「明けましておめでとう、満月ちゃん。」
「明けましておめでとうございます、芳樹さん。」
「その振袖、似合っているね。」
「ありがとうございます。」
綿貫家にて、満月は振袖に着替えていた。赤色の布地が満月によく似合っている。
「じゃあ、初瀬神社に行こうか。」
「はい。」
初瀬神社に行くと、多くの参拝客で賑わっていた。
鳥居にお辞儀をして、参道を渡り、本殿に向かった3人は賽銭箱にお金を入れた。
「やあ、芳樹に満月ちゃんに物吉。明けましておめでとう。」
「明けましておめでとうございます、祐一さん。」
「祐一様、明けましておめでとうございます。」
「やぁ、満月ちゃんに芳樹君。それに物吉ちゃんも。」
「千春さん、明けましておめでとうございます。」
「満月お姉ちゃん、芳樹おじちゃん、明けましておめでとう!」
「……明けましておめでとう、千秋ちゃん。おじちゃんじゃなくて、お兄ちゃんって言って欲しいなぁ……。」
「えー、おじちゃんはおじちゃんで良いよぉ。」
「………祐一、どういう教育を施しているんだ?」
「失敬な。人前に出しても恥ずかしくはない教育を施しているだけだよ?」
あはは、と笑う祐一に芳樹は舌打ちをする。
「……まぁまぁ、千秋ちゃんと芳樹さんの歳は結構離れていますから、
おじちゃんって言われても仕方がないのかもしれません。」
「満月ちゃん………それ、ショックを受けるからやめてほしいなぁ………。」
「ねぇねぇ、芳樹おじちゃん。」
「な、何かな?」
「満月お姉ちゃんの帯を引っ張ってあーれー、とかやらないの?」
「家ではやるけど、外ではやらないかな。」
「ちょっと芳樹さん、千秋ちゃんに何てことを教えているんですか!?」
「………あ、ごめん。」」
「………新年早々、凄いスタートダッシュですね。」
「そうだねぇ。でも元気があっていいことだと思うよ?」
終わり。