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02.君の優しい言葉だけは残しておきたかった by『共鳴の中で哭く二人』

(頼あか/甘/DS夢浮橋ED後)






桜の髪飾りに彩られた彼女を見ると、ふとあの夢を思い出す。

「頼久さんっ!
こっちのお花も綺麗ですよ」

先へ先へと駆けて行ってしまう現のあかねと、ぼんやりと残夢の彼女を重ねた。

「神子殿、御足元にお気を付け下さい」

「え?」

「朝露で滑りやすくなっております故」

頼久はすぐに追い付いて、あかねの手を壊れ物を扱う様にそっと取る。
ただ支えになればと思っただけの筈な手だったのだが、彼女はそれをぎゅっと握り返してきて。

「ふふ、こうしたら転ばないですよね。
ありがとうございます」

ニコッと桜にも勝る笑顔を向けられて、胸が高鳴る。

(ああ、確か夢の中でも神子殿はこのように笑っておられた)

己の決断に自信を持てぬまま、あかねに差し出した簪。
それを受け取った彼女は、頼久を信じてくれていた。

「…神子殿、もしまたこの頼久にご決断を委ねて下さるようなことがあれば…」

「?」

「今度こそ、私は己を信じます」

夢の中での話を現に持ち出したので、当然あかねには理解されない。
けれど、彼女は笑ってくれた。

「私も頼久さんを信じます」

あの夢が夢であることが惜しまれる。
苦笑した頼久はあかねの手の温かさをにぎりしめた。





君の優しい言葉だけは残しておきたかった





Fin.


お題はこちらからお借りしました。
フラッパー少女と僕。



頼久大好きだっ
吹っ切れるとデレになるあたりがいい(爆
頼忠のイベのパクリでした

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