「………え、嘘、綾音ちゃん………良くなってきていない?」
「ホント!?」
「信じられない………これだと退院できるかも…………!」

夢から目を覚ました後、定期検査をしていた綾音は数値が良くなっていることを驚かれた。

「おじいちゃんが良くなるって言っていたの、このことだったんだ…………!!」

その様子を芳樹と満月はひょい、と小児科病棟の病室の端から覗いていた。


「やっぱり闇呪が綾音ちゃんの体も蝕んでいたみたいですね。」
「そうだね。おじいさんが代わりに請け負っていたかもしれないね。」
「孫思いの良いお爺様なんですね。」
「でもこれで闇呪も消えさったことだし大丈夫だと思うんだけど。」
「はい。…………でも人間の夢に侵食できるとなると厄介ですね。
綾音ちゃんみたいな子供だったらまだガードが緩いですから、入ることができたんですけど………。」
「そうだね。大人とかだと、結構ガードが堅いから。」
「現実世界に引きずりだして、どうにかするしかないね。」
「…………はい。」


「…………あ、芳樹お兄ちゃん、満月お姉ちゃん!」

2人の姿に気づいた綾音は2人に駆け寄った。

「この調子だと退院できるって、おばあちゃんの誕生日を一緒にお祝いできるよ!」
「それは良かったわね、綾音ちゃん。」
「うん!ありがとう、芳樹お兄ちゃん、満月お姉ちゃん!」






続く。