「……………って、あれ。」

品物を見定めている流司をよそに、あさぎはあることに気づいた。

「……やだ、プリムおばあちゃん、魔法の実を忘れてる!!」

「……魔法の実?」


「魔法玉数十倍の魔法力を発する魔法力の詰まった木の実のことよ。
魔女界じゃ、お金代わりにもなるの。
基本的には魔法の実のなる木を育てるんだけど……。
参ったわ、これ、届けに行ってくるわね。」

「あ、じゃあ、俺も行く。」

「………何で。」

「興味があるから。」

「………………もう、好きにすれば。」

そういうとあさぎはタップを取り出した。


「それで魔女に変身するのか?」

「まぁね。」

あさぎはタップをカスタネットのように叩くと、魔女服に着替えた。

「おぉ、すげぇ。似合ってんじゃん。」

「………うっさい。」

「顔が赤いぞ。」

「誰のせいだと思ってんの。」

タップから箒を取り出したあさぎはそれにまたがった。

「ほら、乗る。」
「はいよ。」

流司が箒に乗ったことを確認したあさぎは指を鳴らして、魔女界に通じる扉を開けた。


「それじゃあ、出発進行!!」



続く。