知ってるか?
俺がお前のことどれくらい好きで、
どれくらい愛してるか。



「獄寺って綺麗な目してんのな。」

そう思って手をのばしたらいつの間にかキスしてて、
自分でも驚くほど冷静だったから唇の感触だとかほんのり香るタバコの匂いだとかがダイレクトに伝わってきた。
それを感じることで獄寺とキスしてんだなって、
改めて思った。


「…死ね。」


鈍い音をたてて俺を突き放し睨みつける獄寺。
そんなに悪い事はしてねーよ俺。


「お前って美味いのな。」


くったくの無い笑顔でそう告げるとまた鈍い音がひびいて俺の頬に痛みが走った。
思い切りなぐる事ないのに、
笑顔がひきつる。


「てめぇなんか大嫌いだ。」


走ってく獄寺。
それをおいかけるでもなく見つめる俺。
姿がみえなくなればさっきとは違う脱力にも似た笑いが込み上げる。

知ってるんだ、あいつだって俺を好きなこと。
真っ赤な顔して走っていった不器用なひと。


いつ好きだと伝えよう、
頭で告白シーンを想像してたらなぐられた場所が疼いてまたちょっと笑えた。










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付き合う前の相互片思い。わかりにくい感情が青春。