2010-6-27 05:00
無防備
無修正出産シーンは猥褻なのか?
映倫による判断で18禁公開され、それが話題となってクローズアップされた作品。
無防備
監督:市井昌秀
出演:森谷文子 今野早苗
さて、久しぶりの邦画であります。
でえ……これが猥褻か否かゆう問題に関してやけど、オレは全く興味ありません。
うーん…映倫の判断は置いといて、オレ個人の意見を言えば、そのシーンはそこまでのリアリティ必要なかったんちゃう……ゆうのが正直な感想。
監督はこれで3作目のまだ若い作品やし、マニアックな賞は獲ってはるんやけど、オレの評価はやや辛いです。
主人公(森谷文子)は、仕事先のプラスチック工場となんとも陰気臭い家を往復するだけの単調な日々を生きている。
会社勤めの夫とは会話もなく、食事も寝るのも別の部屋。
どこまでも重苦しい感じの夫婦生活が、暗い照明やら薄汚れた壁紙やら……そんな小道具で上手く表現されとる。
そんな主人公が、職場で働き始める妊婦(今野早苗)と知り合うことにより、物語が始まる。
全くつまらん作品ゆうわけでもないの。
主人公には自動車事故による流産ゆうツラい過去があり、それが原因で夫婦の間は冷めきってセックスレスになってる。
そこに、夫に愛され自分のお腹の中に最愛のものを授かった、主人公からしたら目も眩むような幸福のなかにいる女性が現れる。
乗り越えられないトラウマ、羨望と嫉妬、そんな主人公の苦しみは存分に伝わってくる。
特に、立ち直ろうと喘ぐ姿は切ない、めちゃ切ない。
スーパーで奮発してステーキを買い、化粧してイヤリングをつけテーブルに花を飾って夫を待つ。
夫←なんか察したみたいに帰ってこんねん。
台所でキャベツ刻みまくってた主人公は突然意を決し、エプロン取って着てた服も脱ぎ捨て、シャワー浴びとる夫のもとに向かう。
「一緒にシャワー浴びてもいい?」
そんな主人公を
「いやだよ」
の一言で夫は冷たく拒絶。
それでも食い下がり…
「私たち夫婦よね
私たち……夫婦よね?
私…子どもが欲しいの」
そう夫に迫る。
その答えが………
「オレは欲しくない」
あんね……これ彼氏か御主人に見せるべきかもね。
痛切に反省します。
まあ、この映画においては夫は夫なりの傷を抱えとるんやろけど、あんまりです。
男から見ても、それはあんまり酷すぎです。
この話ね、特別なことは何もないのです。
どこにでも、そして誰にでもある過去の苦しみ、夫婦の心のすれ違いを、ひたすらリアリティを持って描いてます。
ちょっとNHKアーカイブズ見とるような感じなんやけど、それはそれで悪くないし、たぶん道に視点を置いた撮り方、緑の田んぼを一直線に伸びる道とか、何回も出てくるY字路とか、かなり好きな演出なんやけどね。
それが生きてないのよねえ……。
結局話題となったエンディングだけに力入れ過ぎて、せっかく丁寧に描かれてた前半部が印象薄くなっちゃった感じ。
して、オレにはどうしてもタイトルの【無防備】←の意味が分からねーのよ。
こんにちは
少し映画と関係ないかもだけれど…
旦那さんや彼氏さんは、自分の奥さんや彼女さんの出産に、立ち会いたいと思う人のほうが多いのかな?
出産って、かなり衝撃的なものだと感じてる。
私の感覚が、変なのかもしれないけれどね
お風呂場のシーン、私もはっきり言い過ぎだと思う。
夫婦なのに、可哀想だよね…。
そういう何かの病気だと言われたほうが、まだいいかなって…
トラウマって、自分だけを攻撃するように思っていたけれど、相手を傷つけるんだね。
いつもありがとう
P.S
ウサギは精神異常って、繰り返すと響きが面白いって、意味かな?
