お久しぶりです。
こちらは、twitterで「リプを受けたキャラ×好きな歌でイラストを描く」というお題でリプいただいたイラストに文章をつけたものです。
とは言っても、選んだ曲の歌詞を要約して主人公とリプいただいたキャラの名前を入れただけのものですが……。
そもそも、お題がイラストなのにどうして文章なのか、という質問が来そうですが。
それは、曲を選ぶ際にストーリーがスッと浮かんできたのと、その割にメッセージ性が全くないイラストになってしまったのと……。
言い訳にもならない、残念な理由からなのです←
それで、お題のキャラと選曲です。
キャラクター:花鳳院太朗(花婿ロワイヤル)
選曲:君を照らす太陽に(FIELD OF VIEW)
動画は
こちらから
SSは追記にて。
お時間がある方はどうぞ。
「……もうそろそろかな」
西日が差す通り道でひとり、僕は腕時計を確認する。
程なくして、コツコツという靴音が響く。
「あれ? 太朗さん、どうして?」
「お疲れ様。
仕事帰りだよね、ちょっと付き合ってくれる?」
小首をかしげながら彼女の顔を覗き込むと、コクリと頷いてくれた。
化粧で上手く隠しているけど、その目には泣き腫らしたような痕跡が見える。
きっと、昨日も一晩中泣き明かしたのだろう。
彼女のことは、たとえ遠くにいても手に取るようにわかる。
そして、彼が置かれている状況も。
そこに巻き込まれて、いつか彼女が壊れてしまうんじゃないか。
それがただ心配で、僕は彼女のもとに駆けつけたんだ。
僕が「寂しいの?」と問いかけると、彼女は「わからない」とだけ言って静かに涙をこぼした。
きっとその感情が何によるものなのか、彼女はまだ気づいていない。
彼女の涙を拭うこともできず、僕は宙を彷徨わせた手を握り、一輪の花を繰り出した。
llustration
それを受け取った彼女は、ようやく笑顔を見せてくれた。
ふと空を見上げると、彼女の手元で咲き誇っていた花と同じ色の月が浮かんでいる。
あのお見合いの席に呼び出されたあの日より、彼女はずっと綺麗になった。
それは他の誰でもなく、彼に心から惹かれているから。
だから、涙を拭いてあげることも、心から笑わせるのも、僕の役目ではない。
流した涙にさえも見惚れていることを、きっと彼女は知らないだろう。
だけど、もしその気持ちのほんの少しでも僕に向けてくれたなら。
その続きの言葉を飲み込んで、彼女を見送った。
小さくなっていく背中に、僕はそっとつぶやく。
――君を照らす太陽になるから……。
◎あとがき
リプをもらったキャラ×好きな曲。
その第一弾(とはいえ、次があるとは思えないw)が太朗さんでした。
曲を選んだ時に真っ先に思い浮かんだのがこの場面でした。
太朗さんって、ヒロインが悩んでいるとタイミング良く現れますよね。
さらりとヒロインを泣き止ます、ナイスイリュージョニストっていいますか←
とはいえ、現在ちゃんと本編を見たのが宗助さんのみという攻略状況なので、あまり特徴を捉えられてなかったかも。
太朗さんを描くのも書くのも初めてとはいえ、いろいろとすみませんとしか(:_;)
もう、誰てめ絵な上に文章書くと男の子は皆翔太くんになってしまうという、いつもの癖がはっきりと。
でも、作業する時間は楽しかったです。
リクエストくださいました、かるぴす様。
ありがとうございました。