おっさんずラブにずっと違和感があって、おそらくこういうことなんじゃないかと思う部分にやっと思い至りました。劇場版以降の騒動やファンが揉めたりしてるのも、おおよそこれのせいなんじゃないかと…多分。

『視聴者のターゲット層を絞っていない』からだと思う。マンガ誌の場合は読者の性別や年齢層をあらかじめ想定してるから、その層が好む内容を提供すればいいわけで、大きく外れた内容が出てくることはあまり無いと思う。ゲーム業界の厳しいレーティングに慣れてるせいか、わりと過激なシーンもあってある程度大人向けに想定されてただろうこのドラマが、子供も一緒に家族で見てるっていう話も多いことに衝撃です…。映画だとレーティングが発生するから、子供も一緒に見れるようにするのにラブ要素を削ったっていうあれでは…。ドラマがわりと過激だった分、マイルドになると「なんか雰囲気違う」「物足りない」って言うファンも出るわ。
多様性を描いた作品なんだけど、入り口を広げすぎて『ファンの中の多様性』に対応できなくなってるんじゃないかって気がする。テレビドラマだから性別も年齢も問わず誰でも見れる状態で、50代半ばの黒澤武蔵と、25歳の牧君に30歳とは思えないかわいいナル様にと、年齢もビジュアルも全く違う2人を対比にすれば、そりゃあ視聴者の中でも大きく好みはずれますよね。私は元々BL好きの腐女子だけど、10代20代くらいの美少年美青年系を愛でてきたので、武蔵まで行くと年齢が高すぎるんですよ。多分、そういう方も多いんじゃないかと思う。BLマンガの世界だとここまで年齢の違うキャラを同時に出すって私は記憶に無い。
劇場版以降ファンが荒れてるし、武蔵はいらないとかいろいろひどいこと言ってる人達もいるし、「武蔵を応援する人達がいたっていいじゃん。ずっと報われない展開見て我慢してきただろうし」って思ってました。それが『ファンの中の多様性』だと思ってました。それはそれで大事なことではあるんだけど、そういう問題だけじゃないんだな。人にはそれぞれ指向とかストライクゾーンってものもあって、それを急に違う方向のもの見せられるっていうのは精神的ダメージになる人もいるんだろうな。個人的には武蔵はラブコメとしてはアリだけどラブにされるとちょっと…。武川さん・狸穴さん・シノさんは年齢高めでもカッコイイし、すごく変わったキャラってわけでもないからラブでもいける。武蔵は確かにカッコイイのはあるんだけど、ビジュアル的にも他の人達より一気に年齢上がるし、乙女なおっさんって他作品には見慣れないちょっと珍しいキャラですからね。だからあくまでラブコメとしては愛情注ぐことはできるけど、ラブとなると無理…って人がいても仕方無いと思う。不動産編はBLの牧君とラブコメの部長でジャンルが違うから1つの作品で上手く同居できてたんだと思うけど、skyは最後にラブで混ぜてきたからな…。ストーリー的に武蔵に気持ちが向いていく過程がちゃんと描かれてたら、皆こんなに文句言わないんだよ。18年版で春田さんがロリで巨乳が好きだって言ってたじゃないですか。極端な話、ロリなAVで突然熟女が出てきて喜ぶ人って少ないんじゃない?ダメだろ混ぜたら。完全にジャンルが違う。春成派にとってskyがいかにヤバい作りだったか今更思ったわ。しかも円盤特典の胸きゅん名場面カードとか言って春成の2ショ無いって、公式的に春成派のファンには用済み宣告か?私はskyは全7話だったと思ってるし、サントラだけ買うことにします。

skyは放送前にもしやと思いつついや違うだろうと思ったことがあって、でもやっぱりそれの気が…。4月にリメイクが発売される某人気ゲームのオマージュというかパロディ…。シリーズの別ナンバーを題材にした映画に吉田さんが出演してたりもする。
春田くん→C
緋夏ちゃん→T
ナル様→A
シノさん→Z
武蔵→S
シノ→春部分はちょっと違うけど、二次では人気のカプ。武蔵に突然気持ちが向いたのはオリジナルドラマとしてはさっぱり話が分からなかったけど、リユニオン…。SC派なんだよ私…。分かる人は深く考えるな。変なツボにはまる…。

