劇場版では『子供から大人まで見れるファミリームービー』とか言われてたけど、劇場版から先に見ておっさんずラブをそういう作品だと思ってる方にはちょっと注意してほしい内容です。


元々ドラマでは1話から
「VRってエロもすごいらしいよ」
「巨根じゃダメですか」
とかのわりとあれなセリフもあったり、キスシーンも濃厚だったりしてたじゃないですか。劇場版では恋愛より仕事に比重が大きくなってる印象もあって(牧君を東京に残して上海行ったから、牧君も仕事に打ち込んでるんだと思う)、幅広い年齢層が見れるように調整されてる感じがするなあ。まあ映画だから、初めての人でも見やすい雰囲気にすることは必要だろうけど。一緒に暮らしてる状態がほとんど無くなってるので、仕事から離れた私生活や私服姿も少ないですね。個人的にはあの一緒に暮らしてる状態が好きだからなあ。そういう点では劇場版は物足りなさもありますね。

21回目を見てきましたが、劇場版で1番好きなシーンはサウナですね。これ全員男だからこそできる表現だろうけど、全くエロくない意味で『裸の付き合い』を表現したサウナシーンは偉大だと思う。うどん屋で粉被る→風呂に入りに行くという流れも自然ですし。結構触ったりとかもしてるんだけど、ジャスはテンション上がってはしゃいでるだけだし、いやらしくないお触りってこう表現したらいいのか。全く変な意味じゃないのに全員裸で腰にタオル1枚の状態で鉢合わせて、変な意味じゃないのに密室に全員裸だから変な疑いが生まれて修羅場になるっていう(笑)改めて思うとすごいシーンだな。状況分かってないマミ様の「誘っちゃった」がいい具合に爆弾投下になってて好きだわ(笑)
ドラマの時の牧君って、男と付き合うのは初めてな春田さんのこと気にして肌を見せないようにしてた気がする。劇場版では私服で半袖着てるけど、ドラマラストシーンも7月なのに長袖ですし。キス的な意味で口が出るのが早いし、意外と肉食系なんだけど、家庭的だったり外見は清楚で、清楚系肉食男子なギャップが良かった。それが半袖になるだけでもかなりの変化だと思うけど、脱いだのってかなり衝撃的です。
あと、あの大人げないケンカにBGMがクラシックっていうのもおもしろいですね。多分、トルコ行進曲の部分はサウナで流れてる館内BGMっていう感じがするし、蛍の光も閉店のアナウンスに合わせた館内BGMって感じ。間の革命と運命の部分は明らかに違うでしょ。館内BGM〜ケンカのシーンとしてのBGM〜館内BGMに戻るっていう感じがするんですが、この繋ぎ方もすごいですよね。多分、1回見て終わりの人とかは「バカバカしいシーンだな」くらいで笑って終わりだろうけど、サウナシーンはいろんな意味で秀逸だと思う。

PG12がどのくらいで付くのかよく分からないけど、制限かからないようにするためにドラマよりラブ感が抑えられてたんじゃないかって感じがする。牧君からのキスが1回も無いってあたりがかなり雰囲気違いますよね。幅広い層が見ても大丈夫なように元々ある路線を調整しちゃうと、元に戻そうとしたら批判出たりしないかな?インザスカイも同じ深夜枠でやるわけだし、映画ほど健全じゃないんじゃないかって予想してる。前にも書いたことはあるけど、私のドラマ6話の見え方ってこういう状態なので↓
牧君の風邪が不自然。風邪って言うけど咳やくしゃみとかの風邪っぽい症状は無い。5話から無くなるけど、牧君とちずちゃんの座る席の後ろ辺りのカウンターにマスクの箱あり。マスクの常備があるのに、風邪ひいている時にマスクせずに買い物に行く。つまり症状が熱だけで人には移らないからですが、春牧の間ではお互いに移るものと認識している。ではこの風邪の原因とは何か、ということです。「一緒に住んでるのに、まさかのプラトニック〜!?」とかいうセリフをわざとらしく入れてくるあたり、プラトニックではなかったものと思っている。いつなのかと言えば熱を出して倒れる前日=買い物デートの夜、となる。この解釈が否定されるとしたら、会社休むほどの風邪ひいてる時にマスクせずにスーパーに買い物に行くという、現代日本人の感覚的には非常識な行動を描いている状態。マイバッグ持って買い物行くようなしっかりした人が、それは無いでしょう。『ただの風邪』なんだけど、春牧の間でのみ移って全く関係無い人には移してしまう心配が無い原因のもの、ということになる。
あと風邪の栄養補給でアドレナリンっておかしくない?って思ったけど、痛みを緩和させる効果もあるそうだ。あのドリンクは一体何なの…!武川さんなりの気遣いだったんだと思ってるけど、アドレナリンって出すぎるとキレやすくなるらしい。OB訪問の時のあのおどおどしたかわいかった子が今では狂犬化するのは、武川さんの気遣いが変な方向で蓄積してしまったんだと、個人的には思っている。あの風邪の一連が普通に見ていて不自然だし、私にはこう見えているのですよ。結構攻め込んだ内容だと思うんですが、詳しいこと描いてない分、想像力というか妄想力掻き立てられます。生々しくなりすぎるとキャストさん達にも負担になるし苦手な視聴者もいると思う。遊び心もあっていいバランスの表現だと思うし私はすごく好き。詳しいことはノベライズでぜひ…!

直接の意味とは違う別の意味をセリフから聞き取れるようになったきっかけって、ドラマラストの荷造りの時の「痛い痛い痛い、全然入んねえじゃねえかよ!」が行為時の様子を表してるって考察を読んで頭パーンして以来なので…。直接の描写は無いから気付かない人は気付かないんだろうけど、深夜枠ですよねって思うし、プラトニックじゃないと思ってる。多分気付かない人は何も気付かないで『ちょっと濃厚なキスシーンがある』、くらいで普通に見れちゃうんだろうけど、なかなかの刺激的な作品だと私は思ってる。

「牧ってさ、すっげえ細かいよな」
「春田さんが雑なだけですよ」
というのは、まさしくあのドラマって2通りの見方があります。細かいこと考えないで1話から順に普通に見るか、すっげえ細かく作中のヒントを拾って話の辻褄が合うように繋げていくかで全く違う解釈や展開になる。コツを掴むまでが難しかったけど、そういうシーンがすごくたくさんある。見事な作りですよ。小説って挿し絵も映像もBGMも無く物語を読む、そういう世界ですから。そういう感じで補ってる状態ですね。

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