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Nothing

みてごらん僕らは孤独の真ん中に居るんだ。沢山の声が飛び交う、笑い声、泣き叫ぶ声、そのすべてが僕にかすり傷をつけては去っていく。
耳を澄まして御覧僕らはノイズの上に立っている。沢山の想いが飛び交う、愛、希望、そして悲しみ、そのすべてが僕を打ちのめしてそして優しく抱きしめる。
ねえ、僕はずっと恐れてたんだ、孤独ってやつを。
でも今なんでかな、僕は真っ暗な真ん中でゆらゆらと愛と寂しさを天秤にかけて揺れている。けどこんなのもいいんじゃないかって思ってるんだよ。
この闇があけたらまた君に会える、僕はそのとききっと笑うだろう。
下手くそな笑顔でも笑わないでね、いや、笑ってよ、そっちのほうがきっと楽しい一日が明けるだろうから。

(Nothing)

飛び立つ先には

ぼくは風を感じて崖から飛び降りた、広げた羽で、まさしく飛び立てるはずだった。だけれど大きな誤算はぼくの羽根はもうすっかり老朽化していて、つよい風に耐えきれず僕から抜け落ちていったんだ。こんなはずじゃなかったのに、歯噛みしながらぼくは崖から転がり落ちる、そうして落っこちた谷底から見上げた空はこう笑っていた、「人生そんなもんさ」。僕は認めたくなくて泣いた。大声をあげてないた、遠い空には滑空するたくさんの人たちがなんでもないことのように風に乗っていた。「人生こんなもんか」。僕に残ったのは苦い血の味だけだった。

(飛び立つ先には)

愛は孤独のうちに住む

誰かを好きになると途端に世界が変わってぼくはひどく一人ぼっちだなって感じる。取り巻いていた無数の霧が晴れるようにぼくは淋しくなる。霧はもやもやと不確かだけれど、見えない分ぼくを守ってくれてもいた。それが、さあっとはれるんだ。其処にあるのは底なしの暗闇。そしてそのずっとずうっとずっと向こうにきみが笑っている。時々手を振るから、ぼくにはそれがおいでのしるしなのかさようならのしるしなのか解らなくて泣きそうになる。でも、見つけたんだ、やっと、ぼくの世界に住んだひと。こんどこそまあいいや、なんて諦めて俯かないように、今はまっすぐに見据えている、きみにつながる孤独の道を。

(愛は孤独のうちに住む)

反対性理論

まあいいや、と嘯いたぶんだけ、本当は傷付いている。分かってる、同じぐらいぼくはきみにひどいことをしているんだって。だけど、こんなの言い訳かもしれないけど、ひとを思いやるって難しくて、いつもぼくはカラカラとから回って、その結果にきみを失うんだ。まあいいや、はほんとは全然良くなくて、だから気付いてとまでは言わないけど、でもいつか打ち明けたときには、またぼくの掌を掴んでほしい。そんなの都合良すぎかな、そうなったら夜といっしょにこの両腕でぼくが付けた傷はぜんぶぜんぶ癒すから。約束するよ、だからお願いだ、チャンスをくれよ。一度は投げ出した全てをもう一度この手に、守りたいんだ。大袈裟かもしれないけど。


(反対性理論)

交差するふたり

ねじれた位置で、わたしとあなたは交差する。交わったようでいて、あなたははるか高くを、わたしは地に這いつくばっているから、刹那近づいても、遥か小さく微笑みが見えるだけ。ああなんで三次元なんだ、この世界。もし、一枚の紙に描かれた線の様に、あなたとわたしの軌跡もその上に刻まれているなら、間違い無く、わたしはあなたの掌に触れられたかもしれないのに。
この刹那を逃せば進む方向は違うから、距離は開いていくばかりで、でもあなたは高く高くを駆けていくから、わたしはただ見上げるコトしかできなかったんだ。いつか其処に行きたいって、思うけどもうダメなのかな、羽は腐敗している。せめて届けよ声、わたしは歌って、大気圏を突き抜けてあなたの元にわたしを届ける。ノイズだとあなたが耳を塞がないことを、願いながら。

(交差するふたり)
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