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遠き日の思い出は蒼く儚く


分からなかった口座の暗証番号を教えてもらって、
「あぁ、そうなんだ」と、
つい、口をついて出た。


付箋に書かれた四桁の数字は、前の前の恋人との記念日で
それを設定したその時は、その数字がまた私にとって大切な日になると信じていたんだ。



忘れないと思っていたんだけど。
思い付かなかったんだな。



お互いに、お互い以上の人間はいないと思い続けて
今、二人ともお互い以上の人間を見付けてそれぞれの為に心を砕いている。

最近来た彼女さんへのクリスマスプレゼントの相談が、私にはとても嬉しかった。



もう一度重なりたくて、でも重なれなくて。

会えば家族同然だったけれど、なんとなく違うように思えて。

いつだって私はあの人と違う人間を選んだ。



ここまで来て、やっぱり彼かな、とか思っても
自然の流れに身を任せていた。

かけがえのない人生のパートナーではあるけれど、家族になりたいとは思わなかった。



だからこそ今、この関係性がとても嬉しい。

私はユウくんに出会えて、
向こうもそんな人に出会えて、

対等になれた。
何も気兼ねすることなく、関係を保っていられる。



もう会うことがなくっても。
信ずべきものが、ここにはある。

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