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KM-CART

母の腹水の限界を感じ、父に相談し、遂に29日に要町病院でKM-CARTをしていただきました。

KM-CARTって?って思うでしょう。

CARTとは、Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy: 腹水濾過濃縮再静注法の略で、肝硬変やがんなどによって貯まった腹水(又は胸水)を濾過濃縮(ろかのうしゅく)して、アルブミンなどの有用なタンパク成分を回収する治療法です。
(www.cart-info.jpより引用)

腹水をろ過して栄養分だけを静脈に戻すって技術。
でもこれ、がん性(難治性)腹水では2Lでがん細胞が機器に詰まっちゃうからあんまり使えないそうです。
だからがん性腹水に関しては放置されていたそうです。

一応、がん性腹水を抜くことは可能なのですよ。
その代わり急激に弱ります。
水と言っても栄養素(アルブミン)なのです。抜けると血管の脱水症状?を起こしたりフラフラになるそうな。
しかも腹水が溜まる速度はアップし、死期を早めます。

それを知らなかった2年前の私は獣医さんに沢山、毎日苦しそうなベルの胸水を抜いてもらっていました。
案の定みるみる弱っていきました。凄いスピードで溜まりました。
きっと獣医さんは知っていたし、それでもベルに苦しい思いをしてほしくなかったんだと思います。
自分の20歳の猫ちゃんが半年前に同じ症状だったんですから。
今水の正体を知っても、正直抜くかどうか迷います。やってもらうかも知れない。
だって抜かなきゃ息できないんだもん。

話は戻りますが。
その詰まってしまうのをどうにかできないかと考え改良されたのが

KM-CART!

2008年に要町の松崎先生が開発したのです。
それだとがんに対応でき、2Lどころか15Lまで抜けるとか。もっと抜いた例もあったかな?

腹水について調べ始めたときに直ぐにヒットしました。でも記事が如何せん少ない。
調べても調べても同じインタビューの記事くらいしか大々的なのがない。腹水の区別がよくわからん。
しかもKMとは先生のイニシャル。

大丈夫なのかコレ。

とりあえずそんなのもあるのか、でも他にも沢山調べなきゃいけないことがあった為頭パニックでCARTのことは先生に聞けばいいかと言う程度でした。てかその時は難しくて頭に入ってこなかった。

で、がん研の乳腺センター長にセカンドオピニオンの時に訊いたら
「CARTは他に手が施せないようなもうどうしようもない末期の患者さんにするものだし、すぐ溜まる」
と、バッサリ切り捨てられました。
CARTの話を出せばKM-CARTのことも芋ずる式に出てくるかなと思っていたのですがそこまでバッサリ言われちゃあ。

しかもKM-CARTの信頼性も確認できん…


そんなこんなでセンター長はうちの主治医と全体会議で会った直後にセカンドオピニオンで言った「○川からここまでなら通えるね」を覆して有無を言わさぬ感じで元の病院に帰されました。
「通えないだろうし診断も合ってるから」と。

大まかな診断は合っていても細かい所は間違いまくりなおっちょこちょいじゃ済まされねぇレベルの担当医だぞ。

仕方なく1月まで頑張りました。
でも母はもう骨と皮しかないのにお腹周りだけ100cmを突破していました。
そこでイマイチ情報が少ないけどもうこれしかない、KM-CARTしようと母に持ち掛けました。
でも母は首を縦に振ってくれない。お金が掛かるからと。
1回9万円×保健負担率(?)+入院費
だからと。

暫く渋っていたので1月下旬、私が父にKM-CARTの話をしました。
父はお金なんて気にしなくていいから!
と快く返事してくれました。余裕ないはずなのに。
しかも知らなかった所を見ると一切母は父にその話をしていなかった様子。

