「というわけで、綿貫芳樹です。よろしくね、咲良ちゃん。」
「あわわ………高学歴、高収入、高身長の3Kが揃ったイケメンが目の前に………。」
「ちょっとちょっと、私の婚約者だからね?」
「あ、うん。満月ちゃんの婚約者だもんね……………。」
「で、相手の正体についてはわかったのかい?」
「大蛇でしょうね。」
「……………え、蛇?蛇の妖怪?」
「何か、変わったことはなかった?例えば何処かへ行って、社みたいなのを見たとか。」
「………そういえば、この間の遠足で社みたいなのを見たんだけど………。
何もお供えせずに、手を合わせたよ。」
「………その時に魅入られたか。」
「な、何で!?私、美味しくないよ!?」
「いや、そう言う問題じゃないんだ。妖怪にとって霊力の高い人間は嗜好の餌なんだ。」
「………私が嗜好の餌。く、食われたりしないんですよね………?」
「そうならないためにも満月ちゃんが動くんだよ。」
「そうそう。大船に乗った気分で。」
「………はぁ…………。」
「さて、近いうちに会おうっていうぐらいならこっちから仕掛けるとしますか。」
「そうだね。その社に行こうか、咲良ちゃん。」
「え、あ、はい!」
続く。