友達と会った日は、とても疲れる。
 たのしいうれしいの後にやってくるのは死にたいという感情で、参ってしまう。電車の中でずっと、線路に散らばるばらばらのわたしを見ていた。なんて迷惑なはなしだろうと思った。
 だれかに、話を聞いてもらいたかった。ありきたりな悩みだ。だれも進んで聞きたいとは思わないような事柄をわざわざ少ない時間の中で聞かせる必要はない。口をつぐんで、この子は何々の友達、と分け分けしている。何も残らないと思った。わたしは、わたしが死ぬ時に手紙を出せるような人もいないのかと思った。わたしもきっと、そんな手紙を受け取るようなことはない。

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 保護の後に来るのは支配。あなたを支えると誓った人は足枷がカチリとはまってしまったことに気づかないまま消えてしまう。

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 夢でたまに見てしまう面影に、わたしはベッドの上で起き上がれないまま苦笑してしまう。くすぐりのような、やわい幸福に満ちた夢。そんなこと一度もなかったのに。苦しかった思い出しかないのに。こないだ駅で、すれ違ったのかもしれなかった。姿見が似ていただけだったのかもしれないけど、ひどく動揺した。今も好き、ということはなくて。ちりちりした視線を思い出しては、ぜんぶ忘れてくれたらどんなに楽だろうと思う。