「………これで、大丈夫です。クイーンオブハートにプログラムを送りましたので、
僕達が攻撃される心配はありません。」

「ありがとう、物吉。」

「よし、それじゃあサクサクッとラヴクラフトを探すとしますかね。」
「…………あのー、元カノの現彼氏を保護するっていうのはどうですか?」

「俺達に何のメリットもないから却下だ。
大体、自分のことは自分で守れって感じだな。」
「そうですね………今のところ、優先度は低いですから
ある程度は自衛して貰わないと。」

「そ、そうですか………。」
「まぁ、だよなぁ………。」

「それに彼女を取られたのなら、現実世界で殺せば良かったのにそれをしなかったってことは、
臆病者だってことだ。」
「まあ、殺すことはできなかったんでしょうね。
だからこっちに逃げ込んだかと。」

「………何で智久さんも鶴丸さんも、思考が物騒なんだ………?」
「………それ、言っちゃダメだってば。」

「さて、ストーリーはある程度無視しても大丈夫なはずだから、
ダンジョンに向かって手掛かりを集めるとしようか。」

「はい。」


芳樹達は総合案内所から離れたところにある初心者向けのダンジョンへ向かった。


「…………ここはまあ、ある程度スルーしてもいいよ。」

「上級者向けじゃないから、視線さえ合わせなければ………ってぇぇ!?」

視線を合わすなりボコスカとモンスターをボコる芳樹達に律と幸太は真っ青になった。

「………な、何で急にボコスカと………?」
「ん?ああ、ちょっとイラっとなったんだ。」
「そうそう、気にするな。」

「………いや、気にしますって。」
「そりゃ、気になりますよぉ………。」

「うーん、単にデザインが気に食わなかっただけだと思うよ?」
「何ていうか、ちょっと悪趣味に走っているといいますか………2人の美意識に反すると言えばいいのか。」

「………芸能人の美意識って何だよ………。」
「さ、さあ………?」


続く。