夜中に実家に帰った
父親は泥棒だと思って
不信感な足音で私に近付き
私の姿を確認すると
「ケンカしたんか?」
と優しい声で言った
私は既に泣いていて
余計涙が溢れて
抱き締めてた犬に力がこもった
ケンカじゃないことを話し
旦那が悪いわけじゃないと話し
それでも核が見えない父親は言った
「悪気なくても、傷ついた人がいるなら言うたらアカンことやったんや」
私は詳しい話をせずに
ただ、問い掛けた質問の答えだった
父親は娘とか関係なく
良い悪いを言ってくれる
こたつに電気を入れて
父親の言葉に包まれていたら
母親が起きてきて
「みんな聞こえたわ」
と笑って言った
夜中に私を挟んで父と母
涙が止まるまで
付き合ってくれた
痺れを切らした父親が
「で、○○(旦那の名前)が言うたんか?」
と直球を投げてきて
話せるだけのことを話した
旦那の家族に言われたこと
それが、思いの他
根が深かったこと
旦那に
全てを吐き出せなくて燻る本音
そして
旦那に対する私の気持ち
「二人で一緒のお墓に入りたい」
その言葉を聞いた父親は
安堵の溜め息を漏らしながら
「○○は悪くないんや」
と笑って言った
思えば
父親と旦那
数年でも一緒に仕事した関係
母親にしても同じ
産んだ人間には
産めない人の気持ちは分からない
些細な言葉でも
受け止める側がどう感じるか
全ての人が気をつけることは
有り得ないんだよと言われた
お前が、そういう人間にならないように
お前が気をつけていけばいい
辛いのも分かるけど
流してしまう方が楽になるよ…と
朝まで、離れずに
伝え続けてくれる両親に
私は、ただただ感謝して
お弁当を作る為に朝に帰宅
寝ずの仕事は
確かに辛かったけれど(笑)
父親のような
大きな懐を持つまで
まだまだ時間がかかります
思い出しては
まだ突き刺すから
弱かったり強かったりします
でも、今以上
落ちることはありません
全うして会いたい
亡き息子の為に。