっきまでの余裕は消えて、とても恍惚として身を委ねてくれていた。

「は…っ、んんぅ…はぁ…」

「…は…っ、苦しかった?」

「セイ…」

何分くらいキスをしていたんだろう?酸素不足でクラクラする。
本能のままに貪ってしまったので心配すると、同じく息を切らした恋人は俺の名を吐息に混ぜた。

「ふふ…ヨクデキマシタ」

ニッ、と琉依は笑った。





純正サディスト

「ルゥはサドだ…」

「お褒めにあずかりどーも」





*Fin*


お題はこちらからお借りしました。
フラッパー少女と僕。

5.例えばの話、僕が君にしてあげれる事なんてたかが知れていて by『共鳴の中で哭く二人』

(リブ千/甘)






「リブって沢山の種類の茶葉を持っているのね…」


一ノ姫はずらりと並んだ数々の茶葉に目を丸くした。
彼女にどんなものがあるとかと問われたので並べてみたものの、収集した当のリブすらも少しばかり驚いた程に大量だ。


「はは、殿下がお茶の好みにうるさいものですから」

「それにしたってすごいわ」

「や、確かに…いつの間にか増えましたね」

「いつの間にかって?
−あ、これ変わった香り」

「それは大陸のものらしいですよ」


千尋はひとつひとつ熱心に手にとって、香りを楽しむ。
その間もリブは淡々と話しながら、てきぱきと姫の好そうな茶葉を取りポットに入れた。


「前はこんなにはなかったのですよ」

「そうなの?」

「あなたが私のお茶を美味しいって云って下さったから、舞い上がってしまいましてね」

「え…?」


驚く彼女に掛からないように気を付けながら、熱湯をポットに注ぐ。
適度に蒸らすと、品の良い甘い香りが風に乗って二人を包み始めた。


「市であなたが好みそうな茶葉を見付けるとついつい…
あ、呆れてますか?」

「そ、そんなことない!
嬉しいわ、リブ」

「はは、そう云って頂けるとありがたいです」


けれど、と飲みきれそうもない量の茶葉を見て、彼は苦笑した。
武術も霊力も持たない自分が彼女に尽す術はあまり多くはないくて。きっとこの人ならそんなことは気にしていないだろうけど。


「はい、できましたよ。
熱いので、火傷なさらないように」

「あっ…ありがとう。
うんっ、良い香り」

「非時の香果もありますよ」


千尋の頬がほんのり赤いのは、きっと今出したお茶が熱いせいだけでは無いだろう。
リブはクスリと笑って、お茶を飲む彼女の可愛らしい様子を見詰めた。


「あのね、リブ」

「はい?」

「私がリブのお茶を好きなのは、もっと他にも理由があるのよ」

「おや、なんですか?」


ここには二人以外だれも居ないのに、内緒話をするように耳に小さな唇が寄った。


「リブの入れてくれたお茶だから、こんなに美味しく感じるんだわ」


とびきりの笑顔に、さらりと動いた金色の髪。
そして、そんな殺し文句じゃあ…。

あまりの威力に、思わずポットを持っていた手元が狂いそうになった。
そうきますか、と力無く呟いたリブは、普段の飄々とした態度を崩す他ない。


「や…、まいりました」

「あ、リブ照れてる!」

「かなり照れてしまってますよ。
嬉しいですから」


ほんとあなたときたら私の想像も付かないようなことを言い出すのだから…。
そう云って千尋を見ると、とても優しい顔で笑っていた。


「ふふ、毎日リブのお茶が飲みたいわ」

「…あまり迂闊なことはおっしゃらないほうがいい」

「どうして?」

「浮かれてしまって、毎日でも橿原の宮にお茶をお届けにいってしまうかもしれませんから」

「大歓迎よ!」





END.


お題はこちらからお借りしました。
フラッパー少女と僕。


リブは飄々としてすごい台詞を吐くけれどそれは素直で正直者なだけだと思う。
照れていることも嬉しいこともさらりと認めてみたりするあたり。

6.結局のところまだ此所を立てないでいる by『共鳴の中で哭く二人』

(北斗&南斗&望美/望美大団円後/ほのぼの)





ああ、またあの声が聞こえる。
いつもいつも、あの二人を放っておくとこうなる。


「この愚弟めが」

「融通のきかぬ兄を持った哀れな弟とお呼び下さいな、兄上」

「口ばかり達者になりおって」

「口だけじゃなく、頭脳も外見もいいんですよ、僕」

「高飛車なことだな」

「ならば兄上は傲慢ですね」


よくもこうポンポンと掛け合いが出来るものだ。
喧嘩するほど何とやらなんだろうな、と思うのが、だからと云ってこのままにしておく訳にもいかなくて。


「ちょっと北斗様!!南斗様!!」

「「!」」

「また喧嘩して!
だめじゃないですか」

「あっ、龍神の神子ぉ♪」
「…龍神の神子」


二人に駆け寄って一喝しても、聞こえてきた声はとても暢気なもの。さっきまでの険悪そうな空気は霧散している。
いつもこんな調子。望美はため息をつくしかない。


「もう…
また世界が裂けたって知りませんからね」

「それは大丈夫。
貴方がいるんですから、ね」

「そなたの剣術は天女にも勝る美しさだぞ。
また見せてはくれぬのか?」

「そうじゃなくて…!
世界が裂けなくて済むような努力をして下さい!」

「ははは、そなたもなかなか言うな」


笑い事ではない。彼等には前科があるのだ。
なのに、悪びれもなく北斗星君は笑い、望美の真っ直ぐな長い髪に指を絡ませた。


「わ…笑ってみせたってだめですっ、北斗様」


普段の仏頂面が、こういう時だけふんわりとした優しい空気を醸すのだから、ずるい。
望美は頬が染まったのをごまかすように上目使いに神様を睨み付けた。


「あっ、抜け駆けは無しですよ。
神子、神子、僕にも何か云って下さいな」

「ええっ何云って…」

「あははっ、慌てちゃって」


楽しそうに笑う南斗星君は、望美の腰にスルリと腕を回した。


「凛とした貴方も素敵ですけど、そういう貴方も可愛らしいですねぇ」


その無邪気で悪戯っ子のような仕草には警戒する気も失せてしまって、望美は仕方ないなあと苦笑して。
そんな様子を静観していた北斗星君がなにやら納得した様子で頷く。


「ほお、南斗。
そなたもなかなかやるな」

「兄上の年の功ってやつには叶いませんがね」


いつの間にやら仲良い雰囲気になった兄弟二柱の神に挟まれて、望美は嘆く。

いつもこんな調子だ。
喧嘩の仲裁に彼女が来れば、たちまち二人には笑顔が戻る。

だから彼女は

結局のところまだ此所を立てないでいる



「私、いつまで此処に居たらいいんだろう…」

「もういっそ住んでおしまいなさいな」





*Fin*

お題はこちらからお借りしました。
フラッパー少女と僕。


望美ちゃんに怒られたくて、北斗様と南斗様は喧嘩してるといいと思う。笑
天界で戦う時も望美ちゃんには剣使ってて欲しかった…まぁ、DSは画面小さいから仕方ないか。苦笑
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