自分の持ってる二面性がほんとうに嫌で、嘘つきなのがほんとうに嫌で、どこへ行っても変わらないわたしになりたい。
見透かされることに、壊してしまうことに怯えているわたしを脱したい。
別に、それはとてもくだらないことで、
ビールも冷たい麦茶も生クリームがのったケーキもほんとうは苦手だとかそんなことで、
わたしが愛しているのは生まれた土地の荒くてきたない方言だとか、軽自動車にしか乗らなくてもワイルドスピードが好きだし、飛影でも蔵馬でもなく桑原派だし、にわかと言われようとジョセフ・ジョースターが一番好きだし、みちはるのが萌えるし、カニクリームコロッケはその内作れるようになるし、できないなら上からものを言わないで欲しいし、仕事中に舌打ちして空気悪くしたなら後で面白いこと言って社内を爆笑の渦に巻き込めよとか、誤りに気付いたなら自ら真っ先に謝罪してきっちり仕事をやり直すのがせめてもの誠意だし、いばらの道と言われてもわたしは正しいことだと信じているし、負担になるのは絶対でもそれでいいって言ってくれるあのひとたちが大好きだし、影口を叩かれてるあのこはいいひとだし、母が父を愛していなくてもわたしは父を愛していいし、あんたの人生なんだから別に誰とでも恋愛すればいいし、
わたしが独り占めしたいのは、幼い頃に一目惚れしたたったひとりの女の子だけだとか、そんなこと。