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何も言えないまま時は過ぎて。


こんばんは。
聞く事も話す事も
「また会おう」も「行ってらっしゃい」も
何も言えないまま……

あの人は旅立っていった。
遠い遠い地へ。

淋しくないと言えば嘘になる。
あの人は僕にとって最初に出会った人。

泥汚ない僕をここまで育ててくれた。
僕を見つけてくれなければ
ずっと泥汚ないままだった。

クソ親父に暴力を振るわれ
歪んだ性格に育った僕を救ってくれた。

最初で最後の尊き人。
今の僕があるのもあの人のおかげ。

時には突き放され悲しい思いもした。
喧嘩して口もきかない時もあった。
でも、1番僕の事を大切にしてくれた。

今はもういない……

せめて挨拶くらいはしたかった。
戻ってくる、いや戻って来て欲しい人。

いつか、この場所から言いたい。
「お帰りなさい」って。

言えるだろうか?
それとも……

僕は、あの人を失いたくない。
また笑い合いたい。

何度も何度も叫んだ。

いつか、また、会いたい……


また会えるよね?


こんばんは。
今日は色々あって疲れた。
でも、眠れない。

頭の中がパニックになりそう。
そんな1日だった。

僕の大事な人が僕の元から離れていく。
急な話に付いていけない。

何故今になってこうなったのか。
説明が頭に入らない。

何度も何度も呼んだけど
悲しそうに僕を見ないようにして
去っていく。

どうして?
また会えるよね?
疑問符ばかりが頭の中を支配する。

僕には理解出来ない。
一体いつから決まってた?
僕の大事な人はこうなる事を
分かってたのか?

いろんな言葉が飛び交う。
僕を束縛する。

分からない。
分からない。
分からない。

僕はいつか越えられるだろうか?
ここにいないあなたを。

離れていく。
そして始まる新しい形。

僕はそれを受け入れられる日が
来ると信じたくない。

また会えるよね?


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