一年が経った。
平助、お前が死んでも一年だヨ。
そんで、今日久しぶりに来たのはさ、報告があるからなんだよネ。

今日、左之がそっちに逝ったよ。


嬉しい?
嬉しいよな?
左之がそっちに逝けばきっとそっちも盛り上がるんだろうなァ?

なんか、ズルいなァ。
俺、漫才師仲間いなくてすっごく寂しいんですケド?



「なぁ、俺も……。」



瞬間すっごい風が吹いた。
あまりの突風に目を瞑る。
しばらくすると風は止んだ。
俺の髪の毛をぐしゃぐしゃになった。




『んー、もぅ左之〜あんまり撫でないで〜髪の毛乱れるでショ?』

『あ?男がそんなこと気にするな!!』

『あ、左之だけズルい!!俺も新八っぱつぁんのふわふわの可愛い頭撫でるー!』


『あー、もぅ〜……。』




あ〜あぁ。
うん、分かったヨ。
寂しいケドさ、まだ、頑張るよ。
大丈夫だよ、お兄さんは大丈夫ダヨ。
に、しても、来年は三十路か〜。
よし、こうなったらお前らの分まで生きてるやるヨ。
平助は24、左之は28か
52年?いやいや、それは無理だな。
とりあえず、還暦までは生きていたいかな?


きっと、寂しいだろうケド。
頑張るからネ?
だから、時々弱音吐いても、許してくれよな?












†††††††††††††††††††


『あ、よ〜左之〜。』

『よ〜、じゃねぇよ!!一発殴らせろ!!』

『えぇ〜、俺痛いの嫌なんだけど〜。』

『お前、新八がどんだけ……!』

『え、だから新八っぱつぁんのことよろしくって言ったじゃん!!』

『お前、よろしくじゃねぇよ!!』

『あ、新八っぱつぁん』

『ぬぁに!?』

『お墓参り来て来れたんだぁ〜。へへぇ〜俺愛されてる〜。』

『愛されてる〜、じゃねぇ!!殴らせろ平助ぇぇぇぇぇ!!』

『わ〜、左之怖い〜。暴力反対!!いじめかっこわるい!!』




(新八っぱつぁん。


こっちで待ってるよ、ずっとね



だから、ゆっくりしてね



焦らずに



ゆっくり



一歩ずつ



毎日を大切に生きて。




そして



出来ることなら






最期は笑ってね?)



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