さていよいよ今夜は劇場版地上波初放送ですね!仕事で完全にアウトなので録画しておいて後から見ます…!
2・3話部分のことでおもしろいことに気付いて先日からポチポチ打ち込んでた話を載せます。劇場版にも関わりますので、まだ見ていない方は読まないでおいてください。劇場版放送までに間に合わせたいと思いつつ、頭で理解できても人に説明できるように文章化するのが本当に大変で…。2話と言えば部長と牧君のケンカのシーンのあの場所も。去年のテレ朝夏祭りの時のなので、いろいろ写り込んでる(笑)

以前から何度か書いてる部分をまずおさらい。2話(作中の4/30)に牧君が春田さんの悪い所10個で『方向音痴』を挙げますね。ところが3話ではお婆ちゃんから道を聞かれてすらすら案内をするということをしているのです。確かに2話で「ダメなとことか直す」とは言ってるんですよ。数ヶ月経過しているなら頑張って直したんだなと分かる。ただ、方向音痴を指摘された翌日なんですよね(部長を尾行したのが5/3であり、ネクタイの柄の変化で日にち経過を確認可能)。近隣の地理やバスの路線まで1晩で覚えられるわけがないし、じゃあ元々地理にも方向感覚にも強いじゃないか。設定ミスかなと最初は首を傾げた。接客業なのでお客さんからトイレどこですかとか探してる商品の場所とか聞かれて案内することも仕事柄しているので分かりますけど、あんなすらすら案内できるって方向音痴じゃないです。突然聞かれたのにパッと目的地までのルートが出てきて、しかもお婆ちゃん地図持ってるのに、春田さんはそれを見てはいないんです(これ重要)。地理にも方向感覚にもメチャクチャ強いですね。蝶子さんが言う「お人好し」がフィルターとしてかかると何も違和感無いけど、牧君が言う「方向音痴」がフィルターとしてかかると矛盾が起きる、『誰の目から見るか』というこのドラマの特殊性がはっきり表れるシーンですね。ただ、道を聞かれて案内するという経験そのものが全く無いと気付かない方も多いかと思うので、考察されにくい部分かと思います。

すらすら道案内できるのに、どうして牧君からは方向音痴と言われたのか。春田母が「甘やかしすぎたのかな」と言っており、ダメな姿を見せると甘やかしてもらえることを知っているはず。本当は方向感覚には強いが、わざと道に迷ったふりなどして甘やかしてもらおうとした→かなり早いうちから牧君のことが好きだった、というのが今まで書いていた考察。

これもありだと思うんですが、やっとちゃんと理由が分かって「このドラマすげー!」って改めて思ってビックリしたのでそれを書きます。今の所公式的には何も説明してません。『誰の目から見るか』というカメラ位置を調整する感じです。慣れない方だと酔う可能性もあるかと思いますので、無理そうなら深く考えないでおいてください。

まず、春田さんは営業であちこち歩いていて、街の人達とも挨拶するくらい顔見知りでもありますね。自分の足で歩いて自分の目で見て回っている。建物の色や形や大きさ、自分の足で歩いた距離感、どこで誰と挨拶したか…etc.そういう複合的な情報で街の様子を立体的に覚えているのでは?監禁された時に潮風の匂いと答えているので、植物や飲食店の匂いなど嗅覚にも優れているかもしれない。地理には詳しいんです。ただし、色や形や大きさ、自分の足での距離感、聞こえてくる音や声、匂いといった情報は地図には存在しないですよね。地図って上空から見た平面図で情報量が乏しく、『方向音痴』ではなく『地図が苦手』なのではないかということが考えられる。
『自分の足で歩いて自分の目で見た場所は覚えるのが得意』であるが、『行ったことの無い場所の地図には弱い』としたら、これが牧君から「方向音痴」と言われた原因である可能性を仮説として挙げてみます。例えば、牧君から「ここ行ってみたいんですけど」と地図を見せられたが、地図と実際の光景(現在地)との照らし合わせが上手くできずにキョロキョロしてしまったり、目的地に辿り着けなかったり…など。バス通勤であるにも関わらず「改札に引っ掛かる」と言われるあたりからも、春田家に来てから一緒に買い物など行っているだろうと思うので。
ちなみに余談ですが、地図を見るのは苦手でも、ちずちゃんのことはよく見てるんですよね。6話でわんだほうに呼ばれた時、ちずちゃんがお洒落していつもと違うことにすぐ気付きましたからね。それに気付けるあたりファッションに鈍感ではないでしょうね。

