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縦と横の関係


「なぁ、もしかして、…太った?」

困惑するように呟かれた言葉に、敏樹は口に運ぼうとしていたチョコレートをそのまま放り込むことが出来なかった。
目の前のチョコレートの欠片を見詰め、次いで敏樹は腹回りを擦ってみる。成る程、言われてみれば確かにそうかもしれない。そう感心しかけ、敏樹は眉を寄せた。見てそれと解ってしまう位なら、それは由々しき事態だ。

「そんなに…太ったように見えるか?」
「いや、何か触感が…」

口ごもる城之内に、敏樹は返す言葉がない。思い返せば、最近はレポートやら卒論の追い込みやらでチョコレートやクッキー、それにスナック菓子ばかり食べていたように思う。しかし、今までそうして生活していた時にはそんな指摘をされたことはなかったはずだ。考え込むように口を閉ざした敏樹に、それによ、と城之内は続ける。

「横森、最近痩せた…つか、窶れたろ?並んでると目立つっつーか」
「あぁ、…だからか」

比較対照の問題か。敏樹小さく頷いて持ったままだったチョコレートを噛み砕く。濃厚な甘みが口の中に広がり口腔を優しく包み込む。歯には全く優しくないが、後を引く味だ、と敏樹は思った。
しかし良く良く考えてみれば城之内は「触感が」といった。男に抱き枕にされる趣味はないが、このまま腹が出るのも何だか面白くない。

「(暫く控えるか…?)」

女性のようにそうスタイルに敏感ではないが、敏樹とてせめて人並みでいたいものだと思っている。城之内のようなしなやかで流れるような動きができる筋肉を、羨ましいと思わなくもない。何より、太った自分を想像できなかったし(したくなかったとも言える)、あの蒼い瞳の中のブリザードを思い出して、敏樹は小さく息を吐いた。

「…そうだな、ちょっと控えてみる」

城之内はただ、そうしろよ、と言って笑った。











無意識ストレス敏樹。
全く食べなくなるかチョコレート等をひたすら食べるか、両極端な敏樹さんでした。

深海魚の夢


「あんたは臆病なんですか?」

しっかりとした声音で告げられた一言は、先輩に放たれたにしては随分と失礼な内容だった。敏樹は自販機に向けていた身体を半分、その失礼な後輩に向ける。ここがもし規律を重んじる士官学校であったならば、この小生意気な後輩はあっというまに痣だらけになっていたはずだ。
微かに眉を寄せた敏樹の思考を遮ったのは、ガコンッという自販機の音だった。小さく膝を折り、ゆっくりとボトルを取り出す。それは敏樹の欲しかったコーヒーの缶ではなかった。どうやらうっかり隣のボタンを押してしまったらしい。その程度に敏樹は動揺していたようだ。
別にスポーツドリンクは嫌いではなかったが、敏樹は振り向きざまに無礼な後輩―鉢屋にそれを押し付けた。暗に秘めた言い分は、"頭を冷やせ"だ。
敏樹はもう一度ポケットを探り、硬貨を自販機に投入した。何だかもうコーヒーの気分ではなかった。

「そうだなぁ…」

敏樹はゆっくりと品物を選ぶ。指先を宙にさ迷わせながら続ける。

「どちらかと言えば、俺は臆病かなぁ」
「あんたはあの人のテリトリーに居るのに、あの人から眼を背けてるようにしか見えない」
「ん?あの人って?」

体制はそのままに、首を捻って鉢屋を見る。顔の半分も見えなかったが、敏樹にはそれで十分だった。

「…横森先輩です」
「横森ねぇ…」
「だって、そうでしょう。あなたがあの人に手を差し伸べたら、あの人の負担はとても軽くなるのに―」

ガコンッ。缶の落ちた音が響く。敏樹が取り出したのは、小さな野菜ジュースの缶だった。
そのロゴに視線を沿わせながら、敏樹は小さく瞬く。横森に手を差し伸べたら?大体、そんな仮定は面白くない。

「なぁ、鉢屋。俺はあいつのテリトリーの中に居るとは思わないし、あいつから眼を背けてるとも思わない。あいつに手を差し伸べるなんてことをしようとは思わないし、あいつが俺の手を取るなんて、考えもつかないよ」

ゆっくりと、振り返る。鉢屋の瞳に自分が映っているのを見て、敏樹は小さく笑ってみせた。

「帰って、俺に直接言えない相棒に伝えてやれよ。もうちっと、離れて見てみ、ってな」

鉢屋は微かに眼を見開き、口を引き結んだ。余りにも敏樹の顔が意地悪くみえたからだ。









まだ仲良く無い頃のはちととしき。


夜勤だ―(ノ△T)
でも今日は比較的穏やか〜( ̄∀ ̄)

わ、お!

唐突にオリジナル(女)vsサトシ(無自覚→タケシ)を受信した。
女の子のステータスとしては
・ポケモントレーナー
・タケシの幼馴染み
・上記によりブリーダーにも興味がある
エトセトラエトセトラ。

…最近疲れてるのかあんまりネタが思い付かない上に思い付いてもろくなもんじゃない。
今日も夜勤だ―(ノ△T)
帰ってきたら落乱絵でも更新しようかなー(予定は未定)
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