劇場版の円盤が来月発売だけど、初見の人や子供連れの親に「これなら見ても大丈夫」って思ってもらう程度のもので、熱狂的なファンを満足させるものではなかったかなと…。1つの映画を22回見に行くって相当だと思うけど、感想これだよ。円盤は店舗別特典の種類が多すぎていくつか買うか迷ってたけど、結局アニメイト版だけにしました。率直に言ってマグカップの柄がキモいので…。クソダサイことを嫌う牧君にダサ要素を持たせるという矛盾…。特典がポーチ・キーホルダー・扇子と持ち歩く系の物があるあたり、そういうの持ってるとファンもクソダサイんじゃないかなこれ…。あれ?冷静に考えたらこの特典ひどくない?「かわいい」「お揃いの絵柄の物を持てるのは嬉しい」って思う方もいらっしゃると思うから、そういう方を否定はしないけど。ドラマの時のカップは持ってるファンも多いし私も使ってるけど、あれはダサくないし。ドラマの時にはダサ要素なんて無かった春田家に違和感を突っ込むっていう、あのペアマグカップの存在感…。展覧会の時に買ったけど、どうにもデザインが私の好みには合わないので箱から出してない…。むさしのスタンプとテイストが似てるし、あのペアマグカップは部長からのプレゼントかなと思ってる。牧君的には「うわ…」と思いつつ部長からなら無下にできなくて使ってる、と思いたい。

18年版ドラマのラストって、仕事と恋と両方手に入れたわけじゃないですか。マンガ版だと最終話扉ページに2人のタキシード姿や、1話冒頭で「遅く帰ってきてもおいしいご飯で迎えてくれたりとか」ということを言っているので、単身赴任のイメージなのかな?プロポーズのシーンでマンガならではの2ページ見開きがあったりして、すごくドラマチックだったと思います。
でもマンガ版にも無いので、公式的に触れちゃいけない部分なんでしょうね。『ざっくり雰囲気だけで見れば』何もおかしくないと感じるのかもしれないですが、私がよく言ってる部分は解決しないですね。プロポーズ〜上海出発までの間をBパート、ラストの春田家をCパートとすると、Bパートが存在しないことによって、作中のどこをAパートとするかでCパートおよび劇場版ラストの意味が変わってくる。他を1分くらい削ることは充分可能なはずだけど、そのくらいここが重要。

