短絡的な思考の人は嫌いと言われた。

私が初めて聴く音楽のさわりを聴いて、意外な方向性だったので「思っていた感じと違う」と言ったことが悪かったらしい。
個人としては批判の意図はなく、そのジャンルを根本的に勘違いしていたので
ストリングスも入るのかと、驚いて何気なく口にしただけだった。
日常会話の瑣末な事柄で感性の違いを思って、意見を交わすのならいい。
私の言葉の真意を確認もせず、暗に「短絡的な人間」と私を呼び、あまつさえ嫌いと表現する。
それこそが短絡的ではないか。
とても尊敬がある相手には出ない言葉。

言葉の制限。
あなたが気に触る可能性のあるもの、全ての表現を避ければいいのか。
あなたは何かテレビを観ても雑誌を見ても平気で好きだの嫌いだの、面白いだのつまらないだの言うのに。
私はささやかな感情を口にするのも許されないのか。
そんな相手と共に住めるか。
実行すれば私は私じゃなくなるだろ。
しっかり淡々と怒りを伝えた。

よかった。
怒りの方が、愛情より勝ることを理解した。

近頃はどこかで愛情の乞食になっているような惨めさを燻らせていたけれど、明確に言える。
私のこの怒りに向き合って真摯に謝れない人間なんて、いらない。

舐めてんじゃねえぞ。
普段穏和なのは相手を理解して許容しようという努力で成り立っているだけだ。
お前はその努力をしてるのか。
謝られて、関係性を続ける意味では許したけれど、お前の今回の言い草を一生忘れないからな。
一緒にいる居心地さに慣れて配慮にかけたらしいが、私はずっと配慮だらけやぞ。


短絡的で何も考えてない。
いいですね、そうあれたら。