今日でskyが最終回を迎えますが、私はまだシリーズ終わりではないと思っているので、個人的な解釈をいろいろ書きます。『見る』というより『読む』という感覚です。

18年版ドラマ第2話
「何してんだよ、こんなとこで」
「天体観測です」
「見えねえし、何も」
「春田さんって、何にも見えてないですよね」
重要なのってこれだと個人的には思います。だいたい皆さんこれより少し後の背伸びおでこキスが好きだと思いますが(私はそこで本格的に心掴まれた)、『読む』という感覚で見た場合、天体観測に注目すると非常に文学性が高い作品になっていると感じます。18年版以降、空や飛ぶものに関するワードも多く出てくるため、注目ポイントとしては間違っていない、はず…。

夜空を見上げて何も見えない状況っていうのは、主に2つの理由が考えられるかと思います。
1.曇っている
2.木の枝などで遮られている
どちらの意味で言っているかがはっきり分からないのですが、個人的には1の方であるように感じます。作中で話が矛盾している箇所や匂わせるだけではっきり語らない箇所など、作品としてもとてもモヤモヤ感が残るため、それもまた『曇っていて何も見えない空』を表現したものであると感じます。その意図が無いとしたら、ただの『雑な作り』です。役者さん達のお芝居はとても素晴らしいのに、脚本が完全に足引っ張っている。特に劇場版の感想にはそういったことを言う方も結構いらっしゃいましたね。

現実の人間関係においてはあまり細かいことを言わないおおらかさも大事だと思いますが、これって『作品』ですからね。18年版は「2択まで解釈を絞り込めるけど、そのうちどちらなのかを特定するのにこういった情報が欲しいのにどこにも無い」みたいなそういうシーンが複数あるので非常にモヤモヤしてストレス高いですね。よく言ってるのは、4話でちずちゃん泊まりに来る前に緑とピンクの歯ブラシがあるけど、誰の物かがはっきりしないので5話のコップと歯ブラシのカットの意味が変わってくる、みたいなやつとか。
ただし、本当に細かい情報がたくさん含まれており、それらを精査していくと「なるほどそういうことか」とすっきりする部分も多数あり、モヤモヤしていた雲が晴れて星空が広がっていくようなそんな感じがします。推理物だと言っていますが、おっさんずラブ的に言えば天体観測。

本当に曇っているなら夜空を見上げて何も見えなくても当たり前のことなので、それは責めることじゃないですね。「見えねえし、何も」は『天体観測』に対する返しですが、「何にも見えてないですよね」は空のことではなく「俺のことなんて何にも見えてないですよね」といったような、牧君のことを指している。
これに対してこう変化が表れる。



sky1話
「月が綺麗ですね」
18年版の時に何も見えていなかった春田さんに、今は綺麗な『月』が見えているんです。skyの世界においてはただ単純に言葉通りの感想を言っただけのもので、機長に対して「アイラブユー」の意味は無いんですよね。ただしシリーズ通しての意味として見ると、18年版で何も見えていなかった夜空に綺麗な月が見えているという、この変化って春田さんの心象風景を表してるんですかね?夜空で1番明るく綺麗なのは月で、春田さんにとっての月が牧君だっていう。もちろんskyの世界に牧君がいるわけではないのでCA春田から直接牧君に向いているわけじゃないんですが、この「アイラブユー」は牧君に向いたものと私は思う。このパラレルワールドがそれぞれ独立した短編であり、作品間で繋がってる部分もあり、オムニバス形式って言ったらいいんですかね?そんな感じがしてる。
『星』『星座』とはイメージしてたけど、『月』には気付けてなくて、「月が綺麗ですね」は本当に的確にヒントを投げてきてくれた。『黄色い星』をよく目にしてるから、『星』へイメージ引っ張られまくってたからなあ…。見た目で月を何色かと言えば黄色とイメージする方が多いんじゃないかと思うし、あのカップって本当に的確なイメージの物を選んでるし、細かいこだわりもすごいですね。あと、星といえばskyできらきら星をピアノで弾くシーンもありますね。

私は18年版ドラマの結末が全く分からなくて、武川さんが牧君と別れた原因を生活のすれ違いって言ってるのに、何で上海行って大丈夫なの?これについてはっきりさせるためにプロポーズから出発までの間の話が欲しいのに、丸ごとすっ飛ばされててハッピーエンドなのかバッドエンドなのかさえ分からないというひどい状態だったので…。この解釈に嵌まっちゃうと抜け出せる部分無いんですよ。1度分解しないと無理。

