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XANXUSの華麗なる金魚飼育生活〜Vol.3



「ダメに決まってんだろォォオオォォッッ!!!!」


ヴァリアー邸が怒声で震えた。
天井に取り付けられたアンティークのシャンデリアはガラガラと音を立てて揺れ、城中の至る所から埃が落ちた。
その怒声に耳を塞いでいたザンザスは、耳から手を放すと怒声の主、スクアーロに向かって言い放つ。


「もっと声を抑えろ。テメェの声のデカさは騒音ってレベルじゃねぇぞ、公害だ」

「テメェがふざけた事を抜かすからだろうがァァァッ!!!」


今にもザンザスに飛び掛かりそうなスクアーロを、ルッスーリアが後ろから優しく抱き止める。
落ち着きなさいよ、と言いながらスクアーロの耳に息を吹き掛けるルッスーリア。このオカマが!!
だが、気の立ったスクアーロはそんな事に気付きもしない。幸せな奴だ。


「ししっ♪やっぱね」

「こうなると思ってましたー」


もうこれでもかってくらいスクアーロに怒鳴られているザンザスを見て、ベルとフランは予想通りの展開にご満悦な様子。


「別に生き物を飼うのは構わねぇ」

「え、いいの?」

「意外な展開ですねー」


まさかこうも簡単にアロワナ飼育を許してしまうのか、もう少し粘れよ、と残念な様子になったベルとフラン。


「飼うのは構わねぇが何でアロワナなんだぁ!?最初はグッピーとかでいいだろ!!」

「「……………」」


そこかよ…と言いたげなベル&フラン。
だが、スクアーロの言う事も一理ある。


「ボス〜、まずはグッピーやテトラとかの小型魚から始めてみれば?」

「そうよ〜、慣れてからアロワナを飼えばいいじゃない」

「テメェ等…この俺が小型熱帯魚を好むと思うか?」

「んじゃ、ピラニアは?」

「俺に食われろと?」

「ピラルクーとかー」

「ダメだ!!アロワナだ!!アジアアロワナのウルトラF4!!これ以外は認めねぇ!!」

「ふざけんじゃねェェェッ!!!アジアアロワナのウルトラF4が一体どれだけの値段すんのか知ってて言ってんのかこのクソボスがァァァッ!!!」


〓アジアアロワナ〓
古代魚の一種でアロワナのブランド。赤系のアジアアロワナは発色の度合いによって名前が色々あり、ウルトラは発色が素晴らしい為に圧倒的な人気を誇る。参考価格は40万くらいから。マーモンが聞いたらボスに死亡フラグが立つ金額である。
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XANXUSの華麗なる金魚飼育生活〜Vol.2


ザンザスの話が約6時間…


「んで?結局話をまとめると、爆弾小僧がアロワナを飼ってるのを見てボスも欲しくなったって事?」

「つまりはそう言う事だ」

「最初っからそう言えばいいじゃん。3行で済む話に何で6時間も掛かってんの?あーアホらし。王子の俺も流石に疲れた。精神的な意味で」


爆弾小僧 = 獄寺隼人
ボンゴレ嵐の守護者が飼育するアロワナを見て自分も欲しくなってしまったザンザス。
最近やたらとパソコンを開いて何かを熱心に見ていると思ったらアロワナの物色をしていたのか、とベルは呆れてしまう。


「そういう訳だ。早速お前等二人に任務を言い渡す。超S級任務だ」

「「却下」」

「まだ何も言ってねぇ!!」

「どうせ今から熱帯魚屋に行ってアロワナを買って来いとか言うんでしょー?」

「なっ…!!…何故解った…」

「ボスの考える事なんて解るっつーの。何年一緒にいると思ってんの?つーか水槽も何もないのにいきなりアロワナ買って来てどーすんだよ。食うの?焼いて食うの?」

「アロワナって食べれるんですかー?」

「現地じゃ普通に食用らしいってどっかで聞いた」


コテンパンに言われるザンザス。
今にも憤怒の炎を出しそうだが、唇を噛んで耐える。
ここで炎を出してしまったら夢だったアロワナとの生活も白紙に戻ってしまう。
噛み締めた唇から血が滲み、血走った目でベルを睨みつける。
だがベルは何のその、椅子の背もたれに腕を置き、ザンザスの怒りに耐え忍ぶ姿を面白そうに見ていた。


「大体さぁ、ボスちゃんと世話出来んの?」

「俺をナメてんのか?アロワナの世話なんぞ暗殺に比べりゃ大した事ねぇ」

「まぁ飼うならアホのロン毛隊長の許可が出てからじゃないと無理だと思いますけどー…」

「よし…今すぐカス鮫を任務から呼び戻せ!!」


続く
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〜XANXUSの華麗なる金魚飼育生活〜Vol.1


全ての事の起こりは


ボスの気紛れによって始まった








「アロワナが飼いてぇ」

「「は?」」


唐突に言い放ったザンザスの一言に、カードゲームをして退屈を凌いでいたベルフェゴールとフランは、声を揃えてザンザスの顔を見た。


何故にアロワナ…?


この男はいつも突然意味の解らない事を言い出す。
開けた口をそのままに、数秒間ザンザスを見ていた二人は首を傾げると、どうせまたいつもの気紛れだろう、と、カードゲームの続きをするべく机に向き直った。


「次は俺のターンだったよな?」

「そうでしたっけー?どうでもいいんでさっさとして下さいー」

「俺は無視?ちょっとそこのカス二人、遊戯王って年齢じゃねーだろ。俺の話を聞け」

「そういや今日任務来ないこど何で?」

「ミーに聞かないで下さいー。そこにいるカスの親玉にでも聞いてみたらどうですかねー?」

「あー…ぶっちゃけあんま関わりたくないんだよね」

「バカが染りますもんねー」

「お願いします、俺の話を聞いて下さい。ベルくん、フランくん」

「「ちッ…しょーがねぇなぁ…」」


無視られるのが辛くなったザンザスは憤怒も誇りも捨て、土下座で話を聞いてくれと懇願する。
ベルとフランは舌打ちをしながらも、カードを投げ捨てザンザスの話を聞いてあげる事にした。


「で?何でアロワナ飼いたいの?」

「よくぞ聞いたベル。実はな…」


続く
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