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ひっさびさの更新です!
文庫版買うことが決定致しました。
狂は縁側に座って、満開の桜を眺めながら紫煙を燻らせていた。
「煙草の前にすることがあるんじゃない?」
いつの間にかアキラの手当を終えたゆやが、見慣れた薬箱と共に隣に座り込む。
「……」
「左腕。出して」
迷いのないその声に、狂は少し顔を顰めた。
「……」
「ほら脱いで!」
有無を言わさぬ強引さで着流しの襟元を掴み、彼の左上半身を露わにする。
「やっぱり…」
左腕の刀傷から、半分固まりかけの血が流れていた。
「消毒もしないでほっとくと、化膿しちゃうじゃない!」
黒の着流しは血の色が目立たない。
だから、一見しただけでは分からない。
「アキラさんがあんなにボロボロで…狂だけ無傷なわけないもの」
眉をつり上げて睨んでくる。
その目を真っ直ぐ見つめ返せず、狂は無言で煙管を床に置いた。
彼の観念した仕草に、「そういうところ何年経っても変わらないんだから…」と、ゆやは慣れた手つきで手当を済ませていく。
いつまで経っても手のかかる…大きな子どもを世話しているようだ。
狂の腕なら包帯がどれくらいの長さ必要かとか、腹ならどれくらいとか、いつの間にか覚えてしまっている。
もちろん他の仲間達の分も。
「毎回少しずつ、傷が増えてるんじゃない?」
包帯を巻きながら放ったゆやの言葉に、狂は鼻で笑った。
まだまだ余裕のある笑み。
「オレ様が負けると思うか?」
「ううん。勝つわ」
即答。
あまりにもハッキリとした返答に、自分が訊ねておいて狂は少々面食らった。
『私は、狂を信じてる』
彼女のブレないその強さが、彼には恐いくらいだ。
恐いほど、失いたくないし、彼もブレないでいられる。
「……」
彼女の少し伸びた、後ろで纏めた髪をグシャグシャと掻き回す。
「ちょ!やめて〜!」
乱れた髪を抑えながら、ゆやは狂を睨んだ。
*****
桜の季節に書き出したのですが、季節外れになってしまいました。遅筆すぎる上に駄文すぎる…。年々文章力退化していってる気がします。最初から皆無なのに、最近書いてないからさらに…凹
久々に続き書いててやっぱ鬼眼さん好きだと実感しました。
なんか無性に鬼眼さんが好きだ。
あと一回くらい続きます。この手当話。
7月から職場の部署が変わります。
プレゼント企画だから、もし読めなかったらどうしよう…って動悸息切れがヤバいんですが。
性 別 | 女性 |
年 齢 | 35 |
誕生日 | 10月20日 |
地 域 | 熊本県 |
血液型 | O型 |