「………ラヴクラフト?確か、ゲーム会社の社長じゃなかったかな?」
「引きこもりのくせにPMWのゲームシステムを1人で作りあげたから凄いよな。」
「呼吸器関連の疾患を持っているとか。
それがきっかけで引きこもりになったとかどうとかって言う話らしいぜ。
俺達が知っているのはそれぐらいかな?」
「…………以上がラヴクラフトに関する情報だ。
ゲーム会社の社長だから収入はそこそこあったらしい。
後は呼吸器関連の疾患を持っているとかで、専門医へ定期的に受診をしているとか何とか。」
「社会とは完全に孤立しているわけじゃないんですね。」
「ただ、外の空気を吸うのが嫌だからあまり出たがらなくて専門医も往診をしていたらしい。」
「……いや、外に出ろよ。これだから引きこもりの考えって言うのはよくわからん。」
「うん。……それに彼女さんにフラれたぐらいで凹むなんてどういう神経しているのかな?
最初で最後の彼女ってわけじゃないんだし。」
「………ちなみにこれが、現在のラヴクラフトの写真だ。」
ほれ、とデータをモニターに映すと肥満体型の男性が写し出された。
「………ぜってぇモテないな。」
「………新しい恋人作るのも無理はないかも………。」
「…………ちなみに満月ちゃん、もし芳樹が太ったらどうする?」
「ダイエットさせます。適切な食事と適切な運動をさせますね。」
「満月ちゃんは俺に対しては優しいからな。」
「ドヤるな、そこで。
じゃあ、満月ちゃんが太ったらどうするんだ?」
「それこそ適切な食事と適切な運動をさせるね。」
「この相思相愛カップル、どうにかできないのか?」
「まあ、人様に迷惑をかけなければそれで良いんじゃないの?
別に、他人に対して喧嘩売っているってわけじゃないし。」
「………お前、順応力高いなぁ………。」
「ミカ女にはいろんな性格の人達がいるからねぇ。」
「え、何?そういう問題?」
「幸太君、順応力を高めた方がいいよ。視野が広くなるから。」
「そうそう、適応力は大事だぜ。何事も広範囲に適応しなくちゃやっていけないからな。」
「…………が、頑張るっス…………。
…………で、肝心のラヴクラフトはどうやって探すんですか?」
「何、PMWには検索機能があるからな。それを使えば良いだけの話だ。」
「え!?検索機能!?」
「そんなのあったの!?」
「本来なら特殊な条件を満たさないと使えないみたいだが、今回は特別だ。
ラヴクラフトのデータを登録さえすれば現在位置を特定することができる。
ただ、膨大な量の中から個人情報を探しだすからな。
多少は時間がかかるのが難点だ。」
「ポケモンボックスの検索機能!?」
「便利な機能があるならもっと早く言って欲しかった!公式!」
「だから、本来なら特殊な条件を満たさないと使えないんだって。」
「よーし、探すぞ。」
続く。