好きだよ
好きなんだよ
ずっと、ずっと
君にとって、俺はただの幼なじみにすぎないかも知れないけれど
ずっと、好きだったよ。
だからさ、
「フランシスに、告白された……」
顔を真っ赤にして嬉しそうに俺に言った時
この胸に激痛が走った。
でも、俺もフランシスのことをよく理解しているから
「そうなんだ、よかったじゃないか」
そう言って笑ったんだ
そうしたら彼は嬉しそうに顔を綻ばせて
「ありがとう。相談してよかったよ」
って言ったんだ。
俺も彼もフランシスもご近所さんってやつだから同じ汽車に乗って登校していた。
でも彼らが付き合い始めてなんだか居づらくなって(いくらなんでも空気くらい読むさ)一つ早い便で登校するようになった。
はじめは彼から「どうしたんだ?」と心配するようなメールが来ていたけど今ではめっきりこなくなった。
時折彼らの姿を見る。
彼は俺に見せたことのないような顔で笑うんだ。
そのたびに胸が締め付けられる。
頬を伝う水はただ重力にしたがって落ちていった。