父と母のコミュニケーションは主に煙草を吸いながらなのでてっきりいつものように話してるかと思ってました。


その数日後です。本格的にヤバくなり、病院に行くことにしました。

東京でKM-CARTをやっていると確実に分かっているのは発明した要町病院と聖路加国際病院。

でも聖路加はお金に汚いイメージがあるのとがん研みたいにお高くとまってるところはもう嫌だという気持ちがあり、要町病院に行きました。

行ったらすぐ開発した松崎先生居てビックリ(  Д ) ゚ ゚

作ったと、お高くとまらないで現場で仕事してるのか!!と。

勿論診てくださったのも松崎先生。
土佐弁?の気さくなおじさまでした。

そんで、


即入院


母はその日、限界を迎えて呼吸が殆ど出来ず、一般人の1/4以下の歩行速度。しかもえずくレベル。
かなり溜まってるねぇ、と先生がエコーで診てくださって、その画像を看護師さんがチョイチョイと手招きして座ってる私に見せてくれました。
先生も説明してくれました。
なんか、下2/3くらいの黒いやつを「これ癌だよ」と教えてくださったけど配置が全くわかりませんでした。

その日は水曜日で、金曜日は既にいっぱいだから今日入院して栄養整えて木曜日抜こうか!と、有難いご配慮をしてくださいました(´;ω;`)

しかも!第二クリニックから本来の病棟に移動するまで、看護師さんが母を車イスで運んでくださいましたっ
母さんは「こんなにしてもらって」と申し訳なさそうでしたが、それほど重体だったのかなぁ。

その日、私は扁桃腺が腫れて膿がつっかえて喋れなかったのですが、不思議ですね、入院による書類攻めと看護師さんとの会話ですっかり話せるようになってました。

母がCTを撮っている間(11月以降CTが撮られていないことに先生唖然。うちら親子も唖然。婦人科の先生の配慮で脚の浮腫を調べるために撮ってもらったCTすら担当医の乳腺外来の先生は入れてくれていなかった)、書類攻めと会話、
そして母が部屋に案内されてから、
私は一度家に帰り、荷物を準備してもう一度要町病院へ向かいました。

熱あったけど体温計父が無くしやがって計れないし、それどころか母が入院で必要なので途中マツキヨで体温計や必需品を買ったりしました。

再び病院に着いたのは20時。
その間父に電話を入れたら、仕事を調整して慌てて病院来ました。てか私より早かった!
飯田橋から要町までってめちゃくちゃ近いんですね。

私が着いたら、丁度母は父の前で嘔吐して片付け終わったところでした。
真っ黒い物を吐いたらしく、看護師さんの話では溜まっていたものでしょうとのこと。

えずいていたのは長い間の消化不良だったみたいです。

父は現場を見ていたのでショックだったらしく、目が座っていました。
「担当医め…!もう絶対あの大学病院には行かない」って帰りにボソッと言ってました。

やはり、先生も看護師さんも「ここまで放っておいたのか」と担当医のこと言っていたようなので、担当医はヤブ医者みたいです。
一回目から分かってたけど、どうしようもなくて。でもこれで完全な確信になりました。

父がある伝を使って調べてもらったところ、3つまた病院の候補が出たので、今度はセカンドオピニオンではなく転院しようと思います。

で、母ですが、2泊3日の入院で体力は落ちたものの、8L抜けました!
でも卵巣の水は取れないのと腹膜のがんが大きいのか、お腹はまだぽっこり。

それでも、本来弱るか死期が目に見えるように迫っていた母を助けてくださった松崎先生、
家事と過労で付き添いに行けなかった私の代わりに献身的に母のことを診てくださった優しい看護師さんたち、
KM-CARTさま、

本当に感謝しています。ありがとうございました。

KM-CARTのことを知らない人…どころかそんな医師はまだ沢山沢山います。
どうかこの技術が世に広まって、早い段階で腹水が抜ける方がいますように。
この技術が沢山沢山知られますように。

ちなみに!癌抗体も入れてくれるので、もしかしたら腹水が溜まりにくくなるかもとのこと。

母は少しずつまた溜まっていますが。

普段忘れていてもいいから、必要なとき、また必要としている人が目の前に現れた時、思い出してください。

エムブロじゃあまりネットには引っ掛からないし、引っ掛かりにくくしてるけど、広まればいいなー!
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