(頼あか/甘/DS夢浮橋ED後)
桜の髪飾りに彩られた彼女を見ると、ふとあの夢を思い出す。
「頼久さんっ!
こっちのお花も綺麗ですよ」
先へ先へと駆けて行ってしまう現のあかねと、ぼんやりと残夢の彼女を重ねた。
「神子殿、御足元にお気を付け下さい」
「え?」
「朝露で滑りやすくなっております故」
頼久はすぐに追い付いて、あかねの手を壊れ物を扱う様にそっと取る。
ただ支えになればと思っただけの筈な手だったのだが、彼女はそれをぎゅっと握り返してきて。
「ふふ、こうしたら転ばないですよね。
ありがとうございます」
ニコッと桜にも勝る笑顔を向けられて、胸が高鳴る。
(ああ、確か夢の中でも神子殿はこのように笑っておられた)
己の決断に自信を持てぬまま、あかねに差し出した簪。
それを受け取った彼女は、頼久を信じてくれていた。
「…神子殿、もしまたこの頼久にご決断を委ねて下さるようなことがあれば…」
「?」
「今度こそ、私は己を信じます」
夢の中での話を現に持ち出したので、当然あかねには理解されない。
けれど、彼女は笑ってくれた。
「私も頼久さんを信じます」
あの夢が夢であることが惜しまれる。
苦笑した頼久はあかねの手の温かさをにぎりしめた。
君の優しい言葉だけは残しておきたかった
Fin.
お題はこちらからお借りしました。
フラッパー少女と僕。様
頼久大好きだっ
吹っ切れるとデレになるあたりがいい(爆
頼忠のイベのパクリでした