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緋色(祐珠)



「どうして泣いてるの?」





これは夢だ





小さな頃の





あの人との思い出の夢






あなたは小さく体を丸めて泣いていた。



「いじめ、られるの……。」



涙を拭いながら短く紡がれる言葉




「君は、僕が怖くないの?」




「怖くないよ?だって君、泣き虫だし」




「な、泣いてなんかないもんっ!」




そう言ってこしこしと目を擦るがその手を追って、また涙は落ちていく。





「なんでいじめられるの?」



「僕が、化け物だから……。」




化け物?
よく分からなくて首を傾げる。
男の子は語り始める。


友達が交通事故に遭いそうになって、それを助けて車にひかれたこと。
傷は痛かったが、友達を守れたことに誇りを感じたこと。
だが、その友達は急速に治癒されてゆく自分の体を見て化け物、と罵ったそうだ。






「学校のみんなも、村の人も、僕のこと化け物だって」




「父さんも母さんも、力が制御出来ないなら、僕を、殺すって……。」




「怒るのも、泣くのもダメ……いつ、僕の中のものが暴れだすか分からない、から……。」




「だから、感情も、何もかも捨てて生きろ、と………。」





「僕は、一人なんだ…」




「ひとりぼっちなんだ」







一人じゃないよ、




一人じゃないですよ、先輩……








意識が浮上する



†††††††††††††††††

四国


「困りましたねぇ」

「困ったねぇ〜」

「そうですね。」

「…………。」


今日、2月11日は我が祖国、菊様のお誕生日だ。
そこで、四国一同は菊様のお祝いをどうしようかと話し合っていた。
ちなみに、このやりとりは毎年毎年行われるものである。

と、いうのも、どんなものでも毎年菊様は嬉しそうに笑い礼を言うのだ。
というわけで昨年の反省を活かして、などとはならないのだ。


「困りましたね……」


眉尻を下げ悩む愛媛。
先ほどから黙りこくっているのは四国ただ1人の男、高知。
それに香川は気付き、声を掛けた。


「こーちゃんさっきから喋ってないよね?
何かいい案ないの?」

「え、俺……。」


いきなり話を振られ、さらに眉間の皺が増えた。



(500年前の、愛媛姉さんと、1日デートが一番喜んでたと思うが……。)



そこでがっくりと肩を落とす。


「悪い、まだ……」


そう言って期待の眼差しを向ける香川から視線を外す

「役立たず……」

「なっ……」



「はぁ………困りましたねぇ」








ここまでっ!

節分ネタ(APH)


「日本日本〜!節分しよ〜?」


イタリアくんは去年我が家で行った節分を気に入ったのか今年も朝早くから(多分、時差を考えなかったのでしょう)我が家に来ていました。
例の如くドイツさんも一緒ですが。


「では、はじめますか。」


え?なんだか笑みが邪ですって?
そんなこと……ふふふっ




†††††††††††††††††


「おい、日本……。」

「はい、なんでしょうドイツさん」

「これは、なんだ……」


これと言いながらドイツさんが見つめる先は
頑張って無言で恵方巻き(もちろんサラダ巻き)を食べているイタリアくん。
いやぁ〜、可愛いですね。
ふふふっ、ドイツさん、顔が真っ赤ですね。
何を想像していらっしゃるんでしょうか?



「ふふふっ、これは我が家の節分という行事の一環で恵方巻きと言って、その年に良いと言われる方向、恵方に向かって無言で食べる、と言うものです。」

「そうか……」


ふふふっ、本当に何を想像していらっしゃるんでしょうか?
私も、もうそろそろ笑ってしまいそうです。

おや、食べおわったようですね。
笑顔でこっちに向かって、って……。


「日本〜。おいしかったよ〜。にしても、すっごく大きかったよ〜。いっぱい、こぼしちゃったし」

そう言って近付く顔(と、言うより口元)にはマヨネーズが大量についていました。
ちらり、とドイツさんの方を向くと顔を真っ赤にしてイタリアくんを見ないようにしていました。
その姿があまりにも面白くて私はとうとう吹き出してしまいました。



「え?え?どうしたの?日本?
ねぇねぇドイツ〜、日本どうしちゃったの〜」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!寄るな、寄るなイタリアぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」



その後我が家からは私の笑い声とドイツさんの叫び声とイタリアくんの悲鳴が響きました。



−終われ−
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