営業で外回りをしていると、街を見るのは自分の目線の高さ、または『見上げる』ことになると思います。東京は高い建物多いですし、それでなくても建物は普通、人の身長よりも高いですので。
『すでに出来ている街や建物を、地上で歩きながら見ている』状態と思います。

では牧君はというと、本社での仕事は都市開発なんですよね。資格は再開発プランナー。再開発ってそもそもどういうことなのかということが田舎に住んでる人間にはイマイチ分からず…。調べてみると、老朽化に伴う建て替えや使われなくなった施設など、既存の建築物を取り壊して新しく街作りをし直し土地を有効活用…といったことのようです。不動産業界のことは詳しくないから想像で言いますけど、該当エリアの土地を紙またはパソコンの画面上で図面にして、そこで区画を作っていったりするわけですよね多分。住宅地の販売区画のチラシとか見てもそうだけど、上空から見下ろした図ですよね。広いエリアを一度に見るなら、普通に人間が立っている目の高さでは無理ですからね。図面や地図として圧縮して、ある程度広いエリアをまとめて見通していることが多い状態ではないかと考えられます。

お気付きいただけるでしょうか?
春田さん→通常の目線または見上げる(あおり)
牧君→図面にして見下ろす(俯瞰)
この2人、街を見る目の高さが違いますね。あくまで図面や地図としてといったことで実際高い所に目があるわけではないですが…。今の時代ならドローン飛ばせば上空から見るのも可能だけど、龍はもしかしてそういう上空から見下ろすことを象徴…?マンガを描く方なら、あおりと俯瞰の構図は勉強すると思いますが、まさかこんな形で対比を作っているなんて驚きました。私そういうの苦手だったんですよ。正面から見るとこういう形なら、こういうアングルからはどう見えるか…みたいなのが上手くイメージできなくて、それで絵を描くことから小説を書くことに方向転換したわけで。だいぶ後になってから知って「ああ、なるほど」と思ったものだけど、徳尾さんも元はマンガ家を目指していた所から脚本という文章の世界への転向だそうですね。微妙なズレを作っている部分が多いので私にはこのドラマの作りってすごく気持ち悪いんですけど、一見すると設定ミスかのようなズレが実は非常に緻密な作りによるものと分かると、おっさんずラブを作っているのはすごい人達なんだよ。細かすぎてほとんど何言ってるか分からないかもしれないですけど。だいたいぽかーんってされてファン同士でもまともに喋れたこと無いです…。

本社に戻って東京ベイ・ラピュータ計画に参加するわけですが、図面として街を上から見下ろす→『本社行ったら急に上から目線』で街を見るということにもなっている。この作り込みのすごさ…。『夢を叶える』と言えば聞こえはいいものの、『100万人の笑顔が溢れる街作り』のために今そこで生活や商売をしている人達を急に追い出すっていう、わりとエグい話ですよねこれ…。牧君が街の人達と直接向き合ってるシーンは無いんですよ。ドラマ時点では『自分の幸せより相手の幸せ』だったはずが、相手の幸せのために自分が退かないように変わったというか…。『街を作る』っていう広い視野で見てるから、図面の上では家や人、現場のスタッフって小さなものになっちゃうのかもな…と。狸穴さんが「我々が街の人達の声を聞かなくなったのは、いつの頃からでしょうか」って言ってるし、牧君の入社時にはすでに本社がそういう風になってた可能性があるかな?…多分、ドラマラストで留守になるはずの春田家を牧君に預けて、春田さんが上海行ったのが最終的なスイッチの気がするけど…。本社としては、若手のエースの牧君をさらに育てようとして、営業の現場も経験させるために修行の旅に出させたような感じの気がする。ただ、本社のエリートから格下げされたような状況の中、元々成績最下位だった春田さんが新規プロジェクトに抜擢されて上海に行くっていう、成績の逆転現象が起きましたからね。営業の現場って成績がグラフにされてるし、負けず嫌いだと余計に上に行こうとする気持ちって芽生えそうな気がする。お仕事物として見ると、上下の動きが大きいんですよ。
うちの職場も、現場で直接お客さんと接してるスタッフからは「えっ、そんなのトラブルになりますけど!?」ってすぐ分かるようなことを上の人達は平気で言ってくるし、劇場版のあれは他所の会社を見てると思えない…。多分、業種は違っても似たようなケースは日本中に山程ある話なんじゃないかな…。