・新規プロジェクトに抜擢されて引き受ける部分をAパート→仕事も恋も両方手に入れ、遠距離恋愛に→劇場版で牧君も海外へ。2人共家庭より仕事を優先してしまう仕事大好き人間である。恋愛物としてベタベタしすぎず、大きな仕事も任され、登場人物達と同じサラリーマンの男性が見ることを想定するといいバランスなのかもしれない。春田さんは元々異性愛者なので、『男は外で働いて女は家で家事育児』という昔ながらの日本の一般的な結婚生活を思い描いており、牧君を奥さんとして家で帰りを待っててもらうことで安心して上海に行ったのかもしれない。ただし、まだ海外転勤の話が出ていない16年版で「仕事で遅く帰ってきてもおいしいご飯で迎えてくれて」をハセが理想高いと否定しており、劇場版はそのアンサーとなっている。
・「生活のすれ違いが原因だった」をAパート→『牧凌太と別れた原因』というのが前例として語られて、通常こういうパターンの時はそれを避けるか補足になるシーンを入れるはずですが、何も無いんです。脳年齢85歳の診断で、春田さんは記憶力が低いので…。「生活のすれ違いが原因だった」を覚えていないか無視することが、ハッピーエンドに感じる条件のはずです。武川さんと同じ過ちを繰り返しており、別れることが予告された状態。それが嫌ならあの全7話の中から回避できる方法を見付け出さないといけない、という所までは簡単な話ですが、それ自体がゲーマーの発想なのかな?『どう見てもどう聞いても何も無い』ため一旦迷宮入りするクソ難問。「気のせいでしょ?」「考えすぎでしょ?」って思われるかもしれないですが、『意味が分かると怖い話』『ループ物』ってものも世の中にはあるんで…。そうではない純粋なハッピーエンドだというならBパートが必要なんです。劇場版で牧君が本社に戻ってまさしく「あいつは本社勤務で俺は営業所勤務」になり、一時的に破局し、ラストは交際そのものは続いているが『(住む場所が)別れた』となる。牧君とずっと一緒にいたいなら生活のすれ違いを起こさせてはならず、上海へ行ってはいけなかった。天空不動産編は完結であり、背中向けて離れていく姿で終わり、映像的には『牧凌太とずっと一緒にいる未来』を失ったことになる。牧君だけオフショが極端に少ないのは、だいたいこのせいの気がする。とはいえ劇場版で好きなシーン1位がラストシーンだったあたり、思い入れの強くない人や遠距離恋愛物好きな人には全く問題無いのかもしれない。
・牧君が出ていこうとすると引き留めたり、武川さんの所に行こうとしたらキレたりしたあたりをAパート→春田母が出ていって帰ってこない状態で春田さんが上海行くとあの家は留守になる。しかしラストシーンで家の中の物はそのままで、牧君が留守番するのではと考えられる(劇場版の様子を見ると実際そうだったと思われる)。一見すると単に単身赴任のようだが、留守を任せておけば家にいさせつつ他の男からも隔離できる。意図的だと本当の怖い話なので、無自覚でお願いします…。劇場版で本社に戻って仕事に打ち込み始めてから「今が1番生きてるって感じがする」って言ったり、他の男といるとやっぱりキレたりして嫉妬も認めた。劇場版ラストは籠の鳥は外の世界へ飛び立った(ただし指輪で繋ぎ止めている)ということ。

私はおおよそこの3パターンの解釈なんですが、特定の思考や知識を持っている場合のみハッピーエンドではなくなるという理不尽…。マンガやゲームだったら上海行きをやめて営業所に残るラストになってたと思う。しばらくそのジャンルはやってないけど、恋愛シミュレーションゲームだと『相手の好みや都合に合わせる』のが基本だったので。「好きだ」「俺と付き合ってください」って牧君から来るのを春田さんが受ける立場だったけど、「俺と結婚してください」は牧君がプロポーズを受ける立場に変わるから、牧君を大事にしてあげなきゃダメでしょって思う。生活のすれ違いが原因で別れたってことは、牧君って彼氏と一緒にいられない状態苦手でそれがアレルギーみたいなもんだろうし。ゲーム業界だったらこれで自分の都合に合わせさせるっていうのは、バッドエンドか支配系(籠の鳥解釈)の印象。
とはいえ恋のために仕事を捨てるっていうのはドラマ向きじゃないのかね?普通のサラリーマンの男性が見ることを想定すると、『出世の道』っていうのは大事な要素?多分そこがマンガやゲームと、ドラマの違いなんだろうなあ。じゃあアニメイトで商品の扱いやキャンペーンやってるのは何さ。推しカプが一緒にいることを好む女性ファンにとって、理想と真逆の終わり方なんだよね。誰向けに作ってる作品なのか。

…まあ実は劇場版って中途半端に終わったようでいて、物語が先へ進んだ状態だけど。ちずちゃんが最終話でちらっと言った『パートナーシップ宣言』と、春田家の設定場所が立川市(展覧会の時にパネルで春田家電話台に立川市防災マップが確認可能だった)ってことがヒント。あるでしょうね続編。ただ、『天空不動産編は劇場版で完結』って公式が言ったのは事実で。そこを覆してその後の話を見たいわけよ。
可 能 じ ゃ ん…!
あれはそういうことだったのかって今更気付いたわ。それを公式にメール送れってことでしょ?頭では理解してるけど、文章として出力するのが大変なんだよ(この記事とかも数日がかりだし)。公式宛てに送ったらこっちでも説明します。

26日に4件、4日に1件、今日2件拍手ありがとうございました!