まどろみかけていた部屋の片隅。
小さな部屋のそこここで彼との思い出が密やかに同居していた。
怠惰。惰性。慢性的。
日常は淀みに満ちていた。
すると突然ノックの音が鋭く部屋に響く。
重たい頭を持ち上げて、ドアノブを捻る。
「こんな夜中にどうしたの?」
「コンビニでアイス買ってきたよ」
あれっおかしい。彼はどうして今私の部屋に来たのだろう。
だって、ねえ、こないだ貴方ー
「口実作って会いたかっただけだよ」
「待って…ここ動かないで…」
嘘。こんなのって絶対あり得ないもの。
それに、お別れはこの間済ませたばかりで…
私は混乱する頭を整理するためにも洗面所に向かった。
顔洗ってシャキッとしたらきっとまた前みたく抱きしめられる気がした。
顔に冷たい水をかけた。
「がぼっ!」
顔を上げたら私は狭い浴槽に浸かっていて、そのまま眠りかけていたようだ。
「夢…よね…そうよね…」
ぼんやりしてなんだか上がるのも面倒に思ったけれど、お湯がぬるいことから察すると大分時間が経っているのだろう。
湯冷めしそうになりながらも冷えた身体をタオルで擦りながら居間に足を向けた。
ふと、玄関に目をやる。
「夢…覚めたくない…」
涙が滲んできた。
そのまま迷うことなくドアノブを捻る。
誰もいない。
あの笑顔を忘れたことはない。
夢でもまた見れたことを幸いに思おう。
「えっ…」
ドアを閉めようとしたら何かが支えた。
そこにはコンビニの袋に入ったアイスクリームとスプーンがあった。
ーdeja vu
大分やってたのに作り直しますた…
元・鮎です( ´△`)スマホにしたせいでお気に入りも移せないから個体識別も無理なんだね!!微妙に退化してね?
とりあえず前と変わらず更新します。亀だけど。