「日本日本〜!節分しよ〜?」


イタリアくんは去年我が家で行った節分を気に入ったのか今年も朝早くから(多分、時差を考えなかったのでしょう)我が家に来ていました。
例の如くドイツさんも一緒ですが。


「では、はじめますか。」


え?なんだか笑みが邪ですって?
そんなこと……ふふふっ




†††††††††††††††††


「おい、日本……。」

「はい、なんでしょうドイツさん」

「これは、なんだ……」


これと言いながらドイツさんが見つめる先は
頑張って無言で恵方巻き(もちろんサラダ巻き)を食べているイタリアくん。
いやぁ〜、可愛いですね。
ふふふっ、ドイツさん、顔が真っ赤ですね。
何を想像していらっしゃるんでしょうか?



「ふふふっ、これは我が家の節分という行事の一環で恵方巻きと言って、その年に良いと言われる方向、恵方に向かって無言で食べる、と言うものです。」

「そうか……」


ふふふっ、本当に何を想像していらっしゃるんでしょうか?
私も、もうそろそろ笑ってしまいそうです。

おや、食べおわったようですね。
笑顔でこっちに向かって、って……。


「日本〜。おいしかったよ〜。にしても、すっごく大きかったよ〜。いっぱい、こぼしちゃったし」

そう言って近付く顔(と、言うより口元)にはマヨネーズが大量についていました。
ちらり、とドイツさんの方を向くと顔を真っ赤にしてイタリアくんを見ないようにしていました。
その姿があまりにも面白くて私はとうとう吹き出してしまいました。



「え?え?どうしたの?日本?
ねぇねぇドイツ〜、日本どうしちゃったの〜」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!寄るな、寄るなイタリアぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」



その後我が家からは私の笑い声とドイツさんの叫び声とイタリアくんの悲鳴が響きました。



−終われ−