………………そして、聖域での結婚式が行われてから1年が過ぎようとしていた。
聖域縁の病院でシオンはそわそわとしていた。
「シオン、落ち着いて………。」
「アテナこそ落ち着きましょう。」
「だってこれが落ち着いていられるものですか………!」
分娩室を前に、シオンとシャルロッテの2人は椅子に座ったり立ったりを繰り返していた。
それを見ていたモカは冷静に突っ込みを入れる。
おぎゃあ、おぎゃあ、という声がしてシャルロッテはシオンを見た。
「お生まれになりましたよ、元気な男の子です!」
分娩室から助産師が出てきて、シオン達にそう言った。
………………病室にて。
「あぁ、何て可愛いの………まるで兄弟ができたような気分だわ。」
「双葉、よく頑張ったわね。」
「…………うん。」
母親に頭を撫でられて、双葉は自分の横にいる息子を見た。
「…………小さい頃のお前を思い出すなぁ。」
父親の言葉に双葉はあはは、と笑う。
「シオンさん、良かったですねえ。」
「………………いかん、泣きそうだ。」
「ねぇ、双葉。名前は何にするの?」
「……実はもう決めているんです。翼、って言う名前に。」
「まあ、ツバサ!良い名前!」
シャルロッテは翼、と名付けられた赤ん坊の寝顔を見てうふふと笑った。
「これからの成長が楽しみねぇ………。」
続く。