劇場版公開以降の諸々でファンが大荒れになった件、劇場版の内容と酷似していますからね。本社の強引なやり方で営業所の人達が振り回されて、街の人達が怒っちゃって営業所に怒鳴り込んだり、シャッター閉めて去っちゃったり。
本社とGenius7→テレ朝と公式
営業所の人達→役者さん達
街の人達→私達ファン
業種は違ってもTVドラマ業界にもある話でしたからね。927のあれは計画的に起こされたものかと…。牧君がいなくなって、直後に春田と武蔵の急展開って6話ラストの再現→「ただいま」「おかえり」だと3日くらいで気付いたから私はダメージ少ないですけど…。

「これからは街の人達と、彼らをよく知る営業所、そして本社の人間が三位一体になって、プロジェクトを進めていくべきだと思います」
「たとえ壊れてしまったとしても、またきっと作り直せます。街も、家族も」

↑公式がやろうとしていることはこれであると考えられる。怒って去ってしまったファンともう1度関係を作り直すって容易なことじゃないはず…。

部長と蝶子さんの話ってドラマとしては綺麗に描かれて終わったから、改めて詳しくやる必要ってあまり無いんですよ。私達視聴者はすでに見ましたし。この2人はちょっと避けてもらって、他の人物に照明を当てる感じになるといいですよね。ドラマでいろいろ匂わせておいて結局謎のままの武川さんとか、劇場版のその後の春牧とか。ドラマや映画にとって『土地』とは『尺』のことですね。全7話でと決まっているとしたら、そこに収めるように作らないといけない。でも尺の短さに対してキャラやカップリングが多く、また、恋愛と仕事のどちらがメインなのかテーマ性も分かりにくい。どちらも大事、というのも分かるが、圧倒的に尺が足りてないので…。
劇場版は『お子様からお年寄りまで一緒に見ていただけるようにラブシーン削りました。完。』って感じで、ライトなファンには見やすくなってると思うんですよ。足りない尺にいろんなもの詰め合わせて、『いろんな人にちょっとずつおもしろいもの』であって熱狂的なファンが大満足して終われるものではなかったと思う(22回見に行った人間の感想)。
圧倒的に尺が足りてないんだよ。部長と蝶子さんの話はすでに見たから、その2人を減らすことにより、尺という土地が空いて、他の人の話を入れることができるようになる。
牧→春←黒
武→牧←春
という二部構成になっているだろうことは早くから予測はしていた。

…お分かりいただけるでしょうか?
単語の意味を調べてやっとちゃんと理解できましたよ。牧君は今ある建築物を取り壊して新しく街を作り直す『再開発プランナー』だってこと。よくできてるんですよこのドラマ。

ちなみに地上と上空からの構図はskyがまさしくそうですね。整備士やディスパッチャーなど地上の人達と、パイロットやCAといった上空の人達に分かれる。
6話ラスト部分の再現だとすると、劇場版放送後にskyで動きがあるのか、そのまま不動産編に行くのか…。コロナの状況にもよるでしょうけど、私はまだ終わりだと思ってない。まずは今夜の地上波放送を待ちたいと思います〜。

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