推しの生誕を終えると私の誕生日があった

一度推しに誕生日を聞かれてから誕生日の一月前くらいにもうすぐ誕生日なんだと言ったきりだった

その年は奇跡的に私の誕生日にライブイベントがあった

なんて幸せ者なんだと思いいつものように1人でライブを楽しんでいた

その後は特典会に参加し推しに会った

推しは「◯◯誕生日おめでとう」と言った

私は覚えてくれていたことにびっくりした

この時くらいから推しのグループは少しずつ売れてきておたくも多くなってきていた

そんなたくさんのおたくの中私の誕生日を覚えてくれて伝えてくれたことが嬉しかった

私は「覚えてくれてたんだ、ありがとう嬉しい」と伝えた

推しは「実はねスケジュールに◯◯の誕生日って書いたんだ〜」といつものように間延びした話し方で言った

推しとはおたくとアイドルの関係でありそこに関しては意識していた

それなのに推しの私生活に私が少しでも入り込めたことがなによりも嬉しかった

推しがそこに書くことを許したということが嬉しかった

そのときは多分語彙力もなくなり「うれしいうれしいありがとう」と伝えていたと思う

※記憶は不鮮明

なんて幸せな誕生日だと思いながら気分は上々だった

いつものようにその後メンバー全員とのチェキがあったので並んだ

私の順番が来たとき推しがメンバーに向かい「今日◯◯誕生日なんだよ」と言った

すると急に誕生日ソングが始まり推し、メンバー、周囲にいたおたく達が歌ってくれた

私は恥ずかしさが大きかったが喜びと推しに感謝の気持ちであった

今思い返してもなかなか感じることができない幸せな空間だった

その後特典会が終わり帰宅しようとするとマネージャーに呼ばれた

マネージャーとは仲が良く話すことも多かったので近くに行き話を聞こうとした

すると、「誕生日おめでとう」と言われメッセージつきのお菓子をもらった

こんなものもらってもいいのかと確認した

「◯◯のことすきだからね」と言われた

言うことやることがイケメン過ぎた(落ちた)

ありがとう大切にすると伝えて会場を後にした

私は言うことは少なかったが死にたいと何年も思ってきていたため生まれた日に関しては特に興味もなかった

友人からサプライズされること、プレゼントや手紙は嬉しいと思っていたが、私自身が生まれた喜びや親への感謝はなかった

でも、初めて生まれてよかったと思った日は間違いなくこの日だった

私は生んでくれた親に感謝し、死にたいと言いながらも生きてた自分に感謝した

これだけ読むとアイドルごときでと感じる人もいるのかなと思う

アイドルは人によって役割が違う

憧れとして見る人、音楽として見る人、楽しむ場所として見る人、疑似恋愛の対象として見る人、今であれば承認欲求を満たすために応援する人、おたくとのコミュニケーションの場として見る人、様々である

私は未だに推しにどの感情を抱いていたのかはわからない愛していたし大好きだったけど付き合いたいなどの感情はなかった

私にとって間違いなく世界で1番輝いていた推しをずっとおたくとして応援していたかったのかもしれない

まだわからない感情だが、この感情のおかげで私はたくさんのことを経験し生きたと思う

人によってアイドルの役割は違い、でも間違いなくなにかの影響を与えてくれるのがアイドルであると思う

だからもしこの文章を見てくれるのであれば一度でいいので何のかたちでもいいのでアイドルを見ていただきたい