笑えるのなら、よかったけれどね
こんにちわ(・∪・)ノシ
作品とは関係ありませんが、芸人さんで自分の奥さんの出産に立ち会った際、奥さんに撮影を頼まれてビデオカメラ回したのですが、正に産まれてくる場所を撮影してしまい、子供に見せられないと奥さんに怒られた…というエピソードを思い出しました。
人間の心理描写や風景美に拘った作品に限って、全く違うポイントがクローズアップされがちなのは、人間が意識するであろうポイントを偏見で固定している社会性の現れなんじゃないかと思います。
宣伝する際も、監督が何を見せたいか、よりも、配給会社が何を売りにしたいか、が優先されているんじゃないですかね。
著名な俳優使ってガンガン番宣しても駄作はそれなりの評価しか受けませんし、逆に無名な俳優で質素な宣伝のみの作品が海外で脚光を浴びてから日本で話題になる、なんてパターン腐るほどありますから。
要は、話題性に富んだ作品ほど駄作にされがち、という典型かと。
本当に見てほしいメッセージが込められていても、前評判に踊らされて正しい見方をしてもらえないのは、勿体ないなぁ…と感じます。
すぐりさん、どもども。
生命の誕生の瞬間をとらえた感動作!!!
のはずが、なんだかオレには不快な感じしか受けなかったの。
この映画できたのは、誕生を通して生命の尊さを伝えたいゆう監督の要望に、女優でもある監督の妻が応じ、騒がれた無修正の出産シーンを撮影できたからこそや。
それがヤらしいとか、ヤらしくないとか、そんな話ではないのです。
自分の妻の痴態を世間一般に公開するのはいかがなもんかとか、そんな話でもないの。
こんなん言うと、女子は怒らはるかもやけど、出産て、もっと神秘性を帯びた荘厳な事柄ではないのですか?
たくさんのカメラクルーに囲まれ、まあ…ぶっつけ本番以外ないから、
カット!!!←みたいなんはなかったと思うけど、仕事と平行して出来るような事柄なんですか?
すぐりさんに訊いても、産んでないから分からんかもやけどさ。
オレ個人はよ、これがドキュメンタリー作品やったら素直に感動できたと思うんよ。
ただエンターテイメントとして作られたもんやったから、なあんか不愉快やったの。
立会い出産ね、出来ればオレはオーソドックスに廊下をうろつきたい派です。
まあ、言われてみりゃ無防備な妊婦やったけど、それをタイトルにするほどの無防備さでもなかったんよ。
何が言いたいんか分からんねん。
無防備←
結局インパクトだけかね?
とめ吉さん、どもども。
うーん…こうゆうアングラ系の映画を世に出すには、プロモーション的になかなか難しいもんあるやろしね。
映画産業とは、私利私欲が蠢く場所なのです。
オレはこうゆうマイナー作品好きやし、新しい監督やと観てみたくなるんよ。
せやから映倫の云々はあんま興味なかったんやけど、実際観たら、まあ確かにそこしか目新しい感覚はなかったかな…と。
監督さんごめんなさい。
多分ね、これ系の作品をあんま観ない方なら、かなり新鮮な感じを受けると思います。
でもねえ……オレ、ほんまNHKアーカイブズが好きなんです。
大好きなんです。
あの撮り方では、あっちはガチのドキュメンタリーやからNHKアーカイブズには勝てません!!!
木々を打つ土砂降りの雨…遠雷…
雲間から覗く太陽……眩い輻射光…緑の葉先に着いた水滴の超クローズアップ
雨上がりの景色が水滴に反射し逆さまに映る
(ナレーション)とめ吉さんは、待望の赤ちゃんを出産しました。
赤ちゃんの元気な鳴き声
おばあちゃんが、お祝いに集まった近所の人たちに腕によりをかけた手料理を振る舞います。
蝉の声……から徐々にインサートしてくる、酔っ払った近所のオッサンのよく分からない唄
ばあちゃんの手料理のアップ……近所のおばあちゃんたちの笑い顔がパーンし、最後にばあちゃんの笑顔……
ばあちゃんの目尻にクローズ……目尻のシワに滲む涙をバッチリ抑える……
アーカイブズ風やとこうであります