スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

姫宮直人



1990年2月18日生まれ
水瓶座のB型

日本有数の大企業グループの御曹司。
俳優兼モデル。

6人兄妹の次男。



姫宮綾人




1988年11月16日生まれ
蠍座のA型

日本有数の大企業グループの御曹司。
俳優兼モデル。

6人兄妹の長兄で既婚者。
芳樹の数少ない突っ込み役。苦労人。

ACT-1(4)

髪飾りを購入し、店を出た3人は再び歩道を歩いた。
「すっかり御機嫌ですね、お嬢様。」
「だって、髪飾りを買って貰ったんだもん。」
「愛する者のためなら、お金は惜しまないから、俺は。」
和気藹々と話をしていると、3人の前にロールスイスが停まった。
「……親父の車?」
怪訝そうな顔をした芳樹の隣で満月はムスッとした。
車の扉が開き、中から初老の男性が降りてきた。
「若旦那様、お嬢様、物吉様。大旦那様がお呼びです。」
「今デートの真っ最中なんだけど。」
「文句は大旦那様に直接仰ってくださいませ。
この爺も3人をお迎えするよう申し付けられただけなので。」
「デートの後にお父様達のところに行く予定だったのに。」
「愚痴は車内でお聞きしますゆえ、何とぞご理解を。」
深く頭を下げる老執事に芳樹はため息をついた。
「満月ちゃん、入学祝と誕生日祝いはまた今度だね。」
「はい……。」
「今度はのんびりと過ごしましょう、お嬢様。」
物吉の言葉に満月はうん、と頷いた。
3人が乗り込むと老執事は扉を閉め、ロールスイスは発進した。

十数分ほどしてロールスイスが停まったのは綿貫家の本邸、
つまりは芳樹の実家だった。
「お帰りなさいませ。若旦那様、お嬢様、物吉様。」
規則正しく並ぶメイドに荷物を預け、
3人は正門をくぐって公園並みの広さを持つ庭を通り過ぎ、玄関に入った。
玄関に入るとパタパタと軽快な足音が聞こえてきた。
「あらまぁ、満月!やっと来てくれたのね!」
「お母様!?」
現れたのは満月の母親でフランス人の姫宮ジャンヌであった。
「何でお母様がここに?」
「何でって、私達一家も呼び出されたからよ。
何も聞いていなかったの?」
「大旦那様に呼び出されたのですが、詳しいことは何も……。」
「あらそうだったの。ごめんなさいねぇ。」
そういうとジャンヌは満月を抱きしめた。
「ちょっ、お母様、苦しい!」
「あらあらこの程度で苦しいって言ったらダメよ。
スキンシップよ、スキンシップ。
綾人達、すぐ逃げるんだもの。」
「それは逃げるのも無理ないと思いますけど……。」
「さぁ、さ、早く行きましょう。皆待ちくたびれているわ。」
「……後でお兄様達の愚痴、聞きましょう。芳樹さん。」
「……そうだね。」
「奥様は相変わらずですね……。」

老執事の案内で芳樹達は座敷に通された。
そこにはすでに芳樹の両親と祖父、満月の父親と兄達がいた。
「芳樹、元気だったか?我が息子よ!!」
「お義母さんと同じく抱擁しようとしないでくれ、親父!」
芳樹の言葉に綿貫アルブレヒトはショックを受けた。
「息子の対応が酷いよ、梢江!」
「まあ、普通はそういう態度取るさね。」

「満月、元気にしていましたか?」
「はい、綾人お兄様。」
「満月、元気そうで何より!」
「ホントに、元気で良かった。」
「芳樹義兄さんには大事にして貰っている?」
「そこんとこ、心配だなぁ。」
「直人お兄様、結人お兄様、悠人お兄様、幸人お兄様。
元気にしていますし、大事にして貰っていますよ。」

「お袋、じいさんは何の用事があって俺達を呼び出したんだ?
食事会か?」
「それだよ、それ。馬鹿親父、自分ん家で満月ちゃんの入学祝いをするって
駄々をこねてね。」
「大旦那様、大人げないですよ……。」
「ご隠居も悪気があってデートを邪魔したわけではないのだから。
あまり悪く言わないであげてくれないか。」
「……まあ、ここはお義父さんの顔に免じて。
でも次は邪魔したら、じいさんでも許さないから。」
姫宮秀一に諭されて、芳樹達は正座をした。
「うむ、すまんのう。」
綿貫幸造はそういうと深い息を吐いた。

続く。
前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2021年11月 >>
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30