「ここが母さんの生まれ故郷………………。」
国際空港に到着した翼はシャルルと共に手続きを済ませ、日本に到着した。
「…………でもまぁ、聖闘士候補生が行方知らずになっているっていうのは穏やかじゃないな。」
「そうですね。………考えられるとしたら組織ぐるみの犯罪か……………。」
「ともかく、縁のあるところに行って話を聞くしかないな。」
「………ですね。」


「………ええ、そうなんですよ。数日前までは普通でしたし…………。」
「別にカルト宗教とかにハマっていたわけではないんですね?」
「そうです。日本人は宗教に無頓着だから…………。」
「……………他に変わったことは?
例えば、修行に行くのが嫌になったことを漏らしたりとか。」
「まさか。世界の平和を守るお役目ですからそんなことは………。
あ、でもそういえば。」
「?」

「黒ずくめの男達に声をかけられたって言っていましたよ。
聖闘士の力をビジネスに使わないか、とかわけのわからないことを言われたって。
丁重にお断りしましたけど。」

孤児院で話を聞いた2人はカフェで一休みをすることにした。


「考えられるとしたら、違法賭博か…………。」
「………アテナのために戦うよりも金目に目がくらんでしまった連中の行動か………。」
「……………でも、場所は何処にあるんでしょうね。」
「聖闘士候補生なら、まだ小宇宙の出し方とか教えて貰っていないだろうしなぁ……。
まだ、正規の聖闘士に修行つけてもらっているわけじゃないし。」

「………どう動きます?」
「そうだな……………。」


「………ねぇ、あの2人かっこよくない?」
「モデルさんみたいねー。」
「ねぇねぇ、声かけてみる?」
「ばっか、SNSに取り上げた方がいいんじゃないの?」


ヒソヒソと話をする女性達にシャルルはうーん、と呟いた。


「………………SNSに取り上げるのはちょっとなぁ……………。」
「…………あはは、聖闘士は秘密事項ですからねぇ。」
「………とにかく、ここを出たら、怪しげな場所を片っ端から探すしかないな。」
「………ダルいけど、仕方がないですね。」
「おぅ。」




続く。