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拍手れすぽんす


8月17日

>>ユタカさま

コメントありがとうございました!+゜。(´∀`*)。゜+


はわわ〜!お祝いのお言葉ありがとうございますっ///
そうなんです、やっと就職先が決まりました(笑)自他共に認めるすちゃらか学生なので、「就職浪人きたこれ\(^o^)/」と思っていましたが…ww

就職先は、支部なので職員総勢20名で、パートさん含め女性が4人しか居ないので(笑)おじさま達と仲良くやっていこうと思います…

まだ必修単位がゴロゴロ残ってる+自動車免許の取得+自動車学校の資金貯めのバイトというハードスケジュールなので、この4年間で一番忙しくなるかもしれません…(笑)(笑)

最後の学生生活になるよう(笑)、一生懸命頑張りたいと思います!(^^)/
暖かいお言葉ありがとうございました( 人´∀`*)


ドスコイしてくださった皆さまにも愛を込めて!(*‘ω‘ *)

.

或いは、祈りにも似た日々

※突発SS
数年後設定、志朗・薫








「……さむ」

寒さで目が覚める、というのは、暑さで目が覚めることに比べれば不快感は少ないが、どちらにしろ気分が良いものではない。薫はぎゅっと目を瞑り布団へ顔を埋めると、何かを探るように腕を伸ばす。

薫の腕はすぐに、横で眠る志朗の背中に当たった。求めていた熱を得た薫は、満足そうに頬を緩めると志朗の背中へ体を寄せ、その腰に腕を絡める。赤い髪へ顔を埋めると、薫自身と同じシャンプーの香りが鼻をくすぐった。


「…なんだよ、薫」

「志朗の匂い嗅いでた」

「変な奴だな」

「だって安心するんだ…ごめん、起こした?」

「いや、目が覚めた。寒みいな、この部屋」


そう言うと、志朗はベッド脇にあるチェストの上へ手を伸ばす。暖房機のリモコンを探したが、目当ての物がそこに無いことを悟ると忌々しげに舌を鳴らし、代わりに煙草を手に取った。


「…志朗。そういえば、美人くんが訪ねてきたよ」

「…そうか。いつだ」

「うーん…3日前?いや、4日前かな」

「その日に言えよ」


志朗は銜え煙草のままベッドから上体を起こし、チェストの上にある灰皿を引き寄せた。ゴトリ、という重厚な音がしんとした室内に響く。


「…俺、美人くんに嫌われてるから」

「答えになってねえぞ。お前が、あいつを嫌いなんだろ?」

「…でも、美人くんが俺を嫌ってるのも、嘘じゃないよ」


薄い唇の端を歪めて、志朗は楽しそうに笑っている。その表情を見た薫は「意地悪」と呟き、自身の枕に顔を埋めた。


「まあ、知ってたけどな。3日前、訪ねたら私が不在だったと連絡があった」

「…美人くんと連絡取り合ってるの?」

「家族だからな。嫌か?」

「……嫌だけど。我慢する」

「なんで我慢すんだ」


ふう、と紫煙を吐き出す志朗が問うた。枕に埋めていた顔を持ち上げた薫は、俯いたまま小さな声で答える。


「嫌だ、って…美人くんに志朗が取られるって言ったら、志郎は俺が嫌になるから。俺のそばから、居なくなる……」


喉奥から絞り出すような言葉は、最後には殆ど聞こえなかった。俯いた薫の不揃いな髪がさらりと流れ、青白く細い首筋が露になる。


「…此処に居るさ。お前が、誰かと一緒になるまで」

「…要らない。志朗以外の人間なんて、要らない…!」


ひどく穏やかな手つきで薫の髪を撫ぜる志朗の瞳は、冬の空気のように澄んでいた。志朗は、目の前で震える男を、まるで少女のようだと思う。穢れを知らず、小さな箱庭が世界のすべてだと信じている。そしてその箱庭の住人に愛されなければ、生きてゆくことなど到底できないと思っているのだ。


「…そんなことはねえよ。あいつにも、大事な奴が出来たんだ。…お前とあいつは、よく似てる」

「……」


薫が顔を上げると、志朗は瞳を細めて微笑んだ。そして「寒みいからコーヒー淹れてくる」と言い残し、緩慢な動きで寝室を後にした。


「…でも、あの子は」


冷えた室内に残された薫がひとりごちる。

あのうつくしい子供は、今でも志朗を愛している。きっとずっと、愛しているよ…


「俺には、分かるんだ……あの子と俺は、似てるから」


けれど、違う。あの子と俺は違う。
あの子の指に光る、うつくしい首輪。あんなもの俺は欲しくない。俺が死ぬほど焦がれるものは、眠るように心安らぐものはーーー


「薫」

「…志朗」

「リビングで飲もうぜ。暖房入れといた」

「…うん、そうする」


薫は、裸足で触れたフローリングの冷たさに肩を震わせながら、寝室のドアに凭れ掛かる志朗の胸に飛び込んだ。自身よりも幾分背が低く、しかし自身よりずっと力強いその身体に、縋るように身を寄せる。


「なんだよ」

「…志朗の匂いだ」

「…ふ、変な奴」


志朗の手が薫の髪を撫ぜる。熱を帯びた薫の瞳が、震えた。
ああ、これなんだ。体温の低い、骨ばった志朗の手。この温もりと感触だけが、俺の心を焦がして安らぎを与える。俺が欲しいのは、


「…志朗だけだ」

「あ?」

「志朗がいれば、それでいい。…他はなにも要らない、なにも」

「……」


志朗は何も言わず、薫の背を押しながら寝室のドアを閉める。
薫の青白く細い腕を、振り払うことは多分、とても容易だ。それが出来ずに居るのは、恐らく優しさなんかではない。もっと別の、善とは言い難いものだろう。
ただ、今はこの気持ちに身を委ねても構わないと思っている。そうして、そのままこの少女のような男と離れることが出来なくなっても、後悔はしないだろう。多分、二人とも。


「……砂糖が切れてる。これじゃあコーヒーが飲めない……」

「練乳ならあるぞ」


誰も居なくなった寝室では、微かな煙草の香りがいつまでも漂っていた。



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