にこやかに話をしている双葉とシオンを見て、モカとシャルルは微笑ましい表情をしていた。
「………あの2人、くっつかないかなぁ。」
「………確かにそうですね。我が師も良い顔をしていますし。」

「やっぱりそう思うよね?」

もぐもぐとお菓子を頬張りながら、シャルロッテはモカに言った。

「…………………243年ぶりに再会したんだし、双葉は女の子だもん。
くっつかせたいわね。」

「………アテナ、ホントに9歳ですか?」

「だって、聖域って恋愛の話、あまりしないもの!退屈になるわよ!」
「………………アテナ、どうしたんですか?」

大声を出したシャルロッテに気づいた双葉が声をかける。

「ねぇ、双葉。貴女、シオンのことが好きなんでしょう!?」

「ぶっ、アテナ、唐突過ぎます!」

「な、な…………何を急に………………。」

シャルロッテの言葉に双葉は顔を真っ赤にした。

「だって子供を作るかって話までしていたのだし…………。」
「いやあれはそのぅ…………。」

「………私は構わんが………。」

「シ、シオン!?」
「………はっ、すまない、双葉!」

お互いに顔を真っ赤にする2人にシャルルはひゅぅひゅぅ、と声を出した。

「もういっそ付き合っちゃいなよ、2人とも。」
「そうですね。これはもう明白です。12宮の皆には私の方から伝えましょうか。」

「………モカ!?」
「………ささ、邪魔者はとっとと退散しましょう!おやつタイムも終わったことだし!」
「あ、モカにシャルル、書類は……。」
「もう終わらせてます。後は2人だけですよ。」

それだけ言うと3人は教皇の間を後にした。
2人取り残されて、双葉とシオンは呆然となる。

「…………シオン、あの…………。」
「…………………………………1人の男として好いているのは確かだな。」

「シ、シオン!?」
「私はお前のことを愛おしいと思う。
………もちろん、アルバフィカ自身が蘇ったわけではないことも理解している。
しかし、私は嬉しいのだ。こうして再び巡り会えたことも。

だからこそ2度と失いたくないという気持ちもあるのも確かだ。」
「シオン………。」

「私の隣で、共に歩んではくれまいか?双葉。」

シオンのプロポーズともとれる言葉に双葉は首を縦に振った。

「………こちらこそ、不束者だがよろしく頼む。シオン。」


「ひゅぅひゅぅ!とうとうくっついた!」

「さて、ホントに12宮の皆さんに伝えますか。」

「結婚式の準備だってしなくちゃいけないわね。」


こっそりと3人が見ていたことにシオンと双葉は気づいていなかった。



続く。