「はぁ…」
「おや?お疲れですね」
「兄弟達に個性的な奴らが多いからさ。でもまぁ変わった奴の相手は得意っつーか…なんだかんだで世話焼いちまうんだよなぁ」
「ふふ、その気持ち、私もわかります。毎日賑やかでせわしないですが結局はそこが一番落ち着くんですよね」
「あぁ、お互い苦労するな。いい意味で。」
「…ん?やぁ、さっきから気配は感じるんだけど…誰かな?」
「あぁ、すまない。この子は喋れなくてね。どうやら君の目の包帯が怪我をしていると思って心配しているようだよ。」
「はは、そうだったのか。大丈夫、怪我はしていないよ。心配してくれてありがとう」
「わぁー!私、天使って初めて見るよー!翼キレイー!」
「えっへへ。そうかなぁ?ありがとう」
「ねぇねぇ!空って飛べるの?」
「飛べるよぉ!空のひんやりとした空気がすっごく気持ちいいんだぁ!一緒に飛んでみる?」
「いいの!?って…2人も持ち上がるのかな?わ、私重いよ…?」
「あはは、大丈夫!大丈夫!さぁ、僕の手に掴まって!」
「君…足が…」
「なんだ?言っておくが兎の足や耳があってもマロニエは天使なんだぞ」
「う、?うん…ねぇ…その足、嫌じゃない?」
「嫌なもんか。ラドゥエリエルが作ったマロニエの大事な一部だぞ。むしろこの身体に生んでくれた事に感謝するべきだ」
「大事な一部…そっ…か…君はすごいね…」
「何がだ?それよりもいい加減降ろせ!」