「実はここのMAHO堂を開店することにしていたのですが、
ここのオーナーを任された魔女が老衰で亡くなったのです。」
「………それはご愁傷様です………。ちなみに何のお店を開店しようと?」
「花屋です。」
「………ああ、なるほど。美月町、花屋さんの数が少ないですからね。」
女王様から話を聞いたあさぎは、あ、と呟いた。
「あの、女王様。もしよければ、私がここを引き継いでもいいですか?
ちょうど、店を持ちたいと思っていたところなんです。」
「店を持ちたい、と?」
「はい。おばあちゃんから薬剤関係の魔法を教わったんですけど、
なかなか使う機会がなくて困っていたんですよ。
花屋兼薬局として、開店できたら素敵だと思いません?
ただ、薬剤師の資格がないんで、薬局として開店できるのはもっとずっと先のことに
なると思うんで、当面は花屋だけになっちゃうんですけど。」
「それは素晴らしいアイデアですね。
では、ここのオーナーは貴女に任せても良いですか?」
「………はい!ありがとうございます!」
あさぎはそういうとトートバッグから、水晶玉の入った袋を取り出した。
「あ、それでしたら女王様。この水晶玉はどうしましょうか?
死んだおばあちゃんの持っていたものなんですけど。」
「では、それを貸していただけますか?」
「はい。」
あさぎから水晶玉を受け取った女王様はそれを宙に掲げた。
「MAHO堂よ、代われ!」
水晶玉から優しい光が溢れ、何もなかったMAHO堂には植物が溢れた。
「おぉ………凄い……。」
「近いうちに貴女をサポートする魔女をここに派遣します。
貴女に会えて、本当に良かった。」
「…………私もです、女王様。」
続く。