牧→春←黒
という三角関係のドラマで、まあこれのみを見たらハッピーエンドですよね間違い無く。武川さんが絡んでくると問題が起きる。
4話で部長を振ったことで、この三角関係から一旦退場させている。5話ラストで部長が復活してくるまで、
武→牧←春
という三角関係に切り替わっている。部長に対しては常に受け身で振るだけなのに、武川さんに対してはかなり強い嫉妬を向けたりもしている。武牧が元カレだと判明後は牧君を間に挟んでの3人でのシーンがほとんど無いから分かりにくいと思いますが、武川さんと春田さんのバトルにおいて中央は牧君なんですね。私はこっち面の印象が強いから春牧派だし、結末の解釈も違うんですね。

【表】牧→春←黒
【裏】武→牧←春 
という二層構成になっていると見るのが私は分かりやすいし、おっさんずラブ的に言えば視聴者から見て、
【こっち側】牧→春←黒
【あっち側】武→牧←春
ということの気がする。

明るくていろんな人から愛される春田さんを太陽とすると、牧君が月であり、部長を太陽とすると武川さんが月。今までは『太陽が昇っていた状態』だったので、月である牧君と武川さんについての話がはっきりしなかった。実際、ドラマ内で匂わせるだけではっきり語らない部分も複数あり、作りとして不親切ですね。二層構成だとすれば納得だし、牧君を主人公にすればドラマ内ではっきりしなかった部分も武牧の過去の話も劇場版のその後もできるようになる。『実際やるかどうか』は別として、『その方法なら全部できるようになる』から待ってる。脚本に仕掛けがあって、6話春田母の「ずーっと創一の友達でいてね」に「はい」と答えてしまったことをスタート地点にするだけなんですよ。『創一の友達』を約束してしまったので、もし牧君が春田さんの幸せを女性と結婚する普通の人生に戻ることだと考えているなら、春牧の関係って友達なので、俺といても春田さんは幸せになれるってお分かりでしょうか?あとはどういうことかよーく考えてもらうとね。その一連については牧君を主人公にするしか表に出す方法無いんです。問い合わせと要望は1年以上前から続けています。「かまってヒロイン、爆誕!」とは言っていますが、太陽と月が入れ替わる間に何があるかっていうと『夕方』なので、それに当たるのがskyではないかと。

牧君が月であるとすると、月に関連した物語のヒロインにかぐや姫がいますね。劇場版で「そんなの言わなくても伝わりますよ」「何にも言わなくても分かってほしい、かまってヒロイン」とか、あの一連を何も言わなくても分かれってさすがに無茶苦茶だろうと思ってた。かぐや姫ならそういうものですね。無理難題言ってきて、クリアできる人がいないと月へ帰ってしまう。
それと、劇場版を見に映画館に通ってた時に、ある映画のCMを何度か見たんですよ(原作未読で映画も見ていないのですが…)。sky2話で機長が「恋の病ですね」って言われた時、その映画のことが頭を過ったんですね。これは、この『かぐや』繋がりって『凌太様は告らせたい』んだな…!

天体観測的な解釈をもう1つ。まず、作中で春田さんと牧君の動きはおおまかにこう。

1話でルームシェア開始

約1ヶ月後、6話で牧君が出ていく

1年後牧君にプロポーズ

1ヶ月後、春田さんが上海へ出発

1年後、春田さんが帰国

数日後、牧君が実家に戻る

劇場版ラストで牧君がシンガポールへ出発

シンガポールから帰ってくるのが何年後になるかはまだ謎ですが、ここまで『ちょっとだけ一緒にいて1年離れて』というサイクルを繰り返しているんですね。この考察ってすでにあるものなのか分かりませんが、ある有名な2人がモデルになっているのではないかと考えます。『織姫と彦星』です。
ドラマ終了→劇場版も1年ちょっとでしたし、劇場版→何かしらの展開までファンもリアルに1年待たせるとしたら夏頃の可能性もあるかなと。7月だと七夕がありますね。

いろんな解釈ができすぎて、何が本当の狙いなものか…。あくまで『私が見ているおっさんずラブ』『私が見たいおっさんずラブ』の話ですから。もう充分だという人は「ごちそうさま」すればいいし、もっと見たい人は「おかわり」要求すればいい、それだけのことだと思う。ファンからもいろいろ要望や予想は上がってるし、『どの声を聞くか』『どの声も聞かないか』は向こうが決めることだし。何度振られても諦めなかった部長のそういう所を蝶子さんは『情熱的』と言っているので、もっと見たい人は公式とテレ朝に情熱をぶつけてやればいいんだと思う。
とりあえず、コンサートに関しての情報は早めにお願いしたい…。

今日でskyが最終回なのに、遅番で時間に帰ってこれないのがつらい…。

昨日拍手1件ありがとうございました!